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2話ですのよ!
連続投稿だけど楽しんで欲しいのよっ!
※米露要素有りアメリカとロシアがメインなのよっ!
決して国を侮辱しているわけではありませんのよ〜!
誤字脱字有り
苦手な人は見ないでください!
イギリスの家はここから歩いて1時間ほどの場所にあった。わかりやすいほど大きく美しい屋敷は庭も美しいほど広く綺麗で少し羨ましさを感じる。玄関前まで行くとイギリスは外で待っていてくれた。
「ようこそ、ロシアさん。」
「急だったのにすまない…」
「構いませんよ、私も暇していたので。」
家の中に入れて貰えばそこはさすがイギリスらしいと言えるような光景だった。最初に案内された先はイギリス家のリビングだった。広く長い机と多くの椅子には一つ一つ細かい細工がしてあり綺麗だなと感じてしまう。
「椅子が気になりますか?」
「…っぁ?あぁ…綺麗な椅子だな…と思ってな…。」
「宝石がいくつか細工してあります。
もう誰も座らないのに、宝石だけは輝きを衰えません…。
ですが兄の椅子の宝石が割れてしまいましてね。」
陽に照らされ顔がはっきり見えたはずなのにイギリスの顔は暗く見えたのはきっと俺が触れてはいけないことなのだろう。よその家庭に干渉する気はさらさらない。そんなイギリスの顔を俺は見ないふりをした。
「…あぁ、それはアメリカの椅子です。」
俺の近くにあった椅子をイギリスは指し示す。そこには赤黒く濁った宝石が付けられていた。他の椅子の宝石は鮮やかで美しいけれど、この椅子だけは暗く濁っている。そんな宝石に何故か嫌な予感がした俺はイギリスに何故濁っているのかを聞いてみたが「いくら磨いてもいくら拭いても、それだけは濁ったままなんですよ。」と返ってきた。不思議そうに顔を顰めるイギリスの顔を見て余計に嫌な考えが頭の中で渦巻いてしまう。
「…ここまで来るのも疲れたでしょう。お茶を出しますよ。」
「……すまない…助かるよ……」
何か顔に出てしまっていたのだろうか。イギリスは妙に鋭いところがある。気遣わせたのは悪いとも感じるがいつもよりも優しい行動に対してよくわからないヤツと改めて思ってしまう。
イギリスが出してくれたお茶はやはりと言っていいのか紅茶だった。まわりは紅茶が苦手なヤツが多いが俺はそうでもない。昔から嫌いなものがあまりないのがささやかな自慢だが、昔の俺の環境じゃ好き嫌いしてしまったら殴られていたため苦手でも食わないといけなかった。紅茶を全て飲み終わると、イギリスは少しだけ驚いた表情で俺を見つめた。「何だ…?」と返せば「いえ…少し意外だなと感じまして…」と返された。そのままイギリスは席を立ち、俺に着いてこいという合図を出す。その合図に従い、イギリスの後を追う。長く続く廊下には大量の部屋が連なっている。
「……ここです。」
イギリスは先ほどの椅子と同じ細工がされた扉の前で立ち止まる。宝石細工はやはり赤黒く濁っており、先ほどと同じということはおそらく幼少期のアメリカの部屋なのだろう。
「今日からここを使ってください。お気づきでしょうが昔のアメリカの部屋ですが……気にしないで使っていただいて構いません。」
「……あぁ…わかった……」
「知らない場所ですし心配でしょう。部屋の鍵を渡しておきますね……何かあればまたお呼びください。私の部屋はここから74つ先にありますので。」
そう言ってイギリスは俺に1つの鍵を差し出し受け取ったのを確認すると、そのまま背を向けて歩いて行ってしまった。その姿を見送り、早速用意された部屋に入る。
「………らしくない部屋だな…」
そう考えるのはきっと俺だけではないだろう。入った部屋は今のアメリカからは想像がつかない程に綺麗に整頓され全てが美しく完璧とも言えるような部屋だった。そんな部屋に今のアメリカを重ね、ため息を溢す。とにかく疲れていた俺は荷物をその辺に放り投げベットに横になった。
「………はぁ……何でこうなるんだよ……。」
そう言って俺は目を閉じた。
