試験参加者の多くが、そのボタンについてこう思っただろう。
「何の為にこのボタンはあるんだ?」
それもその筈、試験参加者の多くが厳しい書類審査を受けている、本気で試験に臨みに来た者だ。
自身から折角の試験を棄権するなんて、考えもしないだろう。
この状態に対して、大きく分けて三つに反応が分かれた。
最初はボタンを気にせず、そのまま謎解きをし前に進む者。
これが一番堅実だろう……
主人公朱紋盟華も、そうした。
次はボタンを気にし、立ち止まって考察を始める者。
そして、実に愚かな者も居た。
本当に愚かだ。面白くて笑みが零れる程に。
何と奴らは、ボタンを押したそうだ。
わざわざ難しい操作方法にして、押しにくい形式にしているとしても。
何と愚かなんだろう、あは、あははははは…
失敬、ついつい本音が溢れ出てしまいましたよ。
その後、どうなったかはお判りでしょうか?
当然、リタイアしたいと自分で願ったんでしょう。
ご丁寧に対応がされます。そう。
ご挨拶が為されました。
「さようなら」と。
そして、落下したという。
何と、その押した者たちの床だけが綺麗に抜け落ちて、どこかに落ちて行ったという。
勿論、亡くなってはいないと思うが…。
好奇心に身を任せるとこうなるらしい。
好奇心は悪い物なのか?と思った読者も居るだろう。
好奇心は「知らない」から生まれる物なのだ。
この学園は知識が全て。
「知らない」輩は居なくなればいい。
それだけの事。
(次話に続く)
コメント
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やっぱりエルファンは小説の才能も折り紙付きだ