テラーノベル
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「・・・・・・なあ、秀」
放課後、誰もいない教室。
椅子に座りながらスマホをいじってると、石川がふいに顔を近づけて、井浦の耳元で低く囁いた。
「っ・・・・・・、うわ!」
その瞬間、井浦の身体がビクッと大きく跳ね上がった。
ただ名前を呼ばれただけなのに、耳に直接かかった石川の熱い吐息と低い声の振動が、ゾクゾクとした強烈な刺激となって背筋を駆け抜けたのだ。
井浦は慌てて自分の左耳を片手でガシッと押さえ、石川から距離を取ろうとした。
「な、何だよ急に!耳元で喋んな!」
「え?…….あ、もしかして秀、ここ弱いわけ?」
石川は一瞬きょとんとした後、井浦の耳の端から首筋までが一気に真っ赤に染まっていくのを見逃さなかった。ふっと、その綺麗な瞳に少し意地悪な光が灯る。
「ち、違うわ!びっくりしただけだし!」
「ふーん。じゃあ、これは?」
「待っ・・・・・・」
と井浦が止める間もなく、石川は井浦の身体を引き寄せ、今度はわざとゆっくりと、耳に唇が触れるか触れないかの至近距離で声を漏らした。
「 秀、こっち向いて」
「ん、あ••・・・・つ」
鼓膜を揺らす石川の低音に、井浦は思わず甘い声を漏らし、椅子から崩れ落ちた。耳から全身の力が抜けていくようで、石川の胸元を押し返そうとする手にも全く力が入らない。
「ほら、やっぱりここじゃん」
石川はフッと満足そうに笑うと、今度は井浦の耳たぶを優しく指先で挟み、そっとなぞるように刺激した。
「ひや、あ・・・・・・•、石川、だめ・・・・・そこ、変な感 じする••••つ」
「変な感じってどんなの?声、めちゃくちゃ可愛いんだけど」
いつもはぶっきらぼうな石川の、独占欲に満ちた少し強引な言葉。
井浦が悔しさと恥ずかしさで涙目を浮かべ、真っ赤な顔で石川を睨みつけた瞬間。逃げられないように頭の後ろを大きな手で固定され、そのまま引き寄せられた。
息を吸う暇もないほど、深く、強引に唇を塞がれる。
「んむ•・・・・・•、ん、はあ••・・・・」石
川の少し荒い吐息と、口内に滑り込んでくる
熱。
耳への余韻で頭が真っ白になっている井浦は、抵抗することすら忘れ、石川の首に必死にすがりついた。何度も角度を変えて重ねられる深いキスの音だけが、静かな教室に熱く響き渡る。
「は…・・・・・、あ、ん・•・・・・」
ようやく唇が離れたとき、秀は石川の胸で激しく肩で息をしていた。
赤く濡れた唇と、涙目の視線。石川はその井浦の姿をじっと見下ろすと、まだ熱の冷めない井浦の耳元に、もう一度だけ優しく唇を寄せた。
「…..次からは、ここ攻めよ。可愛い声、もっと聞かせて?」
「..石川のばかっ・・・・・・!」
心臓が壊れそうなほどの甘い高鳴りの中で、井浦はこれ以上ないほど真っ赤になって、石川の胸に顔を埋めるしかなかった。
コメント
1件
わあ、もう最初から熱量がすごいですね……!耳が弱点っていう設定、ゾクゾクしながら読みました。石川の「ここ攻めよ」というラストの台詞、あれは反則級にドキドキします。井浦の恥ずかしそうな反応と相反する身体の正直さのバランスが絶妙でした。続きが気になる……!