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コメント
2件
続き。。。書いて欲しいですか?
うわあ……第7話、一気に闇が深くなったね……。冒頭から美咲がケースに詰め込まれる描写が生々しすぎて、読んでるこっちまで息苦しくなったよ。特に「動く棺桶」って比喩が胸に刺さるし、首輪と鎖で2メートルしか動けないって設定が絶望感を強調しててヤバい。男の「新婚家庭」発言が狂気でゾッとした……。続きが気になりすぎるし、美咲がどうなるのか心配で仕方ないよ。らるあるとさんの書くダークさ、めっちゃ引き込まれる。続きも読ませてね🖤
「嫌! 放して! 誰か、誰か助けてえええ!!」
美咲は喉が破れるほどの悲鳴を上げ、爪が剥がれて血が滲むのも構わず、フローリングの床を狂ったようにかきむしった。しかし、男の細い腕はまるで鉄の万力のように美咲の身体を締め付け、床から軽々と引き剥がす。男は床に広げてあった、漆黒の大型キャリーケースの中へ、美咲の身体を容赦なく押し込んだ。
「やめて、お願い、入らない、息ができない……っ!」
成人の身体が収まるはずのない狭い空間。男は美咲の膝を胸へと力任せに折り曲げ、首を不自然に真下へへし折るようにして、その巨躯を強引に詰め込んでいく。パキ、と鎖骨のあたりで嫌な音が響いたが、男は一瞥もしない。「ジジジジジジジジッ!!」内側から閉めようとする美咲の指先を巻き込みながら、頑丈なチャックが強引に引き上げられていく。パチン、パチン。最後に鍵が閉まる冷たい金属音が響き、美咲の世界は完全な暗闇へと変わった。狂いそうなほどの密閉空間。酸素が急激に薄くなっていくのが分かる。ガタ、ゴト。ケースが横倒しにされ、美咲の頭がケースの壁に激しく叩きつけられた。衣服の擦れる音、そしてアスファルトの上を転がる車輪の「ゴロゴロゴロゴロ……」という地響きのような重低音が、ケースの布地を通して美咲の鼓膜を直接震わせる。
(誰か気づいて……お願い、誰か……!)
ケースのすぐ外では、マンションの住人やコンシェルジュがすれ違っているはずだった。美咲は叫ぼうとしたが、折れ曲がった喉からは「ヒュー、ヒュー」と引き攣った風切り音しか出ない。一歩外に出れば、爽やかな夜風が吹く現実の世界。なのに、自分だけが厚さ数ミリの布に阻まれた「動く棺桶」の中にいる。この世から消されたも同然だった。ドスン。強烈な衝撃とともに、ケースが車のトランクへと放り込まれた。バタン、とバックドアが閉まると、周囲の雑音は完全に遮断され、ブォォォンという重苦しいエンジン音と、激しい横揺れが始まった。どこへ向かっているのか、どれほどの時間が経ったのか、すべてが分からない。薄れゆく意識の中で、美咲はただガタガタと震え、恐怖のあまり失禁していた。その不快な温かささえも、自分がまだ生きているという最悪の証明でしかなかった。どれほど走っただろうか。車が止まり、トランクが開けられた。再びケースが引きずり出され、今度はジメジメとしたカビ臭い空気の層へと運ばれていく。カチリ。絶望の蓋が開けられた。
「……ぁ、あ……」
美咲は光を失った目で、這い出るようにケースから頭を出した。そこは、コンクリートの床に赤黒いシミがいくつもこびりついた、どこかの地下室だった。部屋の四方の壁には、美咲がこれまでにSNSに投稿した写真、盗撮された写真、そして──美咲の友人や、過去にすれ違っただけの無関係な男たちの顔写真が、すべて「赤いバツ印」をつけられて敷き詰められていた。
「待たせてごめんね、美咲ちゃん。ここが、僕たちの新しい新婚家庭だよ」
男が背後で、ガチャン、と重い鉄扉のボルトを閉めた。南京錠がいくつもかけられる音が、地下室に虚しく反響する。男の手には、太い鉄製の犬用首輪と、床のアンカーボルトに溶接された頑丈な鎖が握られていた。男は美咲の髪を掴んで引きずると、抵抗する力すら残っていない美咲の首に、冷たい首輪を容赦なくパチンと嵌め込んだ。鎖の長さは、わずか2メートル。部屋の隅にある、異臭を放つ薄汚れたマットレスに届くのがやっとの長さだった。
「これで、もう逃げられないね。警察も、君の友達も、誰もここには来られない。君を探せるのは、世界で僕だけなんだ」
男は恍惚とした表情で、美咲の頬を、泥で汚れた指先で愛おしそうになぞった。美咲はただ、涙も枯れ果てた目で、目の前の怪物を狂ったように見つめ返すことしかできなかった。これから死ぬまで続く、終わりのない監禁生活。美咲にとっての本当の地獄が、今、静かに幕を開けた。