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第11話〖時間区画〗
時間区画・第1町。
巨大な歯車型建造物と、
規則正しく刻まれるクロックタワーの音。
その中央通りに――
二つの影が立っていた。
メニ〗
……JIN・Standby。
一拍、置いて。
メニ〗
変更――
BOOSTER・Standby。
次の瞬間、
上空から重なり合うような機械音声が響き渡る。
《CODE : BOOSTER …… OK》
メニの双眼が、銀色に発光した。
メニ〗
メンテしたばっかなんだけどなぁ……
独り言のように呟きながら、
内部システムが一斉に切り替わる。
メニ〗
第三知能指数、解放。
第四・第五制御ロック解除。
第八身体機能――全開放。
次の瞬間。
メニの内部パーツが次々とパージされ、
青く発光するシリンダーが
外殻部へとスライド移動する。
身体構造が、
速度特化用に再構築されていく。
骨格が伸び、
関節数が増加。
重心が前方へ最適化され――
その姿は、
第10等身型サイボーグ形態へと変化した。
直後。
――ドォン。
上空に展開されたハッチから、
BOOSTERポットが出現。
複数のユニットがパージされ、
吸い込まれるようにメニの身体へと接続されていく。
背部推進器、
脚部加速ユニット、
補助慣性制御フレーム。
すべてが、
一切のズレなく融合した。
最後のロックが完了した瞬間――
地面の空気が、震えた。
メニ〗
ブースターロイド――
装着完了。
時間区画の針が、
一拍遅れて音を刻む。
デュナ〗
……出たね。
メニ〗
ああ。
メニは、
軽く地面を蹴る。
――それだけで、
空気が置き去りにされた。
メニ〗
ここは時間区画。
速いほうが、正義だろ?
その瞬間、
遠方の監視システムが
異常加速反応を検知する。
――警告、未登録超高速体。
物語は、
ついに「速度の領域」へ踏み込んだ。