ソナチです。(地雷の方は回れ右)
NL注意
死ネタ注意
ロシア視点
ロシア「親父、」
ソ連「どうした?」
そう言って新聞から目を離し、こちらを向く。
ロシア「ずっと気になってた事があったんだ…」
ソ連「?言ってみろ」
ロシア「親父って彼女いたらしいけど…本当?」
ソ連「…」
親父が椅子から立ち上がり、こちらに歩いてくる。地雷を踏んでしまったか?
ソ連「誰から聞いた?」
ロシア「アメ公、デロンデロンに酔ってたから嘘かもしれないがな。」
ソ連「いや、本当だ。残念だがな。」
ロシア「詳しく聞かせてくれよ。」
ソ連「あぁ…」
ソ連視点
あの事を思い出すだけでも発狂しそうだ。立ち直るのに何年も掛かったからな。
俺の唯一の愛した人、ナチスは終戦して暫くして死んだ。死因は病気。『羽吐き病』原因も治療法も解っていない病だ。
羽吐き病の実態は恐ろしいものだった。咳をすると羽を吐く。大きな羽の時は喉を切り出血する。余りの痛みから、スイスから何度も安楽死を進められた程だ。だが、ナチは安楽死については何も触れなかった。俺はつきっきりで看病した。ナチの為なら何だってした。ただ、ナチが生きているのがうれしかった。残された時間を一分一秒でも長く分かち合いたかった。
羽吐き病を発症して数ヶ月、ナチはとうとう寝たきりになった。毎日スイス兄妹がカウンセリングや投薬に来てくれた。一番嬉しかったのはナチが調子の良い時間を縫って俺の為にマフラーを編んでくれたことだ。今でもあのマフラーは置いてある。絶対に捨てるものか。
だが、現実は残酷だった。ナチは次第に多くの羽を吐くようになり、スイスからもう長くないと言われた。それでもナチは自分の吐いた羽を瓶に集めていた。そして言ったんだ。
ナチス「もし私が死んでもあの瓶だけは捨てないで。ずっと貴方の傍にいたいの。お願い。」
そして、ついにその日は来た。スイス兄妹とナチの部屋にいたら、突然、ナチの背中が大きく裂け、大きな羽が生えたんだ。彼女はこの羽で天国に行くのか、天使になったのか。痛み耐えきれずに涙を流しながら震える声で言った。
ナチス「先に待ってるわ。私のことは忘れて、次の人を見つけてね。」
それから暫くはまともに過ごせなかった。俺は重度鬱になったらしく、しばらくカウンセリングに通った。余裕ができてきたら、彼女との思い出を全てアルバムに収めた。でも心の穴は埋まらなかった。
ロシア視点
親父から事の全貌を聞いているうちに、俺は親父の話に魅入られていた。気付いたら話は終わっていて親父は静かに泣いていた。
ロシア「ごめん!言いづらかったよな!もう聞かないから!」
ソ連「いや、構わない。いつか話そうと思っていたからな。」
そう告げた親父の顔は、少しだけ明るかった。
ありがとうございました。
ソナチは死ネタも似合うと思う。
コメント
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あぁぁぁぁ!!ナチくん~!いや、ここではナチちゃんか?まぁ、いっか!そんなことより、マジで最高ですね!いつかソ連も死ぬんかな、その時はナチが一番に出迎えてくれそうだな、泣き笑顔で「待ってたよ」って言って欲しい、そしてソ連は「あ、あぁ」って泣きながら今までで一番の笑顔というか、喜び?幸せな顔ででいて欲しい!そしたら私は死にますね、尊死で、やっぱりソナチ最高!