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俺は戦争が始まる16年前、1929年に生まれた
元貴とは生まれた時から家が隣でいつも一緒にいて、周りの人からは双子のようだと言われていた。
俺たちの友達が増えたのは10年前、6歳の頃だった
「元貴ー!」
「なに?」
「あそこの家、この間引っ越してきたらしいよ!俺らのちょっと歳上のお兄ちゃんがいるって!」
「そーなんだ」
「ね、行ってみない?」
「えぇ〜迷惑じゃない?」
「大丈夫だよきっと!」
元貴を誘って先日越してきた家に行くことにした
「ごめんください」
玄関先でそう声をかけると奥からバタバタと人が走ってくる
「はい?」
出てきたのは聞いてた通り少し年上のお兄さんだった
「あ、えと…近所に引っ越してきたと聞いて…」
「あぁ!近所の子?よろしくね〜僕は藤澤涼架だよ〜」
「若井滉斗です!」
「大森元貴です」
「滉斗くんに元貴くん、よろしく」
藤澤さんはちょっとまっててと言うと1度奥へ行き、 少し待っていると藤澤さんとお母さんらしき人が2人で戻ってきた
「あらあら、初めまして藤澤です〜」
俺と元貴は揃ってよろしくお願いしますと言う
「2人のお宅にもご挨拶には伺ったんだけど、2人ともちょうどいなかったのよねぇ。はいこれどうぞ」
丁寧な物言いのお母さんから貰ったのは瓶に入った綺麗な飴玉だった
「ありがとうございます…!」
2人でお礼を言うとにこにこしながら
「その代わりと言ってはなんだけど…うちの涼架と仲良くしてくださる?この子に兄はいるのだけどまだこっちへ来たばかりで知り合いがいなくて…」
「僕も2人と仲良くなりたいなぁ…いい?」
俺と元貴は顔を見合せて
「もちろん!」
「こちらこそ仲良くしたいです!」
と言って、その後すぐに遊びに行った
「あ、そうだ…ずっと藤澤さんって呼ぶのもあれだから、なんて呼べばいいですか?」
歩きながら元貴が聞いた
「涼架くんでも涼ちゃんでも好きな呼び方でいいよ〜」
「…じゃあ、涼ちゃん!いいですか?」
「いいよ〜!敬語も外してね。お友達だから!」
「うん!」
話を聞くと涼ちゃんはお父さんの仕事の都合で長野から引っ越してきたらしい
「僕にはお兄ちゃんがいてね〜、僕の記憶は5歳くらいからだけどずっと仲良くしてくれてるんだ!」
彼は眩しい笑顔で嬉々として話す
「じゃあ今度お兄ちゃんとも遊びたい!」
俺がそう言うと「いいよ〜!」と、快く返事をしてくれた
その日から俺たちは必ず3人で遊ぶようになった。でも1年前に俺と元貴が海軍に志願してからは遊ばなくなった。それからほとんど会うことはないだろうと思っていたのに涼ちゃんが通信部として入隊してきたのは、今まででいちばんの驚きだった
更新
20250318