北斗が寄り合いから帰って来たのは午後9時ごろだった、寝室を除くとアリスはベッドで眠っていた
そっと部屋のドアを閉じて、北斗は風呂場に向かってシャワーを浴び、髪を乾かし歯を磨いてから、上半身裸にパジャマの下のズボンだけ履いて
サンダルウッドのボディーソープの香りを漂わせ、階段を上り、再び寝室に向かった
ガチャリとドアを開けると、ベッドの小山がビクッと小さく跳ねた
北斗は小さくため息をついて、アリスが背中を向けて、寝ている布団を這いで横に滑り込んだ
「やぁ・・・・・・起きてるかい?・・・嘘つきちゃん・・」
..:。:.::.*゜:.
北斗が優しくアリスの耳にキスをした、アリスの枕がぐっしょり濡れている、ずいぶん前からずっと泣いていたのだろう
ガバッとアリスが北斗に抱き着いた、腕を首に回し、脚は丸太にしがみつくように、力いっぱい北斗の腰に巻き付いている
ぎゅぅ~~~・・「・・いて・・・いてて 」
ヒック・・・「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・北斗さん・・・ちゃんと言おうと思っていたの・・言おうとおもっていたのよ」
「怒ってないよ」
グスッ・・ヒック・・「ごめんなさい・・・嘘ついちゃってごめんなさい・・あんなに・・あんなに喜んでくれてたのに・・・ 」
「うん・・・」
うっ・・・うっ~~~うう~~「あ・・赤ちゃん・・・いないの・・・」
「・・・・うん・・・・ 」
彼はあんなに喜んでくれて、誠実な優しさを示してくれて
こんな自分でごめんなさい・・・ごめんなさい・・・もうすべてが申し訳ない・・・
彼にすり寄り、彼の腕がアリスの肩を包む感覚に安堵を覚えた
彼の一番素晴らしい所は、大切にされているという感覚を与えてくれながら、一切の束縛や戒めなどを感じさせない所だ。北斗はアリスの涙をそっと親指で拭いた
「何を恐れているのか教えてくれるかな」
北斗が穏やかに言った
ヒック・・・
「私は・・・北斗さんのお荷物だわ・・・」
しゃっくりと共ににまたしゃくりあげた、北斗さんの役に立ちたいのに、立派な牧場主の妻になりたいのに
「・・・君のいた世界では妻は夫と同じように、立派でなければいけなかったんだな、立派な妻に・・・、今度は立派な母親になろうとしている 」
北斗は自嘲気味な笑みを口元に浮かべた
「君は立派になる必要なんかないんだよ、大切なのは俺の腕の中で君が、幸せそうに笑ってくれることだ」
「北斗さん・・・・私は冷たくて愛情の無い母の元で育ったから、どうやって人に愛してもらえるかわからないの・・・ 」
「それじゃ俺が立派な牧場主じゃなくなったら、君は俺を愛するのをやめるかい?」
ハッとしてアリスが言った
「あなたを愛することを止めるなんて出来ないわ、たとえ何があっても」
「だろ?俺も同じだよ、君がどんな人であっても愛してしまうんだ、一生懸命一人で立派にならなくても」
コツンとおでこをひっつける
「いいかい?これは運命なんだよ・・・何があっても俺達は愛し合う運命なんだ」
アリスの目からとめどなく涙が流れる
「北斗さん!北斗さん!でも・・・」
「反論はなしだ」
北斗は優しく言った
「でないとその唇をもっといいことに使うぞ」
「北斗さ―」
有言実行とばかりに北斗の唇が、しっかりとアリスの唇をとらえた
優しく・・・でも激しいキスを受けアリスの強張っていた体が・・・罪悪感が・・・捨てられるのではという恐怖が・・・ゆっくりと溶けて流れて行く
アリスが力なく北斗にしがみつき口づけが深く・・・けだるいものに変わると、彼女は骨が抜けたようになり
やわらかで謎めいた感覚に流されて、夢とも現実ともつかない喜びの深みへと沈んでいった
夢見ごこちの中で北斗が、アリスの耳元でにささやいた
「赤ちゃん・・作ろうよ・・・俺は全然諦めてないよ」
「早く来て・・・・」
「君の中へ行くよ・・」
「離れないで・・・」
「ここにいるよ・・・」
アリスはもう確信をしていた
この人には「善」しか存在しない
上流社会の虚栄心と腹の探り合いの世界で、生きて来たアリスにとって、この善良で嘘のない彼は宝物を貰った気分だ
優しくて勇敢で・・・そして家族のために一生懸命働いてくれる人・・・
アリスの人生の中で成宮北斗のような男性は二度と現れない
「北斗さんがいなくなったら、私死んじゃう・・・」
「俺もだよ・・・ 」
こんなにも心の底から何かを欲しいと、思ったことがなかった
出会は必然、むしろ今までの27年間の人生は、この人に会うためにあったのかもしれない
どうしようもなく魂がこの人に惹かれている
彼の存在をこれほど愛しいと思うのは、彼が自分の運命の男性だからに違いない
それか前世において悲劇の恋人同士だった二人が、運命のいたずらに翻弄されて永遠に結ばれなかったのか
とにかく何でもいい、自分にはこの人が必要だ
アリスはそうした宇宙の不思議に思いを馳せ、畏怖の念におののいた
アリスは確信した、これから生まれてくる、自分と彼の子供は間違いなく無条件で幸せになる
これ以上ないほど
..:。:.::.*゜:.
