テラーノベル
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♡水桃
♡約4500文字
🌸「……っ、ん…くそまぶし……」
カーテンの隙間から漏れる光がピンポイントで俺の顔を照らすせいで、まだ早朝6時だというのに目が覚め、渋々重い目を擦る。
🌸「…あぁ、気絶してたんか……」
ライブが近くなってきたお陰で最近のダンス練習は特にハード。家まで帰る気力なんて微塵もなく、いちばん現地から近かったこさめの家へ転がり込んだ。
当然彼は自分のベッドで気持ちよさそうに眠り、俺は余ったソファを譲り受けたのだが、結局編集しながら寝落ちて机に突っ伏せていたらしい。腕にくっきりと跡が残っている。
🌸「あ〜…気絶とかガチでやったわ……」
昨日の夜徹夜して終わらせるはずの、締め切りがもうすぐそこまで迫っているタスクがあるのに寝落ちた自分への自制心の低さがどうも煮え切らず、乱れた髪をガシガシと掻き毟る。独り言を嘆いていると隣の寝室から布団のザザザ、という捲れる音が鳴った。
🦈「ふぁ〜……って、あれまだ6時じゃん、」
🌸「はっ…!?」
暗闇から、時計を見るなり少し残念そうにお腹をぽりぽりと掻くこさめが現れる。活動初期から現在にかけて続いているこさめへのキモオタの衝動が抑えきれず、怒涛の勢いで褒め言葉を並べた。
🌸「えっ、は?かわいすぎんか、は??」
🌸「こんな姿リスナーが見たらもう……考えるだけで恐ろしいわぁ、」
こんなにかわいいのに歌唱力はズバ抜けているんだし、多彩な声のレパートリーに加えてギャップもあり、少し抜けている天然さもあるのに頭も良くて……とまあこさめの魅力は無限大。
だってほら、今も俺の声に反応してこちらを向き、眠たそうに重い目を擦って小さくふわぁと欠伸をしている。
🦈「ん、あ……おはよらんくん、今日こそ抱かせて?」
🌸「…………」
というかわいいこさめは全て俺の勘違いだったみたいです。
🦈「ねぇなんでダメな……っむぐ、…」
🌸「うんこさめ喋んないでね〜」
適当にゆで卵をフォークで潰してレタスと一緒にパンで挟んだ簡易的なサンドイッチを、空いたこさめの口にすかさず突っ込んだ。
🦈「うぇ、野菜入ってるじゃん…」
🌸「黙って食え」
🦈「んもぉ、らんくん釣れない!けち!」
最近、決まって二人きりになるとこさめは、口を開く度に抱かせろ抱かせろと要求してくるようになった。俺が好きだった純粋無垢なアイドル・こさちゃんを返して……
🦈「このままじゃこさめなつくんたちに永遠とバカにされちゃうよぉ……ね、おねがい?」
🌸「ダメです」
🦈「なぁんでよっ!?」
こさめの言い分では、中高一貫男子校だった故に彼女がいたことがないからそういう経験もないと。そうすると、まあ大抵予想はつくが赤と紫のヤツにこっ酷く弄られるんだって。
🦈「やだやだやだっ!こさめだってはやく童貞捨てたい!」
🌸「いやーー!!こさちゃんの口からそんな言葉聞きたくなぁい!!!」
子供みたいに喚いて縋ってくるこさめを、いつもの耳に障る女声で返したら場がしらけて落ち着いてくれるかと淡い期待を抱くが、想像とは相反して露骨にむっとした表情を浮かべられる。サンドイッチを飲み込んだにも関わらずこさめの頬がぷくーっと膨れ上がる。
🦈「じゃあこさめがリスナーさんと繋がって炎上したららんくんが責任取ってくれるの!?」
🌸「っ……!」
そうきたか。もしここで拒んだらきっと俺を諦めてくれるが、ターゲットがリスナーへとチェンジされる代わりに、誰かに晒されたり内通されたら一発アウト。うん、ほんとにいちばんやめてほしいかも。
