テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「 貴方 に メモリー を 」
紫赫
赫「 …… 」
この病室の患者は俺一人。
静かで一人で寂しいけど、誰かと話すのは苦手。だからこの病室がずっと好き。
ガララッ_
赫「 … ? 」
桃「 なっちゃん 。話したい 事 があって … 」
扉が開くと、俺の兄であるらんが立っていた。
桃「 最近 、仕事 が 忙しくて 、なつ を 一人 に させちゃう 事 多いなって 思って … 」
そう言いながら、らんは部屋の奥に立つ一体の人影を示した。
赫「 …… ! 」
俺より少し身長が高く、人間のような見た目。けれど、どこか暖かい存在感があった 。
紫「 …… 」
桃「 この子 は 、支援 ヒューマノイド の いるま って 言うの 」
いるまは静かに歩み寄り、目をじっと俺に向けた。
赫「 … っ 」
紫「はじめまして、マスター。あなた を 支援 する ため に 設計 されました 。」
声は落ち着いていて、まるで報告書を読むような正確さ。 そして次に、規則正しいトーンで言った。
紫「管告。心拍数 上昇 を 検知 しました。」
ゞ「 推奨行動。楽な 姿勢 で 休憩 を 開始してください。」
俺は小さく息を呑む。
赫「……あの、俺、あんまり 話す の 得意 じゃないん だけど 」
紫「問題 ありません、マスター。会話 の 練習 も、支援対象 に 含まれて います」
ぎこちないけれど、まっすぐな視線。 人間に近い外見と、この冷静な喋り方のギャップに、俺は少し安心した。
赫「 …… よろしく 、いるま 」
紫「 こちらこそ 、よろしく お願いします 」
いるまは静かに病室の椅子に腰を下ろした。
座ると、なつのベッドと目線が近くなり、意外と威圧感はなかった。
紫「 管告。マスター、心拍数 は 安定 しています 。安心 して 会話 を 開始 できます。」
赫「 そっか … 」
俺は小さくうなずき、視線を窓の外にやった。
人と話すのは苦手だけど、いるまなら、少しだけ、できそうな気がした。
紫「 質問 します 。」
ゞ「 マスター 。現在 の 体調 は いかがですか ? 」
赫「 大丈夫 … だけど、… 」
紫「 分かりました。週 に 1回 体調検査 の 時 もう一度 同じ こと を お聞きします 。」
赫「 … うん 」
会話を少し続けるうちに、いるまはベッドのそばに少し身を乗り出した。 その視線が、いつの間にか俺の顔に集中していることに気づく。
赫「 … 何 ? 」
数秒後、淡々とした声が響いた。
紫「 …観察完了。マスター の 顔立ち は 非常に 整って おり、評価値 は 高い です。尊敬 します。」
赫「 ぇ … 何 急に … ⸝⸝ 」
耳と頬が熱くなる。
その瞬間、自分でも気づかないうちに心拍数が少し上がったのを感じた。
紫「 警告 。マスター の 心拍数 が 通常直 を 上回って います 。顔面 の 発赤 も 確認 されました 。」
ゞ「 体調 に 異常 は ありませんか ? 」
俺はベッドのシーツをぎゅっと握り、顔を逸らす。
赫「 だ 、大丈夫 … 」
紫「 安心 しました 。」
力尽きた… ( ᐛ )
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!