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まだ、こんなんじゃ駄目だ。そう思ってAPEXをやって数時間経過した。
「…22時か。」
頭痛が酷く、とてもお腹が空いていた。
その時、discordに連絡が来た。
『今からランクやらん?』
送ってきたのはありさかだった。
『ええで!』と返事をした。
『えーと、これ聞こえてる?』
「聞こえとるよー」
『よし、ランクやるか』
「お前今ランクいくつ?」
『プラチナ3』
「あ、勝った、プラチナ2」
『じゃあダイヤ目指すかー』
「そうやね。あ、配信付ける?」
『いや、今日は付けずにやろうかと』
「りょーかい」
「ッ…また倒せなかった…ごめん、ありさか」『だるま…大丈夫?調子悪そうだけど…』
「大、丈夫。ちょっと水取ってくる」
『いってらー』
そして椅子から立ち上がった。何故か視界がふらついていた。なんとかドアに手をかけた時に意識が途切れた。
『大、丈夫。水取ってくる』
「いってらー」
今日は明らかにだるまの調子が悪い。上手くエイムの制御が出来てなかったり奈落に落ちたり。大丈夫なのか考えてたその時だった。
『バタン』
「だるま!?」
明らかに倒れた音がした。しかしここは宮崎、彼の所にはすぐに行けない。
「…そうだ、とりあえずおじじに連絡しよう」
『おじじ今大丈夫?』
『大丈夫だけど、どうした?』
『だるまが倒れた』
『まじ?でも今旅行してて何も出来ん…』
『まじか』
『…そうだ、近くに住んでるストリーマーの人とかに連絡してみる』
ー数分後
『行ける人いたよ!』
『誰?』
『叶さんが行けるって』
『叶さんVだけど大丈夫なの?』
『結構重大な事だから大丈夫だって』
『なら叶さんにお願いしよう。』
「お邪魔します…」
散らかった部屋。そしてそのうちのひとつの部屋、そこでだるまさんは倒れていた。
「だるまさん!」額に触れると凄く熱く、息も微かだった。
「とりあえず、救急車…!」
『叶さん、そっち大丈夫ですか?』
『酷い熱があって、測ったら40度近くありました。そして息も微かになっていて…』
『俺、そっち行くわ。』
『でも、宮崎から行くのは時間かかりますよ!?』
『それでも行く。』
『…分かりました。』
「あの…」
そこに立っていたのは看護師だった。
「はい…」
「とても言い難いのですが…」
「命が必ず助かるとは、言い切れない程、酷い状態です。現在手術を行っているのですが、倒れた際に脳から出血したようでして、とても危ない状況なんです。」
僕は絶望した。もし、彼が死んでしまったら。そんな事がすぐに頭に浮かんでしまった。
『ありさかさん、だるまさんの容態を聞けました。倒れた際に脳から出血してしまって、助かるか分からないようなんです…』
ー数時間後
病院から連絡があった。何とか一命は取り留めたものの、あと1週間程で亡くなるだろう、と。
ー2日後
ありさかさんがこっちに着いてCRの事務所に荷物を置いてきた、と連絡が来た。そして、病院からも連絡が来た。
ー容態か急変し、危篤な状態だと。
「叶さん!」
「っ!ありさかさん!」
「だるまは!?」
「今危篤な状態なんです!」
「だるま…」神に願う、彼がまた一命を取り留める事が出来るようにと。しかし、神は残虐だ。2人の願いは叶うことは無かった。
だるまは、死んだのだ。
あの日から、配信をしていない。もう、彼がいない世界なんて価値が無い気もする。「…だるまはさ、俺を置いて先に行っちゃうよね。俺も、そっちに行くから。」
早朝、普段は寝ているような時間だ。
「ごめんね、皆。」
十何階とあるビルの屋上から飛び降りた。世界がゆっくりに見えて、まるで空を飛んでいるようだった。落ちていく。皆と過ごした記憶が心を締め付ける。
さよなら。