早めに続きを作成することができました!
一話を見てからご覧頂くと楽しめると思います😊
一話まで見るのが大変だという方へ↓
〜一話のあらすじ〜
青と桃、紫と橙が付き合っている。
四人で飲むはずだった集まりで、青と橙が来れなくなり、ふたりきりになった桃と紫。桃は酔っぱらい、気分が乗って、青に対する不満を紫に話してしまう。紫が間違えてお酒を飲んでしまい、寝てしまったので介抱する桃だが、酔った紫の姿に色気を感じ、ホテルに連れ込んでしまう。二人は互いに了承の中、一夜の過ちを犯してしまった。「このことは忘れよう」と纏め別れるが、桃は、その夜の紫の姿が忘れられなくて…
といった感じです。
性格改変が少々含まれます
ご本人様とは関係ございません
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桃side
青「遅い!!」
自宅の鍵を開けた途端、
キンっと高い声が響いた。
桃「ごめんて」
合鍵を交換しているため、青は週に5日ほど俺の家にくる。あぁ、ほぼ毎日ね。
桃「盛り上がっちゃって終電逃してさ、昨日は帰れなかったんだ」
盛り上がって終電を逃したのは事実だ。
でも帰ろうと思えば、特に経済的に苦しくもないし、タクシーでも帰れた。苦し紛れの言い訳に過ぎない。
青「じゃあタクシーで帰ればよかったでしょ!」
だよね、つつかれると思った
青「だいたいさ、恋人が急に来れなくなったら心配して家にでも来るもんでしょ!なに酒飲んでんだよ!」
あーでた、ヒステリック。
俺は不自由なのすごい嫌いだから、こうやって束縛みたいなことされるのは本当に無理だなぁ
桃「あー了解了解、次からご希望に添えるよう尽力する」
青「なにそれ、面倒臭がってるの?」
え、あー、そんなに感情出てたかな
青「僕はこんなに桃くんが好きなのに、、なのに!!」
あーー、泣いちゃった
桃「ごめんって、ごめんなさい。ほら、座って」
こういうのは今日が初めてなわけじゃない。
俺も、恋人泣かせたままにするほど、不甲斐ない奴で有りたくないから、まあ、いつもの流れ。
はあ、泣きたいのはこっちさ。
交際してからもずっとキャバクラ通ってたのは青だろ。俺を縛る権利なんて無いのに。
ソファに腰をおろして、ひくひくと泣く青と目線を合わせる。
桃「そんなに不安にならないでよ。」
青「だって…っ、」
桃「俺が愛してるのは青だけだよ」
青「ほんと?」
桃「……ほんと。」
ーーー
ーー
ー
‐
紫side
桃くんとあんなことをしてしまった。
忘れなきゃいけないけど、あぁ、どうしよう!
でも…
すごく楽しい時間だったな…。
物の少ない殺風景な部屋。
忙しくてじっと見ることもないから馴染みがないけど、自分の部屋。
飼っている愛猫を抱えながら、俺は頭を混乱させていた。
紫「どうしよう、ポムちゃん〜教えて〜」
愛猫のポムにぎゅーっと抱きつくが、虚しくもポムちゃんはさっと俺の膝の上から退けてしまった。
紫「ポムよ…泣」
ピンポーン
玄関チャイムの音が響いた。
紫「はい」
返事をして扉を開く。
橙「よっ!」
すると、そこには橙くんがいた。
紫「わ!橙くん!」
橙「あはは、サプラーイズ!」
橙「紫ぁくん今日休みやろ!一緒にいよーや」
ああー橙くん、ごめんなさい…と、
とてつもない罪悪感に苛まれながら、橙くんを家へ上げた
ーーー
ーー
橙「どしたん紫ぁくん。昨日は帰らなかったやん。」
紫「えっ、」
橙くんのその言葉に驚いた。
昨日、いや、ましてや今日も、一切橙くんとは連絡を取っていないし、俺が昨日帰らなかったことなんて知ってるはずがないからだ。着信履歴もなかった。
紫「どうして、知ってるの?」
正直答えはわかってた。
橙「ほら、このアプリ便利やろ〜。前、紫ぁくん家来たときに、紫ぁくんのスマホにも入れておいたんやで。」
橙「現在地共有アプリ。」
紫「っ、」
なんとなく察しは付いていた。現在地共有アプリだけじゃない。
スマホの連絡先が減っているのも、寝室の充電器の中に、盗聴器が入ってたのも、橙くんがしたことだって分かってた。
まさか情報共有アプリ入れてるなんて思わなかったけどね。
いつか似たようなことするとは思ってた。
紫「お酒飲んじゃってふらふらで、時間も遅くて、仕方ないから宿借りて泊まったんだ」
橙「そうやったん。誰と?」
背筋が凍るようだった。
