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さぼてん
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🧣×🌵(🟦×🏺)
⚠︎nmmnです。界隈のルール・マナーに注意して閲覧下さい。
⚠︎また、こちら側のルール・マナー違反など発見し次第ご報告くださると何よりです。
「俺、さ…つぼ浦のこと…。好きなんだよね…。」
なんの変哲もない日常のはずだった。その瞬間までは。普段の騒々しい街の音さえも、この衝撃にはついて来れなかったのか耳には入ってこない。俺、つぼ浦匠は、上官であり気のおける存在。そして全くそういった意味で意識したことのない、青井らだおに告白されたのであった。
「す、すみません…えっと、そのゴメンナサイ…。」
使い慣れていない敬語で、使い古された定型分で、青井らだおの辞書に失恋の二文字を刻んでしまった。
そんな出来事が二週間前。
「チクショウ!やられたぜ!!」
俺は自分でフッたはずの青井に恋をしていた。あっけなく。
確かに青井が告白してきた時には好意を向けることは愚か、変に意識してしまいぎこちない態度をとり、果てには少しというには余りにもあからさまに青井を避けていた。しかし、その対応が良くなかった。避けていたにしてもそれ程までに意識していては自然と青井を目で追ってしまうのも当然と言える。一週間も経てば特殊刑事課対応課として奔走する姿を目にしては上がる口角を抑えるようになっていた。
そして今に至る。
空調の効いた署内に居座り、これ見よがしに頭を抱え、不審そうな目で見てくる同僚や上司に絡んでは定位置に戻り、また頭を抱える。
そんな挙動不審を繰り返しながらあることに気づく。
そうだ、俺から告白してしまおう。と、
本来、治安の悪そうな見た目からは察せないほどに恋愛関係においてはドの付く素人。自分から告白するなんて考える筈もなかった。だがしかし、自分には大きな優位性がある。なんと言ったって青井は俺のことが好きなのだから!
思い立ったら即行動。青井のいそうな場所を駆けずり回った。探し出すまでには時間が掛からず、青井は屋上でヘリの点検をしていた。勢いよくドア開けて呼びかける。通常の大声が勝利を約束された恋に背中を押されて、より大きくなる。
「アオセン!俺っ!!」
なんで…。
俺はほんの数十分前と同じいつもの場所で、しかしより深刻そうに頭を抱えていた。通りすがる同僚や上司には先程とは違う想いの視線をひしひしと感じる。おそらく屋上での大声告白は署内リサイタルとなっていたのだろう。同情が痛い。
俺は青井らだおにフラれてしまった。
翌日、生暖かい署員の目線に耐えきれず俺はパトロールと称してその場から抜け出した。
「チクショウっ!なんでだよぉ…」
愛車であるオープンカーで街中を爆走する。法定速度などないこの街をひと通り回った頃には涙はもう振り切れた。はずだった。
「アオセン…?」
「つぼ浦じゃん、どしたの〜?」
告白なんて初めから無かったかのように振る舞う青井を目の当たりにし、涙がボロボロ溢れる。
「ちょっ?!まじで待って?!あー…すいません全然大丈夫なんで、イヤイヤっ!!事件とかじゃ!、」
住民の誤解を解いた後に青井は助手席に乗り込み、顔を覗き込んでくる。咄嗟に隠そうとするが一足遅い。青井は俺の顔を見てから一呼吸おいて口を開く。
「…泣いてるの?」
「あーそーだよ!!あんたにフラれたからだよバーカ!!」
小学生並みの罵倒をぶつければ青井はヘラヘラ笑いながら、俺のが先にフラれた気すんだけどなぁ。と続ける。
確かにフラれたのもショックではあった。しかし今はあの告白を無かった事にされるのが何より悲しかった。
「なんで、俺のことフッたんすか。」
「えー?それ聞いちゃう〜?」
青井は笑ってる。
「俺のこと好きじゃないんすか。」
「好きだよ〜?」
青井は笑ってる。
「じゃあなんでっ!!」
俺の声は遮られて質問の続きを声に出すのは許されなかった。きっと、
青井は怒ってる。
「傷つきたくないからに決まってんでしょ。」
好き同士なら付き合う。それが当たり前だと思っていたのは自分だけだ。青井は俺の告白を断るのは傷つきたくないからだと言う。なぜ…?なぜ貴方は傷つくのか…?付き合えるのならばそれで幸せでは無いのか?
