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【及川さんと付き合っただけでいじめって、何でですか。】①
及川×夢主
(美人度 MAX10)
水ぶっかけババア…7/10
夢主…8/10
バシャアッ
夏だからか、水からお湯になってしまったぬるま湯が私の頭にぶっかけられた。
かけてきたのは及川先輩の同級生の人。…と取り巻き達。
あぁ…確か水ぶっかけババアはそれなりに美人で有名で、及川先輩とお似合いって声があったような。
…なるほど。多分このババアは及川先輩が好きで、彼女の私が気に入らないのか。
だからといってやりすぎだと思う。夏休み前にこんな事するか?普通。お前ら受験生だろ。勉強しろや。
…まぁそんなことを考えても仕方ないので、とりあえず及川先輩に褒めてもらった自慢の髪をかきあげる。そして睨む。
…あ、後退りした。面白いな。
とか呑気なことを考えてると、取り巻きの1人がこっちにやって来て、私の腕を掴んだ。
「あんたさ、🌼より目立たないでくれる?てか及川に近ずかないでよ。あいつは🌼の物よ」
とか変なこと言い出してきた。
及川先輩がこのババアのもの?私が目立ってる?知るかっての。
てか及川先輩は誰のものでもないし。ばっかじゃねぇの?
そう考えていると私たちのいる空き教室の扉が空いた。
…岩泉先輩?今日は部活のはず。しかもこの空き教室はマジで何にも使われてないから、用はない。なのに何で来たの?と思いつつ話しかける。
「ちわっす。どうしたんですか?」
「いやどうしたんですか?じゃねぇだろ。なんでお前濡れてんだ?」
そう私に聞くと、先輩の1人が私の腕を掴んで、近くにはバケツ、大人数の先輩達がいた事から大体のことを察したのか、誰かに電話をし始めた。
…喋り方的に、及川先輩だろう。
先輩達もそれに気づいたのか、「次会う時までには及川から離れてなさいよ!!」「え?もう次会いたくないんですけど?」…と捨て台詞を吐いて教室を出ていった。
そして今度は岩泉先輩と2人っきり。しかも私びちょ濡れ。何だこの状況は。気まず過ぎる。
「あー…今日部活はどうしたんすか?」
「体育館にでた猫がこっち側に来て追いかけてんだよ。で、その中で声がしたから開けたってことだ。」
「へー…猫なんて珍しいっすね」
「まぁな、あんなの滅多に来ねぇし。だから俺も今苦労してんだ。」
猫。猫かぁ…触りたいなぁ….。とか考えてるとガラガラッと扉が開かれた。
「はっ…はぁっ…い、岩ちゃん…🌸….」
「及川先輩大丈夫っすか?」
「🌸こそ大丈夫なの!?」
と大声で聞かれて耳がキーンとする。急に叫ばないで欲しい。
「私は大丈夫です。この教室は無事じゃないですけど。」
「そんなのいいから!…本当よかったぁ…」
ぎゅうっ…と及川先輩に抱きしめられて安心する。私のために走って来てくれたし、心配もしてくれて。こんな素敵な彼氏、手放すわけないじゃん。と心の中でさっきの先輩に言い返す。
「…じゃ、俺部活に戻るわ。さっさと帰ってこいよクソ川。」
「最後のだけ余計!!」
と、いつも通りの漫才のような会話でほっこりした。
_これが最後の平和な時だと知らずに。