「まだ十分に濡れてないよアリス・・・」
「そんなことないわ」
アリスは息をあらがせ手を伸ばして、彼のモノをつかむと、そこに激しい脈動を感じた、北斗が小さく喉の奥から声を漏らす、男性をセクシーだと思うのはおかしいのだろうか
でも目の前のこの人は明らかに、雄々しく、逞しく、そしてゾクゾクするほどセクシーだ、もう一度ギュっと彼のモノを掴む
どんどん大きさを増して、指が回り切らないほどになったそれを、太ももの間にいざない
先端をアリスの柔らかな、襞の重なりにくっつけ、円を描くように擦りつけた
ハァ・・・
「アリス・・・・ 」
「ね?濡れてるでしょ?」
彼のもっとも敏感な先端がプラムのように膨らみ、切れ目がしっとり濡れている、彼も感じてくれている、嬉しい
「北斗さん・・・・入ってきて・・・」
アリスの膨らんだ割れ目を突いて開き、北斗がギチギチ音を立てて入って来た
アリスは歌うように満足に甘い声を漏らし、誘ってお互いの舌を絡める
ああ・・・上も下も彼でいっぱい、とても幸せ・・・
満たされている喜び以外、何もわからない
「アリス・・・おれがこんな風に君を突いたら・・・」
北斗はアリスのヒップの下に片手を差し入れ、かすれた声で言った
「こんな風に腰を上げてくれ」
ゆっくりと挿入しながら、アリスに愛し合う行為を指導する、時間をかけてもう一度出し入れすると、アリスが恥ずかしそうにだが、北斗に言われた通りぐっと腰を上げて来た
「こう?・・・」
白い炎が一瞬のうちに全身を駆け巡る、北斗はどうにか息を整えた
「ああ―そうさ・・・いい感じ・・ 」
チュッとアリスのおでこにキスをして、目線を合わせる
「実の所はと言うと、今までそんなに意識して君の中には出していないんだ」
「そうなの?・・・私はてっきり・・・一回のこの行為で妊娠すると思ってた・・・」
北斗は笑った
「でもそれなら俺達は100人ぐらいもう出来てる」
「100人じゃ効かないわ」
アリスはまた腰をあげて北斗に擦りつけた、彼のモノを中で感じ、彼に甘えるのがたまらなく好きだ
「ああ・・・いいよ・・・気持ち良い・・・今日は一番奥で出すよ・・・赤ちゃんが出来るようにね 」
「うん・・・・ 」
「さぁ・・君も協力して」
アリスは膝を立てて両脚を踏ん張り、北斗がぐっと奥まで突いてくると同時に、腰を持ち上げた
単なる体の交わりを超えた行為を、二人でしているように感じる
初めて経験する、信じられないほど生々しく甘美な行為だ
アリスはこれほど激しくなにかを求めたことはなかった、北斗の下で絶え間なく腰を動かしていると、自分の中から歓喜が溢れてくる
いきなりぐいっと北斗がアリスの両脚を持ち上げ、肩に担いた
「ああ!北斗さん!それ深い!! 」
「痛くない?」
北斗の激しい打撃に応えながらも、内側が痙攣し、解放の瞬間が抑えがたい勢いで近づいてきている
北斗が額に玉の汗をかいている、下から見上げるこの時の北斗は絶景だ、ああ・・本当に素敵な人・・・
なのに突然彼がピタリと動きを止めた、歯を食いしばり息をハァハァ荒げている、アリスは動いてほしくてすすり泣くような声で、北斗にねだった
「―待って・・・」
「いや!いや!北斗さん」
「まだ終わらせたくないんだ・・・」
北斗は睾丸を片手で引っ張った、こうすると射精を引き延ばせる
「早く!早く!」
アリスは必死に踵をベッドに立てて、腰を上下に動かした、待つなんて出来ない!だってこんなにいいんだもん
「ああっ!もう 」
北斗はアリスをくりんっと、ひっくりし返し、後ろから勢いよく挿入って来た
「ああっ!深い~ 」
「痛かったら言って」
射精が自制程度になったため、北斗は再開し徐々にリズムを刻んだ
アリスは恍惚となり、シーツを握りしめて枕に顔を押し付けている、猫の伸びのポーズのように、お尻を高く上げ北斗に擦りつけてくる