ここまで一日が寂しく感じたのは初めてだったものだから、少しだけ混乱もあったがそれより先に出て来たのは苦しいという感情。何はここまで思わせるんだろうか、やはり先日に見た夢が原因なのだろうか?そう考えながら俺はこの長い一日を終わらせるために眠る事にした。
その日もまた俺は夢を見る事になった。
先日見たような苦しい夢かとも思ったが今度は場所が違うようで、あたりは少し大きめの病院だった。
「病院なんて何年ぶりに見たな………」
そんなどうでもいい事を呟き思うがままに病院の中に入る事にした。
病院の中は小綺麗に掃除されていて、患者も伸び伸びと過ごしている。慌ただしく走り回っている看護師は心なしか少し楽しそうにも見えた。数分うろうろと歩き回っていると、とある一室が目に入る。“アメリカ様”と札に書いてる病院の一室だった。その一室の前に立ち開けるか開けないかの押し問答をひたすらに続けていると、その病室の扉は部屋の内側から最も簡単に開けられてしまった。
「…ッ…すまな…い……ってロシア!!」
動く事も忘れていた俺に中から出てこようとした彼は俺にぶつかり謝って来た。もちろん中から出て来たやつは“アメリカ”だった。何も言えないまま突っ立っている俺をしばらくアメリカはじっと見て、何かを察したのか俺の手を引き病院の大きな広間まで俺を引っ張っていく。大きな広間には椅子と机がセットで大量に置いてあり、アメリカは一番入り口側に俺を座らせた後で、アメリカも椅子に座る。何を話せばいいか迷った俺を後目にアメリカは冗談のように笑いながら病院にいる経緯を話し始めた。
「実は癌になっちゃったんだよな〜。」
「………は?」
ケラケラと笑いながら手を振りバカ話のように軽いノリで話すアメリカを俺はただただ見つめることしかできなかった。アメリカは出会った当初から自分の弱音を周りに吐かないタイプのヤツだったため明るい雰囲気を装っているのではないかと勘で思ってしまう。
「…まぁ入院してればいずれ治るから大丈夫だぞ!」
そう言って軽く肩を叩かれると、俺は夢から目覚めてしまった。
「……いつもいつも微妙な所で起こしやがって………」
そう言って寝起きでまだ少し怠さが残っている体を無理やり起こして部屋を出る事にした。長い廊下を渡り昨日紹介されたリビングに行くとイギリスはもうすでに座って紅茶を飲んでいた。少し重い扉の音に気がついたのか、こちらに視線を向けてイギリスは微笑みを浮かべた。
「おや…起きましたか?」
「…あぁ………」
「遅い起床ですね、待ちくたびれました。朝食でも食べましょう。」
そう言って一度イギリスは席を立ち、奥の部屋に入っていくと少ししてから朝食が載った台を押しながら戻ってきた。イギリスは座れと目で訴えてくるので、俺はそのまま席に着く事になった。
「朝食です。召し上がってください。」
そう言って俺の前には軽く食べられる程度のイギリス料理が出された。イギリスは自分の料理に自信があるようだが、世間一般から見れば不味い対象と言われている。ここに居るのが俺ではなくアメリカだったら間違いなく嫌な顔をして拒否するだろうなんて考えながら、用意してもらった朝食をいただく事にした。
そんな日の夢が忘れられないまま1カ月の時は簡単に過ぎてしまった。
長いようで短いこの1カ月の間は特に騒がしい事もなく、基本的に一日中イギリスの頼み事や暇つぶしに付き合う事になった。その間はつまらないとは思わなかったが逆に対して面白いとも感じなかった。イギリスの手伝いと言う名のお遊びをしていると、イギリスはいつも「面白くないですか?慣れて仕舞えば何だって面白くないですよね。」と少し寂しい笑みを浮かべて俺の頭を優しく撫でてくれた。まるで本物の父親みたいだななんて思った事も何度かあるがコイツの腹黒さを知っている俺はその姿を嘘だと自分に言い聞かせる事にした。
2話はここまでなのよッッ!
また微妙なところで切ってしまってごめんなさいッッッ!
よかったら感想欲しいのよッッ…
見てくれてありがとねッッ!
誤字脱字がすごい酷いことは気にしないで欲しいのッッ…