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緑茶は飲めないが紅茶は飲める
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「わたし…あんたみたいな男嫌いなの…」
電話を取り、名前はぺたりと床に座り込む。
エレベーターの前にいる刑事らに、首を切る仕草を見せる。
彼らは強化硝子越しにいるーー降谷を焦ったように見たが、彼は笑ったまま首を振る。
誰もいなくなった地下室で、暗がりから降谷が一歩出てきた。
「どうして?」
その声は可笑しそうで、余計名前は機嫌が悪くなる。
まるでみんな僕が好きなのに?と言わんばかりでうざったい。そんなやつは遊ぶには物足りない。
「わたしはあんたみたいな男は求めてない…権力を誇示するくせにそれにのまれて」
名前は首をつつく仕草をする。
わたしが求めてるのは権力そのもので、持つ男じゃないから。
「めそめそする男もーー」
「高木は?変な文章があって読めない」
所轄の佐藤が嫌そうに言う。
「あとにしてくれない?今さっき飛び降りを止めたばかりで…」
「あっそ」
名前はトイレに向かった。当たりだった。
「う…えっ」
窓際でティッシュと共にしゃがんでいる高木は泣いていた。
名前は目をぐるりとする。
「ロマンチストもーー」
トイレを出たところに白鳥がいた。とん、と肩を押される。
「言ってたバー、予約取れたんです」
ふふ。と自慢気に言うから、名前もにっこりした。
「いつ?」
「今夜」
「バイバイ」
「えっ」
唖然、とふたりの男は顔を見合わせた。
「なに飲んでるの?」
水筒を傾ける風見を覗きこめば「…味噌汁」と答えた。
信じられない。
「…従順な女が好きなやつはマザコンだし、あんたみたいな顔のいい男は浮気する」
うーん?と降谷は電話を持ったまま首を傾げた。
「都合のいい男がほしいのかい?」
「その方が楽しいんだってば」
女なら皆……。と名前は髪をかきあげる。
降谷は笑い続けたままテーブルにいるワインとグラスを落とす。テーブルを蹴りあげて、割れた瓶をーー座っていた椅子にさらに叩きつけた。
どさり、と硝子の前に座り込む。
「僕は片付けないし」
ぴちゃっ、と床からワインを舐める。
「…態度が悪い」
名前はだんだん笑みを深くする。
「悪い子ね、零……」
「そう」
降谷は汚れた椅子を見上げる。
「すぐセクシーな子に声かけちゃう…みんな僕じゃなくて、ほしいのはこの椅子からの景色……」
クズって…言うんだよ……
降谷はふふ…ふふ…と笑って硝子に手をついた。がたん、と落ちた電話からその声が細々と聞こえてくる。
あなたが【ビッチ】ならわたしもそうならないと、ね?
「あなた、幸運ね。ゼロ…」
さあ……僕で遊んで……壊れるまで…
オモチャがほしいの?掴んで引きずり回していいから……