テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
〜*Hina*〜
85
#ご本人様には関係ありません
〜*Hina*〜
386
〜*Hina*〜
586
午後2時。部長室のドアは「風通しを良くするため」という名目で、少しだけ開け放たれている。なつは自分のデスクで、部下から回ってきた資料の最終チェックに没頭していた。
「……ん。……ここ、やっぱり数字がズレてるな……」
なつが少し疲れて首を回すと、隣の大きなデスクから視線を感じた。
いるまが、仕事をするフリをしながら、頬杖をついてじーっとなつを見つめている。
「……なつ。お疲れ様。……ちょっと、休憩しない?」
「まだ。これ終わらせないと、佐藤たちが困るだろ。……いるまも、その決裁さっさと終わらせろよ」
「えー……。なつが冷たい。……ねぇ、一口だけ。なつがさっき飲んでたカフェオレ、ちょうだい」
「……自分で淹れろよ。……ほら、一口だけだぞ」
なつは、なかば習慣のように、自分のストロー付きのカップを隣のデスクへ差し出した。
いるまは嬉しそうにそれを飲むと、そのままなつの空いている左手をそっと握りしめた。
「……なつの味がする。……あぁ、落ち着くなぁ。……なつ、こっち向いて? 30秒だけでいいから、充電させて」
「……っ、……もう。……30秒だけだぞ」
なつも、誰も来ないだろうという安心感から、繋がれた手に少しだけ力を込めた。
いるまは椅子をなつの方へ寄せると、なつの肩に頭を預けて、幸せそうに目を閉じる。
部長室の静かな空気の中に、二人の穏やかな吐息だけが混ざり合う、完全な「二人の世界」……。
「……あ、あのー。失礼します……」
入り口から、消え入りそうな声が響いた。
ハッと飛び起きて手を離すなつ。書類で顔を隠して、猛烈な勢いでタイピングを始める。
そこには、ドアの隙間から、入るべきか戻るべきか究極の選択を迫られたような顔の佐藤が立っていた。
「……佐藤。……いつからそこにいた」
いるまが、一瞬で「冷徹な部長」の顔に戻り、鋭い視線で問い詰める。
「……い、今です! 今、ノックしようとしたら、中が……あまりにも『春』だったので! 邪魔してすみません! 資料置いていきますね!」
佐藤は、なつの真っ赤な耳と、いるまの「邪魔された」と言わんばかりの不機嫌な顔を見て、すべてを察して足早に立ち去った。
「……ほら、見られたじゃないか! だからダメだって言ったんだよ!」
「いいんだよ。佐藤なら『見てない』ことにするプロだから。……それよりなつ、さっきの続き。あと20秒残ってるんだけど」
「……仕事しろ、バカいるま!!」
結局、部下たちは「部長室に入る時は、必ず3回大きく空咳をする」という暗黙のルールを追加することになり、二人の甘い時間は、今日も職場の平和(?)を守り続けるのでした。
ーーーENDーーー
最終話どうだったでしょうか?これにて、こちらの連載は終わらせていただきます!今書き途中の連載?2個あるので、是非そちらも!!そして、まだ2個の連載がありますが、+で2つの連載を始めようと思います!!ちなみに+2個の連載は、ノベルタイプで失礼します💦最近私 ノベルタイプの方が読みやすくてwしかも書きやすいんですよねw多分告知した2つの連載含め、あと3個くらいノベル連載したら、チャットタイプの連載始めようと思います!
…約束通り?2日でかけたのまじ達成感えぐい!まぁドキュメントで書いたのをそのまま書いただけやけどw
また次のお話?連載で!
ばいちゃーーー!!!
コメント
1件
わあ、完結お疲れ様でした!「30秒だけ充電」からの佐藤さんの突入、最高にツボでした(笑)。あの「春」という一言で全部を察する佐藤さんのプロっぷりと、慌てるなつ、不機嫌になるいるまの対比が可愛くてたまらないです。終始あたたかい空気に包まれた最終話、本当に幸せな読後感をありがとうございます。次の作品も楽しみにしてますね🌷