テラーノベル
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渡辺と阿部は楽屋でしか話はしない。
渡辺まで阿部の家に行く事は憚れる。
今日も、2人で静かに話をしている。
渡辺ーなぁ、俺は普通だと思うけど目黒も普通なのか?
阿部ー今時、恋愛は自由でいいと思うよ。
渡辺ー阿部ちゃんが男に告白されたらどうする?
阿部ー相手によるね。
渡辺ーどういう事?
阿部ーお互い尊敬し合って、一緒にいて楽しかったり勉強になったり。
渡辺ーいるの?
阿部ー残念ながらまだ居ないけど。
渡辺ーその・・好きだと色々したくなるだろ?
阿部ーあぁ、翔太の場合はめめに任せておけばいい。
渡辺ーやだ、女の子じゃないし。
阿部ーじゃあ、翔太がめめに何か出来るの?
渡辺ー・・。
阿部ー形は違うけど、立場は対等だと言えばいい。
渡辺ー・・やっぱり無理だ。 考えただけで恥ずかしくて死にそうだ。
阿部ーじゃあ、嫌いってはっきり言えば?
渡辺ー・・。
阿部ー嫌いじゃないんでしょ。
渡辺ー分からん。
渡辺は難しい顔をして、天井を睨んでいる。
される側に対等も何もあるか。
体格的に、渡辺が押し倒されるだろう。
そんなの耐えられない。
恥ずかしすぎる。
ちょっと前に戻れないかなぁ。
寂しい。
渡辺は今、ドラマに出ている。
台本を片手にセリフを覚えようとしたが、昼間の阿部の話が頭から離れない。
女の子みたいに扱われて、立場が対等だなんて思えない。
全てを見られるんだぞ。
あんな事やこんな事をされるんだぞ。
キスするって考えるだけで恥ずかしくなる。
気持ちがまだ分からないのに渡辺は付き合ったらどうなるか考えている。
バカバカしいと気付く。
集中して台本を読む。
でないと、自分は変なことばかり考えてしまう。
撮影に影響しては困る。
しばらく、台本と睨めっこした。
そこへ目黒からLINEが入る。
最初、渡辺は気が付かなかった。
一通り台本を読み。
納得して台本を閉じる。
目は携帯に行く。
目黒がLINEを送ってくるからだ。
しょっぴーを女の子みたいに扱わない。
大事にする。
俺を好きになって?
しょっぴーが大好き。
俺に愛されてもしょっぴーはちゃんと男だよ。
いつまでも待ってる。
目黒、お前は馬鹿だ。
渡辺はLINEを見ながら涙が出てきた。
叶わない恋はやめろ。
俺は普通に暮らしたい。
まだ、恋愛をしたいと思わない。
俺を惑わすのはやめてくれ。
渡辺は涙が次々と溢れてくる。
この涙は何だろう。
なぜ泣く。
自分が分からない。
もう元に戻る事はないのだ。
それが寂しい。
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