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コメント
3件
ちゃんと、セリフに名前がついてるだと…
草香みちる🍀
2
鈴田「……直太、?」
直太「…恭弥?」
男は振り向いた。赤く、長い髪と黒い棒のようなピアスが、夜風によってなびいていた。おそらく、ウルフカットの長い髪を三つ編みにしている。そして、鈴田は見てはいけないものを見た。
そう、そいつ首に蛇と蠍が喧嘩をしているようなタトゥーが入っていたのだ。
鈴田「……鳳凰…」
鈴田がポツリと呟くと、男はバッと。首元を隠し、焦ったように目を泳がせていた。
直太「…恭弥、あのな?」
男は1歩、1歩、と鈴田に近付いてきた。何かを挽回しようと必死な表情だった。
鈴田「…お前、誰だ?」
男はその場で立ち止まった。
直太「…は?…直太だよ。お前、さっき自分で言ってただろ。」
そう、鈴田は自分で言っている。だが、なぜ分かったのか、なぜ知っているのか、鈴田自信にも分からなかった。
直太「…お前の…親友、だろ?」
男はそう言った。その瞬間、思考が止まった。親友?親友の存在を忘れていた?そんなわけが無い。それに、鈴田の親友は田中のはずだ。その前に、親友が鳳凰?信じたく無かった。
鈴田「…親友?…そんな訳ない。」
直太「本当にそうなんだよ。なんで分からないんだ、!」
男は近づいてきた。親友と言われても怖かった。あの鳳凰が近づいてくる。殺される。
鈴田「く、来るな!」
鈴田は後ろにさがる。逃げるように、一定の距離を保って。
直太「……」
男は止まった。その顔は、どこか悲しげだった。親友に拒絶されたのがあまりにも堪えたらしい。
鈴田「…お前は、誰だ。俺の親友なんかじゃない!」
鈴田はそういうと、背を向け走っていった。
後ろにいる強面の男たちは鈴田の態度に怒ったのか、追いかけようとしてきた。だが、直太と呼ばれる男がそれを制した。
その夜、鈴田は眠れなかった。眠れるはずも無かった。自分の親友と名乗る男が鳳凰。だが、自分はそいつの事を知らない。頭が混乱しても、おかしくは無い。
───────翌朝───────
鈴田はいつも通りに大学に行った。いつもと違うといえば、目の下にすごい隈がある事くらいだった。
田中「おーい!きょ・う・や!!」
田中は鈴田に飛びついてきた。
鈴田「うわ!!!…なんだ、聖か……」
田中「そんなに驚くか?」
鈴田「驚くわ!たっく…寿命が縮んだ…」
田中はガッハッハッと豪快に笑い、鈴田と共に講義を受ける教室に向かう。
田中「あぁ、そういえばなんだけど。昨日のよる、大隣町で銃殺事件が起きたんだって。3人が蜂の巣になって、路地裏に捨てられてたらしいよ!怖いよな〜。」
大隣町。そこはこの前、田中と飲みに行った所だった
田中「まぁ、俺らが殺られなくて良かったな!」
田中はケロッと笑っていた。だが、鈴田は笑えなかった。大隣町。「あの時会ったアイツらがやったのだとしたら、俺は共犯になるのか?」現場に行かせてしまった事に対しての後悔が湧き上がってくる。「もしもそうだとしたら、あの時逃げなければ……」そう考えていると、
田中「…や……ょうや……恭弥!!」
鈴田「っ?!!」
田中「どうしたんだ?もう教室着いたぞ。」
鈴田が1人で考え事をしているうちに、もう教室に着いていたのだ。2人はドアを開け、いつもの席に座る。