言葉にするよりも先に青井が話し出す。
「これでさ、俺がお前の告白にオッケーなんて言ったら、俺はこの先ずっと傷つく羽目になる。」
目は合わない。何処か違う場所を見ているよう。俺が見ることの出来ない”先”。
「お前だけ後出しで、勝ちを確信してさ、お前は安定が欲しいだけ。お前は痛むのを人に押し付けてるんだよ。」
違う。そんな打算でアンタを好きになったんじゃ無い。俺はアオセンが恋する姿を見て、知って、
貴方に気づいて恋をしたんだ。
声が出ない。確かに告白を決意した時、貴方の恋心を利用したから、踏み台にして自分の恋を実らせようとしたから。
打算的な恋で無いにしても痛みのない道を選んだのは事実だから。貴方を傷つけたのは事実だから。
声が出ない。
「…そういう事だから。」
車のドアに手を掛け降りようとする青井の裾を引く。声はまだ出ない。視界は滲み、鼻を啜る。ダメだ。ここで言わないと。息を吸う。あの時のように確信的な要素は無い。不安定で、傲慢で、ゴリ押しが過ぎるが、きっとこれが俺だ。
本当の俺はもっと臆病で繊細で確証が無いと踏み込めないくらい怖がりの痛がりだけど。今はいい。おそらくこれから知ってくれるだろう。彼ならば。
息を吸って、
「ヤダーーーーーーーーーーッ!!!」
青井の手がドアから離れて耳を塞ぐ。何が起こったのか理解出来ないと言いたげな目でこちらを見てくる。俺は畳み掛ける。
「ヤダヤダヤダヤダーーーー!!!!
アオセンは俺のことが好きなんだろ!
なら一生傷付いてろーーー!!!!」
アオセンはどうにかして俺を止めようとするが、それでもなお止まらない。諦めたアオセンは深く深く溜息をつき、
ばちーーーんっ!
俺の額に思いっきりデコピンしてきた。
額を抑え、動揺のあまり叫ぶのを止めると
「やだね!」
アオセンが拒絶してきた。
そして俺はまた息を吸って…
「待て待て待てっ!叫ぶな叫ぶな!」
「だってぇアオセンが、やだって…」
そうすると青井はまたデコピンの構えをとる。痛みに備えて目を固くつむるが一向にデコピンは飛んでこない。
「俺が言ったのは俺だけ痛い思いすんのはイヤって事。」
青井が放った2回目のデコピンは1回目とは違い優しく俺の額にコツンと当たるだけだった。呆然としている俺を見つめ微笑む。
「これであいこね。」
俺はきっとこの暖かな痛みと共に一生を歩むだろう。
〜〜〜〜〜
ちなみにつぼ浦が告白リサイタルしちゃったんで署内にはカップル成立した事が知れ渡ってる。
対等でありたい🟦と臆病ゆえに対等である事を恐れてしまった🏺
🏺は基本破天荒だけど臆病さが全面に出ると魂🌵らしさが出てきて良いですね。
コメント
1件
**美月ゆめか🌸** あ〜〜〜もう胸がギュッてなった!!😭💕💕 「一生傷ついてろ」って叫ぶつぼ浦くんと、デコピンで「あいこね」って返す青井の距離感が尊すぎてヤバい…!! お互い好きなのに、傷つくの怖がってすれ違うの、生々しくてリアルだったよ…。2人の不器用な恋愛に全力でエール送りたくなったし、最後の署内リサイタルでカップルバレってるの笑ったw 続きめっちゃ気になる…!!🌸