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shk視点
〜♪
ちょうど夏の香りがし始めた頃だろうか。俺はそのピアノの音を聞いた。
音楽室から聞こえてきた、まるで海の漣〔さざなみ〕のようなその爽やかな音色は、すぐに俺を虜にした。
次の日も、また次の日も聞こえてくるその音色が、いつしか俺の生きがいになっていた。
生きがいは過言かもしれないが、そのピアノが聴きたいから学校に行く、みたいな。
(ピアノ、誰が弾いてるんだろ…)
女子か、あるいは音楽の先生かもしれない。
気になった俺は心の赴くままに音楽室へと向かった。
〜♪♪
やっぱり外で遠くから聴くよりもこっちの方が鮮明に聞こえていいな。
(あー、緊張する…w)
コンコンッ
ガラガラ
(…!)
そこにいたのは美しい男の子だった。
赤茶色のふわふわな髪の毛に、綺麗な澄んだコバルトブルーの瞳。そしてシャツから伸びる白い腕。
天使が舞い降りてきたのかと思った。そのくらい、ピアノを弾いている姿がかっこよく、美しいのだ。
『…!』
『なにか、音楽室にご用ですか?それだったら僕、すぐ退きますけど…』
「あっ、いや、えっと…」
来てみたはいいもののどうしたらいいか分からん!!!
背高っか!先輩か…?
どどどどうしよう、とりあえず褒めよう!
「いや、演奏ずっと外から聴いてて、綺麗な演奏だな〜って、思ってて…」
『…もしかして聴きに来てくれたの…?』
「あ、えっとそんな感じ?です」
『えっ!やった!本当に?』
「ほんとっすよ!」
『え、まじ!嬉しい〜!僕、ここで弾いてて良かったー!』
「そんなに…?w」
『そんなだよ!とりあえず聴く?』
「…ありがとうございますっ!」
『敬語外していいよ〜君確か2年だよね?』
「え、あそうです!あっ、そう、だよ?」
『wwかわい〜な〜!w』
『僕も2年だよ〜ん』
「え、マジ!?背高すぎて先輩だと…」
『そう?てか自己紹介!してなかったね。』
『僕は木藪 瑠久〔きやぶ るく〕!2年2組、ぶるーくって呼ばれてる!」
「俺は鮫田 翠〔さめだ みどり〕。2年5組、シャークんって呼ばれてるかな〜」
『翠!いい名前だね!』
「瑠久もかっこよくてあってる…よ?」
『ほんとっ!?めっちゃ嬉しい…!』
『お礼に頑張って弾いちゃお〜っ♪』
『よし、……』
表情が変わった…!
〜♪♪♪
「…!」
いつも聴いてるあの曲だ…!
ぶるーくが弾くと一層綺麗に聞こえるな…
幸せだな……
『どうだった?』
「めっっっっちゃ綺麗だった…!」
「憧れる!」
『今弾いたのはねぇ〜確かワイツ?の曲だったかなぁ?』
『いい曲だよねぇ〜僕この曲めっちゃ好きでさ!』
「俺、ぶるーくが弾く曲もっと聴きたい、かも…?」
「いい?」
『うんっ!是非!』
俺はその日の放課後中ぶるーくのピアノをずっと聴いていた。
いつまでも、聴けたらいいなぁ…
※ワイツさん実際にいません。いたらすいません。