⚠︎夏目が幼児化
キョロキョロと辺りを見渡す小さな少年の手を、俺は優しく握ってみると、少年はふにゃりとした愛らしい笑みど微笑んでいたが、少し苦笑いに近しい笑みのようにみえた。
「夏目・・君は、どこか行きたい所はないかい?」
首を傾げて聞く名取に、夏目は自分の足元へと視線を移動させると、何かいいたげに口をもごもごとさせていた。
そんな夏目の髪を、風がふわりと撫でると、彼の美しい白髪は、今日のような青空にとても映えている。
私は、その光景に身も心も奪われてしまった。
すると彼は、人や妖までも夢中にさせてしまうキラキラとした翠の瞳をパチクリさせて、ふふっと笑っていた。
*
夏目が家まで来たと期待してロックを解除したのだが、実際に来たのは夏目の用心棒の猫ちゃんであるニャンコ先生だった。
ニャンコ先生はぷりぷり しながら私に近寄ると、次の瞬間、私の視線は夏目にそっくりな少年に目を奪われていた。
「なつ・・僕、どこから来たのかな?」
苦笑いをしながら質問をする名取の顔を、夏目に似た少年はジッと見つめていた。
「・・・うーん、困ったなぁ。君、名前は?」
駄目もとで聞くと、ついに男の子は口を開いた。
「な、夏目・・夏目 貴志です。」
震える声で話す夏目に、名取は今にでも抱きつきそうになったが、一生懸命その気持ちを押し殺した。
「わかった、夏目君だね。俺は名取 周一、祓い屋を生業としているよ。」
ニコッと笑うと、夏目は不思議そうに首を傾げた。
「お兄さん、妖なの?・・・」
fin.
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