一突きごとに北斗の背筋にビリビリと、快感が集まってくる
今やアリスは大声を上げ、完全に北斗を受け入れ、魅了し、心地よく締め付けてくる
そして良く濡れている
ああ・・・こんな喜びを与えてくれた女は今までいない
「はぁ・・・北斗さんでいっぱい・・・幸せ」
「そんな可愛いこと言うと出ちゃうぞ?」
「ダメ・・・まだ終わりたくない」
「そうだろ?」
アリスに背後から覆いかぶさり、最奥を突くたび、彼女が鋭い叫び声をあげるので痛いのかなと思ったが、すぐに甘い喘ぎ声になるので、そうではないと判断した
「ここ・・・一番奥・・・わかる?」
「あー!あー! 」
腰を突きつけたまま両手を引っ張って、アリスの体を引き上げる、北斗がアリスの最奥(ポルチオ)を自分の先端で、ぐりぐり擦り上げると、アリスの背筋がピーンと張っている
気持ちいんだなと把握する
これ以上はどうやら奥には行けないらしい、アリスの中の長さはここまでだ、体が小さいからやはり浅い
両手を離すとドサッと顔を枕に擦りつける、彼女が泣いているような声を出す
さらに畳みかけるように、北斗が背後から重なるように覆いかぶさり、顔を後ろに手で向けさせ、口をこじ開けて舌を絡めると、彼女も夢中でその小さな舌を絡めてくる
なんて可愛いんだ、自分の愛撫にすべて応えようとしてくれている、彼女に子を与えてあげたい
独占欲と庇護欲さ、らに彼女を崇拝する気持ちと、滅茶苦茶にしたくなる気持ちも混ざってごっちゃになる
そしてそれを彼女も望んでいる、間違いない、感覚でわかる
綺麗にくびれている腰を両手でガッシリ掴み、逆ハート型の尻を我慢できずに、少々乱暴かもしれないが、さらにギアを上げて激しく打ち込む
アリスが金切り声を上げて絶頂に身を痙攣させた
ああ!!中が収縮する!これには耐えられない
もう我慢の限界だ!睾丸が引きつる、解き放たれた稲妻が脳天をかち割る
北斗はこれ以上ないほどアリスの尻を引き寄せ、唸り声を発しながら最奥でとどまり、最後の一滴まで注ぎ込んだ
本能的な行為なのだろう、アリスは顔を真っ赤にしながらも、ピタリと動きを止めて、尽きせぬ衝撃の中でそれを吸い取った
やがてゆっくりアリスが突き上げていたお尻を、下げながらシーツに腹ばいになった
北斗も息を荒げアリスの背中や肩に、キスをしながら覆いかぶさり、二人は閉じた本のページのように、ぴったり互いの体を密着させた
とても幸せだった
このまま永遠に彼女の中で溶け合いたい、彼女の内側に包まれたまま、終わってしまったことが残念でとても寂しかった
暫くしたら、もう一度試してみたい体位があるし、受精しやすい行為のあれやこれや・・・・
そう考えながらも、彼女の身体を気遣った、自分は彼女より30キロは重い、残りの力を振り絞って、横向きに寝転んで自分のモノをスルリと抜いた
「北斗さ・・・ 」
「しー・・・シャワーを浴びてくるからね・・・君は動いちゃダメだよ・・・受精しやすいように暫くじっとして・・ 」
アリスは満足そうにニッコリ微笑んで頷いた、シーツを肩まで引き上げて、再びおでこにキスをした
「荒っぽくしすぎたかな?天使ちゃん」
「いいえ」
アリスはゆったりと伸びをした
「私の方こそ荒っぽかった?あなたがイクのを我慢してくれているのに、動けって・・・たしか催促したわ・・」
北斗は声をあげて笑った
「ああ・・手加減してくれと、泣いて頼む声が聞こえなかった?」
「うそばっかり 」
眉にしわをよせて唇を突き出す、なんて可愛いんだ
「寝ててもいいよ・・・・天使ちゃん 」
ウトウトしながらアリスが呟いた
「もう暫くしたら、またするんだから・・・」
北斗が笑いながらアリスの耳にキスをした
「ご要望通りに・・・奥様・・・ 」
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