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md視点
俺はずっと染められたかった
誰にって、そりゃあらだおくん
だって好きだもん
なにより、溺れられるし
コンちゃんの深い暗い深海でも
きょーさんの空高く上がったあの場所でも
レウさんの熱く燃え盛る炎でも
全部違う
らだおくんの、あの海みたいに透き通ってて
水と一体化できるぐらいの綺麗な、
あの色がよかったの
だかららだおくんに頼んだ
俺を染めて欲しいって、溺れたいって
国王…兄たちが話した時に全部思い出した
泣くための解決の方法も、実験のことも
「方法ハ、リボンデ手ヲ結ンデ1日過ゴスダケ」
「意外と簡単なんだ」
言ってないのがひとつある
その相手を自分が想ってなきゃだめ
想いは尊敬でも愛情でもなんでも
だから、運営内なら全員尊敬してるし誰でもよかった
だけど、1番大好きならだおくんだから
あのとき、コンちゃんに言ってもらったように
自分の気持ちに正直になりたいから
「チャント、染メテヨネ」
「おう。任せろ」
「まずお互いの腕をリボンで結ぶんだっけ?」
「ウン。アトリボンハ青ネ」
「…なんで?」
「…秘密」
青はらだおくんの色だからより効果的に染められる…と思う
個人的に青だったら安心するってのもあるけど
「ん、結べたよ。あれ…?なんか半透明?」
「ホントダ」
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rd視点
正直、めっちゃドキドキしてる
だって!好きな人と間接的に手繋いでるんだよ!?
しかも丸1日!
まぁ、折角ならこの1日満喫させてもらうけどね
「はい、みどりおいで」
みどりと繋いでる方の手には負担をかけないように、手を広げて待つ
するとみどりはすんなりと俺の腕に納まった
ほんとにこの子は…
信頼してる人には警戒全然しないよね
「もしかして不安?」
「…ウン。」
「俺がいるよ」
なんで不安なのかなんて聞かなくてもいい
理由がわかるとか、そんな魔法みたいな技はないけど、安心させるのは俺でもできる
コンコン
「らっだぁー?入るよー?」
レウさんが書類を届けに入ってきた
ふは、固まっちゃった
「みどりくん?らっだぁ?」
「泣ク為ニ必要ナノ」
少し照れながら早口で言った
そんな照れなくてもいいのにw
「…そっか。よかったねぇみどりくん」
そう言うとわしゃわしゃとみどりの頭の撫で、書類を置いて去っていく
「モテそうだな…」
「今ノハネ…」
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そんなかんなで過ごして、夜も一緒に寝た
一悶着あったけどw
体制がなぁ…みどりは1人で丸まって寝たい派だったから…苦労した…
結局みどりは丸まって、俺がそのみどりを抱きしめながら寝るってことになった
「そろそろ1日?」
「ソウダネ」
「あっ」
反射的に呟いてしまった
リボンが溶けだし、みどりの体と混ざりあった
あれ、瞳が
「変わった…?」
「ンエ?」
深い緑色だったのがなんていうんだろ…
青みがかったような…?
けどすぐ元に戻ったね
「コレデ、俺、」
目に涙が溜まっていく
ずっと流していなかった感情が涙として流れ落ちる
不意に、美しいと思った
瞳の色と同じような緑に、リボンの色と同じ青が混ざり合い、流れ落ちる涙に
「ラダオ、」
「みどり、よかった。ほんとに、ほんとによかった」
細く華奢な体を抱きしめて、存在を確かめる
あぁ、ここに存在してくれて、ここで涙を流してくれてるだけで好きなんだよ
「みどり。ねぇ、今以上に染めさせて。
俺とみどりの区別がつかないぐらいに青色に、染めさせて」
「緑モ好キダケド、青ハモット好キダヨ 」
そう言って手を広げるみどりを思い切り抱きしめる
2人の涙は合わさり、愛へと変わっていった
その時扉には3人の影があったのは知らずに
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ru視点
「本当によかったな。みどりくん、あんな顔で相談してきたから不安だったよ」
「ほんとにねぇ。らっだぁはらっだぁでずっと苦しんでたっぽいし」
「まぁ、2人とも不器用ってことやな。2人の祝いのために料理でも作るか」
「あ、俺も手伝うよ!作ってみたいお菓子もあるし」
「俺、きょーさんの作ったハンバーグ食べたいなぁ」
「いつもなら作らんけど、今日は任せとき!
なんてったって2人のお祝いやからな!」
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国王視点
「ねぇ、兄様。ちゃんと結ばれたかな 」
「そんなもの、考える必要はない。だが、」
彼らなら、と思ったのだ
俺様たち、いや、僕らにも解けなかったみどりの呪縛を
彼なら解けると
扉が開けられ手紙が一通届いた
「あ、これ、」
「R国から…? 」
関わらないって話だったが
『俺は今、幸せだよ、兄さんたち。
俺を誰よりも大事に、大切にしてくれる人がいるから
だから、今までありがとう。そして、頑張って』
あぁ、みどりらしい
「こんなの、ずるいじゃんね」
「…そうだな」
あの子が、幸せを掴めてよかった
これから関わることもないんだろう
夜が怖いからって手を繋ぐことも
独りは嫌だって泣いてくることも
受け止めるのは全部彼の役目になる
寂しいのか、嬉しいのか
僕たちは選択を間違えたのか
会いに行くことも、話すこともしようとすればできる
けれど、それは彼らにとって酷だろう
いくら僕達が寂しかったって
それでもあの子達の幸せを望もう
この命で、償わせて欲しい
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今はただ、この心地良さに身を任せたい
染めて、溺れさせて
その願いは空へと消える前に、糸によって繋がれた
「何度でも、叶えるよ」
溺れるくらい、そのいろで、
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あとがき
なんかこれじゃない感がすごい…
もっと細かく書きたかったところもありますが表現力の限界が…
糸とらだを通して泣けるようになりました
なのでみどが流す涙は青色になります
らだを通してるのでみどが泣く時に無意識でらだを求めてしまう…とかだったら嬉しい
国王達とR国が繋がることはこれからないでしょう
いくら求めていたってお互いは繋がりません
それが国にとっての条約であり、みどにとっての解放、国王たちにとっての償いなのです
みども、国王も寂しいとは思っていますが
ここまで読んでいただき
ありがとうございました
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