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「いやぁ〜!鞘凪くんがこっち見たぁ♡」
「私、目合ったよ‥⁉︎ヤバぁ♡」
アイツのどこが良いんだ。可愛くもなければ、カッコ良くもない。
みんなは、アイツをちゃんと見ていない。本当の鞘凪秋兎を。
放課後、委員会があり教室を一番遅く出た。時刻は17時43分、もう日も落ちかけている。
早く、靴箱に行かなきゃ…!アイツに会ってしまう!
「あれぇ。走っちゃ危ないですよ?灯センパイ」
うっと声を上げる。だって一番会いたくないやつに会ってしまったから。
「鞘凪…」
「灯センパイ、今日遅いですね。何でですか?」
不適な笑みを浮かべながらいう鞘凪に腹が立つ。
「もしかして、センパイ俺に会うたm…」
「違う。自意識過剰すぎ。鞘凪のバカッ」
鞘凪の言葉に、わざと被せながら怒りをぶつけた。
「照れすぎでしょ。センパイ、かわい」
「思ってないのに言うとかサイテー。鞘凪ほんとにサイテーだわ。じゃそう言うことでー」
これ以上話していると、抜け出せなくなる。
私は走って逃げようとした、が。
ダンッ
「いったぁ」
足が絡まって、転んでしまった。
「センパイ、もしかして逃げようとしました?」
鞘凪の足音が近づいてくる。私はもう一度逃げようと態勢を戻す。
ドンッ!
「わっ…!」
「センパイ、可愛い声出るんですね」
鞘凪に床ドンをされて、逃げ場がなくなる。
こんな事されるのが初めてだった私は、今の状況に気づき顔が赤くなる。
「ふふ、センパイ顔真っ赤。ほんと可愛いですね」
「…うるさい。早くどいて」
手で顔を覆いながら、鞘凪に退けるよう言う。
そしたら急に腕を掴まれて…
「なっ、何…?」
「嫌です」
うざぁ。何でみんなコイツが好きなのっ⁉︎ 頭が悪いんjy…いや、言わないでおこう。
「なんでよ。早く帰らなきゃ、宿題が出来ないんだけど?」
「センパイ鈍感ですか?今の状況、普通キスでしょ」
「するわけないじゃん。バカ」
コイツの嫌いなところは、すぐこうやってキスやらハグやらを求めてくることだ。
「てか、ここ廊下なんだけど?見られたらどうすんの?」
「見られない所ならキスして良いんですか?」
「…アホか」
ガラス張りでも、空き教室でも、個室でも、お前とのキスは無理だってんの!
「あ、帰るならコレ。今日書いてきて下さいね」
カバンの中から取り出したのは、つい最近から交換し始めた日記だった。
「…もしかして、これ渡すためだけに話しかけた?鞘凪」
「じゃあ、用事は済んだので俺はこれで〜」
「お前、本当に嫌い!大っ嫌い‼︎」
大声で即早と歩く鞘凪に、言った。
「俺はセンパイの事、好きですけどね〜」
くっそやろー!
この男から逃げられる日は、来るのだろうか。
交換日記は…いつ終わるのか。