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Noobくん総攻め健全短編集ですか!?
リクエストとかあったらどうぞ。フォロー外の方でも構いませんので……。
Noob x iTrapped
今回inoobになります(カプ名がこれしか出てこず)
あんまり左右とかないですが、iTrappedがちょっと照れるくらいです。
二人だけの世界です、他の人は出てこない。名前だけ出るくらい。
ある日、郵便物に紛れて一枚の手紙が入っていた。
「……うーん」
読んだ。もう一度読む。訳がわからない。
要するに、僕のことが好きって話なのだが、いかんせん差出人の名前がない。誰からの手紙なのか全くわからない。
そして、ストーカーの可能性が浮上してきて怖くなってきた。
「いや……ストーカーかも……」
ストーカーの可能性を考慮したら、怖くなってしまい、とりあえずその手紙は引き出しの中にしまっておいた。必要になったら出す、それだけでいいと思う。
次の日も手紙が入っていた。──やっぱりストーカーなのかもしれない。
「す、ストーカー……?」
今日の手紙は食事のお誘いだった。まだ会ったことすらないというのに。
とはいえ、ストーカーと会うのはなんだか気が引ける。……でも、お誘いを断るのもなんだか違う気がして。
とりあえず、指定されているお店について調べてみることにする。
「……これ、僕が行くところじゃなくない?」
調べてはみたのだが、明らかに、僕が行く場所ではない。
結構ちゃんとしているところだった。別に対して問題はないはずなのだが、僕が行ったことあるのなんて、良くて誕生日に行った少しいいお店くらいなもので。
そうなってくると、本当に行くべきなのか悩むところではある。
「行ってみるだけ、行ってみようかなぁ……」
変なことをされそうになったら帰る、それだけ決めて、明日の服について考えることにした。そんなにちゃんとしなくてもいいだろう、普通の服を着ていけば。
それで、次の日。なかなか緊張しながら歩いていると、目的地が見えてきた。
「ここかな……」
ついたのはいいものの、手紙の差出人が誰なのか全く分からないことを思い出した。これじゃこちらから探せないではないか。
とりあえず、目立つ位置に立って待機することとする。向こうは多分僕の見た目を知ってる、そう信じて。
数分後そうやって待っていたら──。
「あ、いた」
「へっ?」
急に声をかけられたせいで、情けない声が出てしまった。
思ってたより相手の身長が高くて、見上げる形になる。上を向いたところ、やけに綺麗なお兄さんが立っていた。
「あ、えと、僕──」
「知ってる」
「えっ?」
「知ってる」
知ってる。僕の名前を。……やっぱりストーカーだったのかもしれない、まだ疑惑は晴れない。
とりあえず、この人の名前を聞きたい。
「あの、お名前は?」
彼はほんの少しだけ、そう、ほんの少しだけ考えてから。僕の頭にぽん、と手を置いてから、ほんの少し小さな声で答えた。
「iTrapped」
「iTrappedさんですか」
iTrappedさんはこくこくと頷いてから、僕の頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
この人は一体何がしたいんだろうか。とは思ったが、撫でられるのは嫌じゃないので黙って撫でられることにする。
ほんの少しの間だけ撫でられていたら、彼は名残惜しそうに手を離した。
「行こう」
「あ、は、はい」
歩き出したiTrappedさんを追いかけるようにしてついて行き、店の中に入った。
想像通り、店の中を見る限り──確実に、僕が来るような場所ではなかった。
ちょっとだけ混乱していたら、そのままiTrappedさんに連れられて、奥の方の席に座ることになった。
内装が綺麗すぎて落ち着かない。iTrappedさんは僕のことを見ているし、すごく居心地が悪い。
頬杖をついているiTrappedさんは、まぁ、やっぱり第一印象と同じく綺麗な人だった。髪の毛がサラサラだと思う。
顔が見えないので、顔については分からないが……でも、雰囲気からして綺麗な人なんだろうな、と思う。
「何見てるの、メニュー見なよ」
「あ、は、はい、そうですね」
とりあえず、メニューを開いて適当に選ぼうとした。
選ぼうとはしたのだけれど、何を選んだらいいのか分からない。
「……好きなのを頼むと良いよ、俺が払うから」
