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今回は恋愛系にしてみました。えっちは微塵もないです。なんならBL要素もだいぶ少ないです。
ポエムが多いです。多分黒歴史になると思います。てかなりました。
⚠️注意⚠️
•ハピエン方向ではないかも。(解釈によってはハピエン?)
•男性の恋愛系です
•rdさんgtさんのみ
夏の暑い日差しがコンクリートを照らす。蝉の鳴き声や田舎特有の虫の鳴き声、全てがうるさいが、その煩わしい音が夏の醍醐味だなぁと縁側に座り、アイスを食べ、外を眺めながら思った。すると突然、廊下からドタバタとすごい音が聞こえ、後ろを振り返ると、そこにはらっだぁが汗をかいて息を切らせながら立っていた。
「ぐちつぼ!手持ち花火しよ!」
「……急だな。」
「いやぁ最近夏っぽいこと全然してないなぁって思って。」
「あぁ〜確かに。………いいぜ、やろ。」
「んで、どこでやる予定なの。」
「うーん。……海辺とかどう?」
「うわっ。ロマンチストだなぁ。」
「うるさい笑笑」
手持ち花火なんて何年振りだろうか。記憶にある限りでは子供の頃にやったきりだ。………にしても何でらっだぁは突然そんな事を言い始めたのだろうか。何か裏がありそうだが、そんな事は放っておくことにした。
「手持ち花火買いに行こーぜ。」
「んじゃ俺はライターと蝋燭買いに行ってくるわ。」
それぞれで役割を分担して手持ち花火に必要な物を買いに行った。
靴を履き変え外に出ると、日差しが眩しく、目も開けられない程の光が俺を差していた。帽子を被り、虫の鳴き声を聞きながら、ほのぼのと店へと向かっていった。
お互い手持ち花火に必要な物を買い、砂浜に座り、夜になるのを待った。
「いやー、手持ち花火とかマジで久しぶりだなぁー。」
「俺も子供の頃やったきりだわ。」
「……なぁらっだぁ?」
「ん?」
「何で手持ち花火したかったの?」
「ん……いや、ふとやりたいなぁって思ったからかなぁ〜。」
「ほーん…」
この言い方は絶対裏があるやつだと長年の勘が言っている。けどまぁ犯罪とかでなければ別にいいかと思った。そしてたわいもない雑談をして夜になるのを待った。
「うわ〜久しぶりにしたけど、やっぱ綺麗だなぁ。」
「ねぇ〜。……らっだぁ燃やしちゃお〜」
「ちょ笑笑熱い熱い笑笑炎上しちゃう笑笑」
「笑笑笑笑」
久しぶりにした手持ち花火は面白く、色が変化したり止まったりしていて、昔とはちょっと違っていてとても楽しかった。
子供の頃の記憶が蘇り、その頃のような動きをして花火を楽しんだ。
夜の静脈の中、蝉が鳴いたり、蛍が飛んだりして”夏”を感じた。虫に刺されるのは癪だがそれもまた味を感じる。
靴の中には砂がたくさん入っているが、それが気にならないくらい花火に夢中で、どんどんと花火を開けていった。
「ぐちつぼ?」
「ん?」
「線香花火どっちが落とさずいられるか勝負しよ。」
「雑魚相手じゃあ勝負にならんからなぁ。」
「はぁ?言ったな?笑笑」
「笑笑笑笑」
そして線香花火に火を灯した。
バチバチと鳴る線香花火は昔と変わらず一緒だった。
「……ねぇぐちつぼ?
「ん?」
「……」
少しの沈黙が続いた。
海の波の音が強調され、バチバチとなる線香花火が眩しく、目を瞑ってしまう。
「……あのさ。」
「うん。」
「……線香花火楽しい?」
「ちょー楽しいよ。」
「…いいね。」
「……。」
線香花火の火がより一層激しくなっていった。
お互い線香花火を見つめ、心に秘めた想いを脳内に語り始めた。
………きっとらっだぁは俺の事が好きなのだろう。けど、ごめん。俺はお前のことを異性としては見れない。”親友”がいい。けどきっと、らっだぁがその言葉を言ってしまったら”親友”ではなくなる。それは嫌だ。……だからどうか、そのままのらっだぁでいて欲しい。叶うことない恋をずっと、永遠に。
……ぐちつぼ。きっとお前は俺の事を好きではないのだろう。気づかないように気遣ってくれているがその気遣いが仇となり、分かってしまった。……けど、片思いぐらいはさせてほしい。ほんの少しの希望に縋る事しかできないがそれでいい。今の関係が崩れるくらいなら、叶わない恋でいい。
………どちらかの線香花火がぽとりと砂浜に落ちた。
深夜2時。一つの火と一つの恋が海底へと沈んでいった。
[END]