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辛い。
その言葉が、なんとなく出てきた。
私のリュックには、黄金の指輪。
これで気がついた人もいるだろう。
私は、悪魔執事の主になったのだ。
人々のために天使を狩る。
時には罵倒されても、
人の命のために狩りを続ける。
わたしには、その力がない。
主に選ばれ、執事の力を開放し、
その後はただ待つだけ。
待つことしかできない私は、
執事たちの安全を見守ることしかできない。
いっそのこと、私がみんなの代わりに
天使をかることができたらな…。
私は、執事の中でもフルーレくんと
一番と言っていいほど仲が良かった。
年齢が近いというのが一番の理由かな。
私は今年で16歳になる。
誕生日は、執事たちと暮らすことにしてる。
親は、いない。
親は、私が生まれて数年後に
交通事故でなくなった。
私の、一番の絶望だった。
大好きだった両親はいない。
祖父母も、私が生まれる前に病気で…。
私は孤児院で暮らし、
高校生になると同時に一人暮らしをしている。
でも、執事たちは、私以上に
絶望を抱えて生きているんだ。
バスティンのあの時みたいに。
何時も明るいロノや、
治療かかりのルカスさん。
明るくムードメーカーなラムリさん。
みんないつもは仲良く(?)暮らしてるけど、
その裏には………。
友人A「〇〇、今日も一人?」
『………あ、うん、』
友人B「いつも一人だよね。
何考えてるかわかんないし。
あ、別にいじめたいわけじゃないよ、」
『うん、ありがとね』
教室に誰もいなくなったのを確認し、
私は指輪を指にはめた。
フルーレ「あ、主様! おかえりなさいませ!
今日も来てくれたんですね!
夕食準備、もう少しで終えますので、
先にお風呂の方をお済ませください」
『えへへっ、ありがとね。
じゃ、先に入らせてもらうね』
入浴のための部屋に入り、
私は服を脱ぐ。
過去に私が抱えた苦しみの傷が、
そこには広がっていた。
リストカットのあと、殴った跡。
体中傷だらけ。
『治療は、いいかな。私なんかに
治療道具を使ってほしくないから』
私はそう言い、フェネスが準備してくれた
大浴場に入った。