「え、あ、いいんですか? じゃあ……その、お言葉に甘えて」
とりあえず、美味しそうだったからハンバーグを頼むことにした。他より安そうだったから、ってのもあるんだけれど。
iTrappedさんは何だか高そうなものを頼んでいた。やっぱりすごい人なのかもしれなかった。
そういえば、なんで僕にストーカーまがいの行為をしたのか聞かないと。……ちょっと怖いけど。
「あ、あの。iTrappedさん」
「どうしたの、Noobくん」
「う」
Noobくんって言われるのは珍しいから、ちょっと言いよどんだ。しかも、こんなに綺麗な人に言われると尚更なんだかドキドキする。
「……えっと、なんであの、ストーカーみたいな事をしたんですか?」
「ストーカー」
iTrappedさんは少し考えるような素振りをしてから、ほんの少しだけ悲しそうに、拗ねたように言った。
「ストーカーじゃない」
「いや絶対ストーカーでしたよ」
流石に否定したけれど。だってストーカーだったんだから、確実に。
そんなくだらない会話をしていたら、料理が運ばれて来た。ちゃんとしたお店なだけあって、本当に美味しそうだった。美味しそうなハンバーグだった。
「いただきます……!」
「うん、食べな」
iTrappedさんに促されたので、とりあえず一口ハンバーグを口に含んだ。──美味しかった、すごく。そりゃちゃんとした店のハンバーグだから当然なのだが。
「美味しい、です」
「よかったよ」
そう言ってから、iTrappedさんも料理を食べ始めた。
料理を食べる姿も綺麗で、なんとも言えない気持ちになってくる。ストーカーだと思ってたけど、思ってたより綺麗な人なのかもしれない。
……いや、僕は何を言っているんだ。チョロすぎるな、僕は。
「あの、iTrappedさん。その、なんで僕にストーカーみたいなことしてたんです?」
「ストーカーじゃない」
「ストーカーです。……とにかく、ですね。理由が聞きたくて」
そう言ったら、iTrappedさんは黙ってしまった。僕もなんとなく気まずくなってしまって、黙って料理を食べることになった。
なにかまずいことを言っただろうか、と思いつつ、iTrappedさんの言葉を待った。
「……好きだから」
「はい?」
「好きだから」
iTrappedはそう言い切った。さっきまでと同じで、冷たくてバッサリ言い切るような、そんな声だった。ただ、ほんの少しだけ……顔が赤いような、赤くないような。顔は見えないけれど、なんとなくそんな気配がした。
「好きなんですか、僕のこと」
「そう」
「……好きならストーカーやめません?」
「だって接点がないし」
じゃあなんで僕の家に手紙を出せたんだ、とは思ったが、なんか怖かったので聞かないことにした。危ない手だったらどうしよう。
そして、僕の事が好きだと。──悪くはない話だ、とは思った。だって綺麗だし、優しそうだし。ただ、問題は出会って一日目なこと、あと普通にストーカーまがいの事をする人なこと。
いや、ちっとも良くない人なのだけれど。
「そうですか。まぁ、その……お友達からで良ければ」
「……そっか」
「連絡先交換しましょう、あんな気持ち悪い手紙とかやめてくださいね」
「……うん、分かってる」
気持ち悪い手紙、という発言にちょっと困ったようだけれど、とりあえず連絡先は交換しておいた。いつでも連絡してね、だそうだけれど。
明後日、ちょうど暇だったことを思い出した。今のうちに約束を取り付けておこうかな、なんて思ったりもした。
「……そうだ、iTrappedさん」
「どうしたの」
「明後日空いてます?」
「……空いてるけど」
「じゃあ、出かけましょう。今度は僕の奢りで」
iTrappedさんは首を傾げた。不覚にもちょっと可愛いと思ったのは秘密だ。
「え、大丈夫なの? 君」
「大丈夫ですよ。そんな高い店行かないので」
iTrappedさんは「そっか」とだけ言って、食事に戻って行った。やっぱり綺麗な人だ、と思った。明後日も会えると思うと、ほんの少しだけ嬉しい気もする。ストーカーなのに。
食事を終えて、iTrappedさんにお金を払ってもらって、別れて──家に帰って来た。不思議と心地よかったな、なんて思いつつ。
「……明後日、楽しみだな」
僕は良さそうなお店を選ぶことにした。久しぶりに、こんなにワクワクしているかもしれない。
続きは今の所ないですが、気が向いたら書くかもですね。
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