紫「…もちろん、一人でだよ。」
橙「へー。」
橙くんのことは好きだ。だけどその気持ちと同じぐらい、一緒にいることの居心地の悪さや、過剰なプライバシーへの干渉に対する嫌悪感がある。
紫「そんな不安にならないでよ。俺が愛してるのは橙くんだけだよ」
橙「ほんまかなー」
紫「……本当だよ」
ーーー
ーー
ー
‐
桃side
忘れられない
忘れることなんてできない
息苦しい不自由
薄れた愛
嘘の“君だけだよ”
そんな日々に差し込んだ兆し。
もっと紫さんと話したい
あの人は、こう言ったらなんて返すんだろう
今、どんなことをしてるんだろう
行き場のない想いが募り、
俺はスマホを手に取った。
「もう一度会いたい」
紫さんにそうLINEを送った。
すぐに紫さんから返信が来た
「俺も」
ーーー
ーー
ー
−
食欲の唆る上品なオリーブの匂いと
テナーサックスの、下品にがなるジャズ調の曲。
俺は、紫さんを食事に誘った。
もちろん、焼き鳥とビールしかない居酒屋なんかじゃない。
ちゃんとしたお店。
彼と、話したかった
少しでも見栄を張りたくなった
なんて、
一夜だけの関係なのにおかしいかな
紫「桃くん!」
桃「紫さん!」
彼は目を輝かせて僕の名を呼んだ。
不意に、胸が高鳴った
紫「お待たせ〜、ごめんね、今スマホ持ち歩いてなくてさ、LINE送れなかった」
桃「いや全然!まだ集合時間十分前くらいだし笑」
俺は自分のスマホのロック画面を見せた。
紫「あ、ほんとだ笑」
桃「俺も楽しみで早く来ちゃった」
紫「あはは、えーなにそれ、笑」
照れたようで、頬を赤らめる彼の顔が可愛らしかった。
紫「というかなにこのお店、ちょっと高そうじゃない?」
桃「美味しいって噂の店!いいセレクトでしょ?」
紫「うーん、えへへ、そうかも。笑」
ーー
ー
彼との時間はあっという間に過ぎていった
話してみると、お互い映画が好きで
猫が好きで
頭使うゲームが好きで
共通点がいっぱいあるって分かった
紫さんは頭が良い。
話していてとても楽しい。
会話に深みがある。
話せば話すほど、俺の胸の内にある感情は
確かなものになっていった。
桃「紫さん」
紫「ん?なぁに、桃くん」
桃「好きです」
紫「え、」
桃「ずっと紫さんのことが頭から離れなかった」
君の全てが好き、もっと知りたい、深くまで
桃「俺は紫さんのことが好きだ」
紫「うそ」
桃「本当。」
紫「でも桃くんには青くんが」
桃「うん。そうだね、だから、別れる」
紫「で、でも」
桃「良いから、紫さんの気持ちだけ教えて」
断られるだろうな。
橙に対して不満があるとは言っていたけど、
俺を好きになるとかそういうのは別物だ。
紫「……」
紫「少し、考えさせて。」
ーーー
ーー
ー
紫さんと別れ、帰路を歩いていた。
紫さんから、「考えさせて」と言ってもらえるなんて。
すぐ断られるものだと思っていた。
告白した時の、
驚いたらしく、大きく見開いたアーモンド型の瞳と、ぽっと染まった桃色の頬が忘れられない。
ずっと遠い存在だと思っていた
完璧だと思っていた彼は
実はすごく可愛い人だった
彼と話して、ようやく決心がついた。
青とは元々、別れようと思っていた
けど、楽しかったはじめの頃が忘れられなくて
中々勇気を出せなかった
紫さんが好き。
そう確信できて、ようやくこのメッセージを送る勇気がついた。
青に縛られていたら、見えるはずだった大切なものも、見えなくなってしまう。
青、好きだったよ
「別れよう」
少し前までは開くだけで胸の高まっていた彼とのメッセージ画面に
別れよう、と四文字を送る
メッセージで終わらせてしまうのも気が引ける。
明日は青に会いに行こう。
これでいい。
月明かりが夜道を慎ましく照らし、
星の綺麗な夜だった。
ピコン
少し歩いていると、
暗く広い夜の帰路に機械音が響いた。
それは、
青からの返信だった。
End
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長いですが最後まで見てくださりありがとうございます!
好評でしたら続きの作成も考えます。
閲覧ありがとうございました。
コメント
13件
初コメフォロー失礼しますm(_ _)mめっちゃ最高でした!続き楽しみに待ってます!頑張ってください(*•̀ㅂ•́)و✧
今回も最高でしたぁ〜!