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さすが日本。カラッとした暑さではなく蒸し蒸しした暑さがホーム内に広がる。
何か仰ぐものはないかと鞄の中に入った物をガサゴソと漁るも今手元に欲しい物はなかった。
タオルで拭こうとするも余計なものばかり入っていてどこにあるのかすら分からない。まさかこんなに暑くなるなんて思ってもいなかった
「…良かったらこれ飲むでござるか?」
なんだと思って声をした方を見てみると先程の男子高校生が居た。恐らく男子高校生が「これ」と言ったのは自身の水筒だろう。
少し戸惑いながらも流石にここまで世話をかけてはいけないと思い、丁重に断ろうとした。
「すみません…流石に頂けません。。」
男子高校生は少ししょんぼりした顔を見せるも
「承知でござる。」
と言った。
サラリーマンがこちらを見てもじもじしているものだから気になって話をふってみた。
「何か言いたいことでもありますか。?」
するとサラリーマンの男性はビクッとするように頷いた。
「あ、あの服装から見るにお2人は学生ですよね…」
「大丈夫ですか?こんな所で話していて。」
そうだそうだと。ホーム内にある時計に目を向ける。
「7時45分…!?!?」
唐突に焦りを感じ始める。時間とは凄いものだ。
どうやら男子高校生も反応を見る限り焦っているらしい。
「かたじけないが。拙者はそろそろ学校に向かうでござる…。」
「それでは!」
猛スピードで階段を降りていった。落ち着きがない男子高校生だ。と、そんな事を言ってる暇などないのだ。
入学初日に遅刻はやばい。
「すみません…私も行きますね。それでは…!」
大きく飛躍し手際よく駅の屋根に登る。それからは池の川石をぴょんぴょん飛ぶように、屋根を飛び乗っていく。
勿論最小限力で。学校は山のてっぺんにある為とてつもなく通うのに時間がかかる。徒歩1時間はくだらないだろう。もしもの為を想定し。ショートカットできるルートを模索していた。
たまには空回りせずに役に立てるものだと少し誇りげになっていた。そうこうしているうちにあと10分。余裕で着く。
と思った。
前方に目をやると不思議なことに先程の男子高校生が居た。
この先に学校は私が行く「星逝学園」しかないのだから。
勇気をだして。屋根を飛びながら決して足は止めずに声を出してみる。
「あ、あの~!!さっきの方ですか!!」
できるだけ大きな声で声を発する。近くには人も居ないので多分大丈夫だ。
男子高校生は驚いたような顔をして集中が切れた。
「ぉ 、あ ッ ぅ え!?」
落ちた。男子高校生が。屋根から。流石に足を止めて下を見てみると無傷だ。やはり「星逝学園」の生徒か。と思い始める、
少し可哀想ではあるが無視して学校へと向かった。一応、着くことには成功した。少し気になったので教員に彼の事を聞いてみた。「一人称、語尾が特徴的」「紳士」というキーワードを出しただけで彼の名前が言われた。
男子高校生の名前は「津雲 明智」と言うらしい。随分かっこいい名前だ。そんな彼は割と凄いところのおぼっちゃまらしい。
その後津雲に何か用か?と聞かれたがいえ。とあくまで聞いただけにしといた。
それな彼も噂をすれば始業1分前で間に合った。なんというベタな。と思ったがかなり急いで来たのだろう。制服が崩れて今にもシワになりそうだ。
周りは「誰あのイケメン。」「モデルさん?」という声が上がる。
確かに電車内ではよく見てなかったがかなり整った顔立ちをしている。
ただ私はそれ以上に彼の身だしなみが気になった。
そんなもやもやしているうちに入学式始まった。
最初は校長のありきたりな話だった。
それから淡々と入学式は済ませられた。
自分のクラスを確認する。私の名前は「宵宮 麗」なので「よ」大体1番下を見ればいる。
下に注意しながら見る。私は2組だ、サラッと彼の名前もないか見てみたらなんとあった。
何かの縁なのだろうか。
そう思い乍少し考え込んでいると彼の方から話をかけられた。
「先程の…!同じまさか星逝学園の者だったのでござるか。。!?」
まるでこれから散歩に行く犬のように高揚した声色でそう私に聞いた。少し反応に戸惑ったも
「まぁ。そうですね。」
と素っ気なく呟いた。それより私は未だ直されてない彼の身だしなみの方が気になる。
流石にあまりじろじろ見ている物だから彼から「何か付いているのでござるか?」と問いかけられた。 私はその問いに「いえ。」と答え彼の前を去り教室へと向かった。