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電月ゆうあ💫
131
「らいと、準備できた?」
玄関の外から聞こえたロゼの声に、らいとは慌てて鏡を見た。
「ま、待って!」
浴衣の帯を最後に整えて、深呼吸を一つ。
「……よし。」
玄関を開けると、そこには浴衣姿のロゼが立っていた。
紺色の浴衣に、いつもより少しだけ柔らかい表情。
「……。」
「……。」
お互いに言葉が出ない。
最初に口を開いたのはロゼだった。
「似合ってる。」
「え?」
「その浴衣。」
らいとは一気に耳まで赤くなる。
「い、いきなり言うの反則!」
「本当のこと。」
「もう……。」
照れて視線をそらすらいとを見て、ロゼは小さく
笑った。
「行こう。」
「うん!」
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夏祭りの会場は、人でいっぱいだった。
提灯の灯りが夜道を照らし、屋台からは甘いりん
ご飴や焼きそばの香りが漂う。
「すごい人だね。」
「迷子になるなよ。」
「子どもじゃないって。」
そう笑った瞬間。
後ろから人の波が押し寄せる。
「わっ!」
らいとの体がぐらりと揺れた。
その手首を、ロゼがすっとつかむ。
「危ない。」
「ご、ごめん。」
「謝らなくていい。」
ロゼはそのまま手を離さない。
「……ロゼ?」
「今日はこのまま。」
「え?」
「はぐれたら困る。」
らいとの心臓がどくんと鳴る。
(手……つないでる。)
少し照れながらも、指先に伝わる温もりがうれしくて、らいとはそっと握り返した。
ロゼはそれに気づくと、優しく微笑んだ。
「何食べる?」
「焼きそば!」
「即答だな。」
「お祭りといえば焼きそばでしょ!」
「じゃあ買うか。」
二人で焼きそばを分け合ったり、かき氷を食べたり、射的で勝負したり。
「見て!」
らいとが射的で小さなぬいぐるみを落とすと、満面の笑みを浮かべた。
「取れた!」
「おめでとう。」
「ロゼもやってみて!」
「……苦手なんだけど。」
そう言いながら挑戦したロゼは、一発で大きなクマのぬいぐるみを落としてしまう。
「えぇ!?」
「……取れた。」
「絶対苦手じゃないじゃん!」
「たまたま。」
「絶対違う!」
笑い合う二人。
その時間が、何より楽しかった。
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祭りの終わりが近づく。
「もうすぐ花火だ。」
土手へ向かうと、人混みを避けられる静かな場所が空いていた。
「ここなら見やすいね。」
「そうだな。」
夜空を見上げた瞬間。
ドーン……!
大きな花火が咲いた。
赤、青、金色。
次々と夜空を彩っていく。
「きれい……。」
らいとは目を輝かせた。
その横顔を見つめるロゼ。
(花火もきれいだけど……。)
(今は、それ以上に。)
「らいと。」
「ん?」
「こっち向いて。」
花火の音に紛れるような、小さな声。
らいとは不思議そうに振り向く。
「どうしたの?」
「……。」
ロゼは少しだけためらってから、そっとらいとの
手を握り直した。
「今日は、ありがとう。」
「こちらこそ!」
「すごく楽しかった。」
「俺も!」
その笑顔があまりにもまぶしくて。
ロゼは思わず笑みをこぼす。
「来年も、一緒に来よう。」
らいとは少し驚いたあと、満面の笑みでうなずいた。
「うん!約束!」
その瞬間。
夜空いっぱいに、一番大きな花火が咲く。
二人は並んで見上げながら、つないだ手をそっと握り合った。
来年も、その次の年も。
この夏の思い出が、二人の心の中でずっと輝き続けますように。
コメント
1件
わああああ第5話めっちゃ良かった…!!😭💕 浴衣デートから始まって、手つなぐシーンがもう尊すぎて叫んだわ!!「今日はこのまま」ってロゼが言うところ、らいとが握り返すところ、全部エモすぎる…花火の下で「来年も一緒に来よう」って約束、最高の夏の思い出だね🎆✨ 二人の距離がじわじわ縮まってく感じがたまらんかった!彩葉さん、次の話も楽しみにしてます!!⋆♡