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#友達
雪音(ゆきね)
32
Forth。
191
数日後瑠衣は本当に練習場に現れた
「いらっしゃいませ」
コーチが瑠衣に対峙する
「見学に来ました。七華瑠衣と申します」
後ろでタイムキーパーをしていた健吾の耳に瑠衣の声が届く
(きたか・・・)
肝心の本人たちはお互いにアピールしたり、声援を送ったりして和やかな雰囲気だ
健吾の額に再び汗が滲み、をタイマーをに触れていた手が少し震えた
こういうタイプの相手は初めてではないが未だに慣れない
「すみません。ストップお願いします!」
コーチの練習ストップのコールが入った
そこで見学者の紹介時間に入り、コーチが例の質問をする
「七華くんも車椅子乗ってみますか?」
瑠衣の返答は健吾の予想に反したものだった
「いいんですか?ぜひ乗ってみたいです」
そうして勧められるがまま、競技用車椅子に乗る
「ではアタックはシュウくんお願いします」
コーチが修一朗を指名して、修一朗は瑠衣の前に立つ
「いくぞ!瑠衣」
「いつでもどうぞ」
楽しそうに相手の名前を呼ぶ修一朗に冷静に返す瑠衣
修一朗の車椅子がガンと音を立てて、瑠衣の椅子にぶつかる
瑠衣は一瞬倒れるかと後ろに反り、椅子も一瞬ぴんっと跳ねる
次の瞬間全員が固まった
「あれ?なんともない」
「動かない・・・だと」
瑠衣の乗っていた車椅子は微妙に少し後ろに下がったのみで、本人が転ぶ様子もない
不思議に思ったコーチが二人に瑠衣の経歴をきいた
「シュウくん、瑠衣くんは何か運動経験がおありなのでしょうか」
「いえ、俺はそんなの聞いたことないです。俺の運動に時々付き合ってくれますけど、立った状態なので」
付き合いの長い修一朗もさすがに驚く光景だった
改めてコーチが瑠衣に再度同じ質問をしたが、本人も運動経験はほとんど無いと言った
「これはなかなかの逸材かもしれませんね」
コーチは瑠衣のほうを見てにやついている
そしてコーチはその場で瑠衣を選手として採用した
驚くもの、喜ぶもの選手たちの感情は騒がしくしていた
その週、練習試合があった日に修一朗が健吾を労うと瑠衣が健吾に声をかけた
「健吾くん」
「なんだ?」
「君はシュウのこと介助してる立場だから隣にいるのも仕方ないけど、今の場は違うから言わせてもらう。シュウの隣は譲らないから。相棒になるのは俺だから」
重く気持ちの入った発言に健吾は呆れる
「別に俺はなんとも思わないぞ。相棒になりたいのなら、どうぞ」
冗談のように手を差し出す健吾の肩を少し強めに叩く瑠衣
コートに入る瑠衣の背中に厄介なやつを味方に入れたと思った健吾だった
ーーー
クリムゾンがメンバーを揃えて勝ち進んでいくなか、修一朗たちに衝撃が走ったのは準決勝前日のタイミングだった
コメント
1件
読み終えたわ!「相棒は俺だから」って瑠衣が宣言するところ、めちゃくちゃ痺れたな。修一朗の隣に立つんだって強く決意してる感じが伝わってきて、こっちまで熱くなった。コーチが瑠衣を見て「逸材」ってにやつくのも、彼女の潜在能力に気づいたんだろうな。健吾の「厄介なやつを味方に」っていう冷静な評価も渋いわ。次回、準決勝前に何が起きるのか気になる🔥