🌸「それは〜……えっと、うん…」
🦈「困るでしょ?だから、らんくんが受け入れるしかないんだよ」
🌸「なんて暴論な……」
かといって、なら仕方なく俺が引き受けるかという気持ちにもならない。だって俺は女の人が好きだし、生物学的に俺は男なわけだし、こさめおっぱい無いし。
🌸「なんで俺なの……他メンは?」
頬杖をつきながら深くため息をして訊いてみれば、自慢げに立てた人差し指をくるくると回してさも当たり前でしょ?と言いたげに首を傾げた。
🦈「だって、らんくんはAIみたいなものだから関係拗れにくそうだなーって!」
🌸「AIじゃないが???」
こさめはうんうんと深く頷きながら与えたサンドイッチを全て平らげた。ごくりと喉仏が上下した後、雑に口を拭ってにこりと笑顔を向けてくる。
🦈「ってことだから、らんくん!」
🌸「いやいや待って待って?あの…っ、こさめさん??」
こちらに伸びてくるこさめの手が、俺の手首を掴んで強引に引っ張る。突然のことに状況が掴めず、慌てた手からサンドイッチが落ちてお皿に音を立てる。
🌸「俺まだ許可してないって、ちょ…!」
🦈「だーめ、もう決定事項だも〜ん」
慌てふためく足が絡まってよろけそうになった俺をやんわりと抱きしめてくる。そのままこさめの顔が近付いてきて不意にも目を瞑ると、甘い声で耳打ちをされた。
🦈「いただきま〜す♪」
さっき食べた朝食のサンドイッチはもうご馳走様してたけどね、俺まだご飯食べてないんだけどね?
クソが、という俺の独り言だけがひとつ、部屋に取り残された。
🌸「…いや、やっぱ無理やって」
🦈「挿れてもないのに何言ってんの!」
既にそそりたっているこさめのそれに目を向けると、つい頭がクラクラして倒れそうになる。そりゃあ同じ男なんで同じようなものは持っているから分かっていたつもりだったけど、いざ目の前にすると居た堪れない気持ちだ。確実に痛い、それ以前に絶対後ろにははいらない。
🦈「ほら、まずは指で拡げるから足開いてくれない?」
🌸「童貞のくせに……自分でできるよ、…/」
一丁前にこさめがやってあげると気張っているが、俺はとっくの昔に女の子で捨ててんだぞという威嚇の意を込めてキッと睨みつける。そう、俺は女の子とやってるから。メンバーに縋ってやっとの思いで捨ててるほどの弱者男性じゃないから。
🦈「まだ今は、だけどね?」
……という言葉で更にこいつへの腸が煮えくり返るような沸々とした怒りが増す。
すぐにでもへばってる姿見て絶対バカにしてるからな、覚悟しとけ。
らんくんが自分で柔らかくしたそれに突っ込んでから、何十分が経過しただろう。
始める前、言葉を聞かずとも伝わってきたらんくんの怒り。普段こさめに甘い口調で気持ち悪くデレデレしてくるらんくんが本気で怒っていた険しい顔を見て、やっぱりこんなこと半ば強制的にやらせるのは不味かったかなと心配したけれど、その必要はなかったみたい。
🌸「ぁっ、う、゙……ぁ、あ…っ、?♡♡」
🦈「……っふ、…笑」
必死に自分の舌を噛んで声を抑えようと藻掻いているけれど、結局そんなことで抑えられるはずもなく不意に漏れる上擦った声を自覚して表情を歪ますらんくん。
🌸「っあ、やば……っ、ん、゙…♡♡」
🌸「……っあ、〜〜〜゙…♡♡」
いつも、高音や頭に響く女声出して楽しんでいるのを間近で聴いてきたからわかるけど、それとは全く違った声の種類。普段の地声が変に上擦ったせいで微妙に高い掠れた素のらんくんの喘ぎ声。造っていない本当の声。それがものすごーく、こさめを唆る。
