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初投稿なので、優しい目で見てください(泣)
三千文字以上デス!
チリーン、チリーン
風鈴が揺れる。
次の瞬間顔に熱風が当たってきた。
蝉の声が四方八方から聞こえてくる。
_拝啓 海様、空様
蝉の声がよく聞こえる猛暑になりましたね。体調はどうですか_
〜
凄まじいドタバタという音が自分の部屋に近づいてくるのがよく聞こえる。
誰だろうか?今は書類に追われて忙しいのだが、、
「陸兄!海兄が、かいにぃが!
亡くなった_
頭をガツンと殴られたような衝撃が走った。そこから海の言うことがあまり分からなかった。
いつも私に口うるさい海が_
そんなわけない、空のことだ。いつもの悪戯だろう。悪癖も直してもらわ_
『これ、かッ、かいにいの
しぼ、うッめいさいしょ』
あゝ、いつものたちの悪い悪戯じゃないなんて分かってた。だけど、空の顔を見れば分かる。
海には
もう、会えない
そこから、空は嗚咽をあげ、大粒の涙を流し、泣いた。私は空の背中を優しく撫でた。私は不思議と涙が出なかった。
ただ
心がギュと苦しくなった。
「落ち着いたか、空」
「うん、もう、大丈夫!!
あ、これ、陸兄にあげるよ」
「なんだ、これ」
空が渡してきたのは、白く、少し薄汚れた士官軍帽だった
「これ、海兄のだって」
「僕は多分、汚しちゃうし、なくしちゃう」
「だから!陸兄が持っててよ!」
「…あゝ、わかった」
私が、こんな大切なものを預かって良いのだろうか。
空はいいと言っても、海は私が持ってて喜んでくれるか…
「…海兄は今頃お空の上かぁ、
いいなぁ、僕も雲のベットとかで寝てみたいよぉ」
「…死んだら、そんなことできるのか?」
「いやぁ、分かんないよ!」
「…は?」
「でも、そう考えると、少し、怖くなくなるでしょ!」
「まぁ、確かにな」
〜
「あ!りくにいぃー!」
その後の空はこの前とは別人のようにけろっとした笑顔で、いつもの明るい空に直った。
「僕さ、
特攻することになったんだ」
いつもへなっとした笑顔の空が言った。
あゝ、まただ。
また頭がガツンと叩かれた。前よりも痛いかもしれない
「僕にも、ついに見せ場がきたね!」
「歴史上の人物として本に載ったらどうし_
「空!逃げよう!
私たちは頑張った。少しぐらい、逃げても神様は許してくれる!
だから、わたしといっしょに_
「ごめんね、陸」
「僕は行くよ
御国のために」
「大丈夫、大丈夫!」
「この、僕だよ!」
「生きて帰ってきてみせるよ!」
「でも、もしかして、僕が亡くなったら、僕の部屋に来てみてね」
反論しようとした。なんでそんなこと言うんだって。でも、空の手が震えてたから、私は何も言えなかった。
前にも聞いた。海も生きて、生きて帰ってくると言って、帰ってきたのは死亡明細書と軍帽だ。
何が御国のためにだ。
「ねぇ、陸」
「大丈夫、大丈夫だよ、
陸を一人にしないよ」
〜
空が特攻隊に選抜されて、一週間がたった。
今日、
空が旅立つ
「あ!陸兄きてくれたん_」
空を見つけた瞬間、私は空に抱きついた
「いててて、陸兄!なにす!_
「ぜったいに、生きてッ、いきてかえってきてくれッ、」
「…陸
僕言ったよ、絶対に生きて帰ってくるからねって!」
空は私の背中を優しく撫でた。
「前と立場が違うね」
「僕がお兄さんみたい!」
「陸、手を離して
僕は、もう行かないと」
いつものヘナっとした笑顔の空が言った。
私はソッと手を離した。
「あ!そうだ言い忘れてた、
あ、ぁ゙、ッ〜〜!」
「やっぱいいや!」
「陸兄!
いってきます」
〜
それから、空が旅立て1週間後のことだった。
ご飯はしっかり食べているだろうか。
体調を崩していたりしていないだろうか。
私は心配でたまらなかった。
パリーン!
「わっ!」
鏡が風にでも煽られたのか、倒れた。
「…不吉だな」
〜二週間後、
蝉の声が四方八方から聞こえてる。
「…あゝ、知ってた、知ってたさ」
神様なんて、便利な存在がいないことなんて知ってたよ。とっくの昔から。
私の手には見覚えのある死亡明細書だった。
「特攻に行った者が、帰ってこれるわけがないと言うことを」
あゝ、私はひとりぼっちになってしまった。
二人に会いたい。
金ならいくらでもやる。
私の腕が欲しいなら四肢の全てを渡そう。
私の心臓が欲しいなら私の臓器全てやろう。
二人に会えるなら
死んでも良い
でも、なにか、なにか、心残りがあった。
「あ、空の部屋に行かないとな」
久しぶりに入った空の部屋は思ったより質素な部屋だった。
ベット、机、タンス…
必要最低限なものだけだ。
「…部屋に来てねと言われたが、なにをすればいいんだ」
私はなにをすれば良いのか分からず、部屋を探った。
机の中、布団の中、ベッドの下。なにもなかった。
最後にタンスを開けた。
一段目、中には幼い頃の写真が入っていた。
一枚目は私と海が睨み合い、空が仲裁している写真、二枚目は空が泣いて私と海がアワアワしている写真。
そして最後の写真は全員で軍人になった記念に肩を組んだ写真 。
写真一枚、一枚鮮明に思い出せる。
あの頃に帰りたい。
私はよわいな
二段目のタンスは空っぽだった
三段目の最後のタンスには、真っ白の封筒が入っていた。
「…遺書か?」
『これは遺書です!
僕が死んだら読んでね。
陸ごめんね、陸のこと一人にさせちゃったね。
陸も、分かってたと思うけど、戦場に行って、生きて帰ってこれるのはごく一部。
生きて帰ってくるよって言ったとき、正直僕は、死ぬんだろうなって思ってた。
だから書いてます。
僕ね、強がってた。
すごくこわい。
最近は眠れない。指も震える。
僕ってさ、ほら、昔から弱虫だったじゃん。なかなかなおらないものだね。
海もそうだったのかな。
僕はお空の上から見守ってるよ。
多分というか、陸は絶対に自殺しようとするよね、
僕はまだ陸に来てほしくない。
あともう少しで、多分戦争は終わる。
戦争が終わったらさ、また花火みたいね!
お父さんに連れてってもらったの覚えてる?
りんご飴また食べたいなぁ。
陸はまだ来ないで。
僕たちの分まで生きて。
あと、口にして言うつもりだけど、多分言えないから、書いておくね
陸、愛してる!
空』
目が開けなかった。視界がボヤっとして、目から大粒の涙が溢れてくる。
止めないといけないと思っても、自分の意思とは反対に。
大日本帝国は、米軍から原爆により、降伏した。
〜
_夏風などにはかからないように体調をお気をつけください
陸
私は玄関の戸を開き、外に出た。
そういえば、今日は花火が上がるらしい。
りんご飴を食べに行くか。
頑張りました!!!
イイねくれたら嬉しいです!