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のそのそとクーがケットに近付いていく。
「ケット、俺にも分かるように整理してくれ。整地のメンバーを知りたい」
クーがそう言った後、ケットが号令を掛けると、何匹もの猫、犬、ウサギがいくつかの隊列を組み始め、数列で綺麗に並んだ。
「うニャ。今回は手分けするニャ。オイラとご主人とねこさんチームAは、世界樹の許可をもらった後に樹海の木を切るチームニャ」
「分かった」
「にゃー!」
「みゃー!」
ケットの言葉に続いて、ムツキとねこさんチームAが手や前足を挙げる。
ねこさんチームAは、腕っぷし自慢の大柄な猫たちで構成されており、普段なら牧場で家畜の世話をしていることが多い猫たちを集めていた。
「クーとニャジュミネさんとねこさんチームBといぬさんチームA、ウサギさんチームは家の周りの整地をお願いするニャ。場所はこのメモの通りでお願いするニャ」
「分かった」
「承知した」
「にゃ!」
「ばう!」
「ぷぅ!」
続いて、クー、ナジュミネ、ねこさんチームB、いぬさんチームA、そして、ウサギさんチームが手、前足を挙げる。
ねこさんチームBはAチームに比べて小柄な猫が多いが、その分小回りが利き、手先というより前足先が器用な猫たちで構成されている。いぬさんチームAは、大柄な犬たちで構成されていて、土木作業に向いていると判断されて組まれた。ウサギさんチームは整地の際に邪魔になる草をモリモリ食べるフードファイターチームである。
「最後に、リゥパとルーヴァ、アル、いぬさんチームBは樹海で手伝ってくれる仲間を探して連れてきてほしいニャ。お手伝いの報酬については、戻って来たオイラと交渉するように言ってほしいニャ」
「はーい」
「はーい」
「了解」
「わん!」
最後に、リゥパ、ルーヴァ、アル、そして、いぬさんチームBが手、翼、前足を挙げる。
どこからともなく山吹色をした一角ウサギのアルが現れていた。彼は手を挙げ終わった後にご自慢の黒いツノを磨いている。いぬさんチームBは小柄で鼻の利くタイプが集められたようだ。
「よし、じゃあ、みんなで手分けして頑張るぞ! あれ? ユウは?」
ムツキがふとユウの存在に気付くが、ケットは首をゆっくりと横に振った。
「ユウ様は寝ているニャ。寝ている子は起こさニャいに限るニャ」
「……そうだな」
ユウは寝起きがすこぶる悪い時が割とある。その時は、主にムツキが全力で止めにかかる必要があり、半日ほど宥めるのに拘束されてしまうこともあるので、寝ている時は何があっても起こさないことにしている。
「念のため、ユウの部屋の周りに防音魔法をかけておくか。【サウンドプルーフチャンバー】」
ムツキはユウの寝起きが悪くないことを祈るばかりだった。