🦈「……っやば、これ…♡」
無理にキスをしてみれば始めは躊躇なく舌を噛んできたけれど、時間が経つにつれて敵わないことを察して反抗をやめていく無様な威勢。
🦈「っね、らんくん……らんく、♡」
🌸「ぁ、もぉ……っや、゙…♡♡」
強がって口を抑えていた手も今では弱々しくシーツを縋るように必死になって掴んじゃってさ。
🦈「ね、こさめのことすき?、…♡」
🌸「…っだれがお前なんか…、すきなわけねー、だろっ…♡」
なのに好きかどうかと訊いてみればまだ従順に頷いてくれず、中々に強い意地とプライドが残ったそのしぶとい理性。そういう歪んだ素直じゃないところがらんくんらしくて、好き。
🦈「そうなの?なら存分にいじめていいってことだよね、…♡」
🌸「……は、っ……ぇ、?♡」
きっと今でも頭のどこかで、メンバーで童貞捨てるなんてみっともないとか小馬鹿にしてるんだろうね。
🦈「えへへ、ありがとらんくん……っ、♡」
🌸「っん、……っ、゙〜〜〜…?!♡♡」
そういう曲がった性根をこさめが元に戻してあげるのが楽しいんじゃん?
なのにすんなりと童貞捨てさせてくれてありがとう、らんくん。
🌸「こさ…っ、こさめっ…う、……っ、?♡」
🦈「……なーに?」
🌸「っ、きらい……♡」
きっとこさめはらんくんとは違って、ずっと処女は捨てたまんまだよ。
重たい腰を擦りながら緑のモンエナを片手に文字を打ち込んでいると、ピコンというディスコの入室音が聞こえる。
通話画面をモニターで確認すると、なつといるまが同時に入ってきた。
🍍「おいらん、お前こさめにヤられたんだろ?」
🌸「……え?」
そんななっちゃんの第一声に間抜けた声が漏れる。こさめにやられたって、話の脈略が無いけどなんのことだ?
そう疑問を浮かべていると、次はいるまのアイコンが光る。
📢「意識トばされるくらい激しくされたんだろ?笑」
🌸「は?え…いや、え?」
意識がトぶほど激しく、俺がこさめに?
🌸「…っも、もしかして……/」
昨日の夜のことをなぜなつといるまが 知っているか問い詰めようとした束の間、当の本人が自らディスコードに入ってきて自首をした。
🦈「ごめん、つい言っちゃった♡」
🌸「……っ、こさめーー!!//」
てへぺろと舌ペロをするこさめの姿がありありと脳裏に浮かぶ。こいつ、なつといるまに弄られるのが嫌だからという立派な言い訳を並べていたくせに……!
🍍「え、反応的にガチっぽいやんw」
📢「待て、こいつこさめに処女取られたん?やべぇがちで口角いってぇ……w」
🌸「っ、〜〜〜…!」
こっちもこっちで、腹を抱えてげらげらと笑うこいつらの嫌な姿が浮かぶ。そう想像するだけで既に空になった手元のモンスターエナジーの缶が音を立てて勢いよくベコッと凹む。そんな俺を横目に、こさめは明るく話し始めた。
🦈「いや〜、自慢したくなっちゃって…」
🌸「お前だけは許さんぞほんまに??」
後日、俺の知らないところで噂が独り歩きしていたようで、関係のないすちに”よければメンケアするよ”と異様に心配されたり、みことに”性別は関係ないから!!”と強く励まされた。いや本当に違うんですけど。
コメント
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きゃー🦈🌸待ってましたт т♡ 可愛い子が攻めなのめちゃくちゃ好きです😿 内心小馬鹿にして優位にたってるつもりでも結局負けちゃってる🌸さんありがたすぎます涙