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3話 天使との出会い
朝目を覚ますと、1人の少女が起こしに来ていた。
レインの娘、『マレン・カズニー』である。
『おはよう。エイリー。良く眠れた?』
『うん!めっちゃ寝れた!』
『相変わらずの元気っぷりだねぇ〜』
『さて、今日の日程をお父さんに話すよう言われたんだけど、今日は王城に行くみたい。』
その言葉にエイリーは耳を傾けた。
『…王城?城?姫…?』
『え?うん』
マレンがそう言いながらエイリーを見ると
瞳をキラキラと輝かせていた。
『私のプリンセスっ!今行くわっ!』
エイリーが着替えに向かおうとすると、
『まって、これ着て!』
マレンから何かを渡された。
無言で袋から取り出すと、またもやエイリーの瞳が輝いた。
『ぐ、軍服!!格好良いっ!!』
エイリーは着替えを終えると輝かしい目で鏡をうっとりと見つめた。
『はぁ…』
そんな様子を見たマレンは言った。
『エイリー…喜ぶのは良いけど約束の時間に遅れてしまうからこの椅子に座って。』
マレンはエイリーの髪に染色料をつけ始めた。
『え!?マレン何これ!?』
マレンは微笑んでこう話した。
『ふふっ。王子様は美しい金髪よりも格好良いダークな色が良いと思わない?』
エイリーはその言葉を聞いて納得した。
そして髪を1つに結ってもらうと、
迎えの馬車へ向かった。
エイリーが馬車に乗り、これからについての
想像を膨らませながら外を眺めていると従者が小声で言った。
『…こいつのせいで』
エイリーにはその言葉など聞こえて居なかった。
城に到着し、案内された王室へ向かうと偉大な皇妃『エルリダ・フランシス』が佇んでいた。
その冷徹な瞳に、エイリーは焦りを感じた。
するとストレートロングの美しい金髪、澄んだ青色の瞳を持つ少女が現れた。
その美しさにエイリーは先程の焦りを吹き飛ばすほど少女に心を奪われた。
『初めまして。私は王家フランシスの第一姫君、エミリー・イヴ・フランシスと申します。』
彼女の朗らかな笑顔に思わずエイリーはこう口にした。
『天使だ…』
その言葉に彼女は思わず照れくさそうに微笑む。
『天使だなんて…。エイリー。貴方のそのダークブラウンの髪色も素敵じゃない。』
エイリーはマレンに染められた髪色を姫に褒められた事により、胸が高鳴っていた。
『ありがとう!……………あっ、ございます…』
普通なら処されるであろう言動にも、
エミリー姫はにこにこしていた。