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朝。アクセルの街。
いつものように騒がしい1日が始まる─────
「みんな!みんなみんなぁあ!!!」
アクアがすごい形相で勢いよく扉を開ける。
それにしても一日に2、3度は聞いている気がする。この叫び声。
「カズマさん!ちょっと! 」
「…うるさぁぁあい!!何を朝から騒いでるんだよ!」
「それが私、天界から呼ばれちゃったのよ!!」
「はぁ…?お前、魔王を倒すまで天界には帰れないんじゃなかったのか?」
「アクア、妄言はいい加減にして今日のクエストの準備をしてください。ダクネスもカズマも終わっていますよ」
めぐみんが杖を綺麗に拭きながらアクアを呆れた目で見つめる。
「妄言じゃないわよ!!ねぇ、ダクネスは信じてくれてるわよね??」
「アクア…信仰するのはいい事だが自分を女神と名乗るのはどうかと思うぞ…」
「ちょっとカズマぁ!この2人になんとか言ってちょうだいよ!!」
「おいアクア、そんなこと言ってないで早く準備をしろ。」
「カズマまで!?」
ぎゃーぎゃーと視界の端で喚いているアクアは、「っと!そうじゃなくて…」と咳をひとつして、
「とりあえず、私、この世界の過激干渉で呼び出されてるのよ」
「過剰干渉?なんだそれ?」
「いや、私女神なわけでしょ?女神ってのは、導く存在として距離を保つ義務があるのよ。でもわたしは地上に降り立ったから、特別に義務を免除されていたの。
でも定期的に報告したりしなきゃいけなくて…今日がその日ってわけ」
「ふーん…ていうか、俺ら回復役がいなくなると困るんだが?」
「そんなこと言われても、天界からの命令は絶対なのよ」
「どうにかできないのか?ていうか、どのくらいで帰ってくるんだ?」
「ん〜まぁ2日くらいかしら、」
「お前らのせいで今金がないんだぞ!?
回復役なしじゃクエストもできないし…その2日どう過ごせっていうんだ」
「簡単なクエストでもやればいいじゃない。ていうかカズマ、あんなに私の事を駄女神とか言っておいて、寂しいのね???」
うわめんどくさい。
「ってもう時間じゃない!」
そう言ったアクアは、俺たちの話を聞くまでもなくあっさりと光に包まれて消えてしまった。