この作品はいかがでしたか?
42
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俺は桃。
突然だけど俺は
1人の男の子を拾った。
すごく幼い子。
真冬ですごく寒いのに、
ボロボロの薄い服を着ていて、
下に見える肌もアザだらけ。
そんな格好で、
暗い路地にダンボールを敷いて、
眠っていた。
俺は、
自分の家に連れて帰ろうとして、
その子を抱っこした。
体は冷たく、震えていた。
寒さと怖さがあるのだろう。
拾ったこの子。
すごく可愛い顔をしている。
なのに何故こんなところにいるんだ。
絶対に苦しい思いを
してきた子だと、
確信した。
だから、絶対幸せにしよう
そう誓った。
家に帰ると、俺の弟達が
おかえり
といつものように言ってくれた。
そして、男の子を拾ったと
非日常的な報告をした。
弟たちは
驚きながらも、喜んでいた。
喜ぶ弟たちがかわいくて仕方ない。
家の中では、拾ったその子を
これ以上ないくらい
温めた。
体も心も。
いつ起きても、不安にならないように
夜中も電気をつけて抱っこをした。
俺の一個下の弟である青が、
拾ったこの子の分のご飯を
作っておいてくれた。
青は最近、反抗期気味だが、
こういう時は優しく”兄”っぽいこと
をしてくれる。
そんな青が大好きだ。
4つ下の弟である黄は、
俺と拾った子のことを思って、
毛布やまくら、カイロなどを
持ってきてくれた。
いつでもどこでも、
人のことを思ってくれる、
そんな黄も大好きだ。
2人とも優しい子に育ってくれて、
お兄ちゃんはうれしいよぉっ!
心の中で叫んだ。
拾った子の体が
暖かくなってきた。
そして朝、その子が目を覚ました。
「んぅ、?」
可愛い声を出し、
辺りを見渡している。
「おはよ」
優しく暖かくを意識して、
声をかける。
「ッ、?だぁれ?
俺ね、赤っていうの。」
「そっか、赤って言うんだ。
いい名前だね。
俺は桃だよ。
赤のお兄ちゃんだよ。」
一部始終を見ていた青が、
「混乱させんなよ。
お兄ちゃんではないだろ。」
と笑う。
青の笑顔って、眩しいな。
「!赤のお兄ちゃんっ!
にいちゃ、、
桃にぃっ!!」
やば、破壊力エグすぎる。
これは死ぬ。やばすぎる。えやばい。
脳がバグっている俺。
笑えるな。
深く息を吸った。
「ほら、青も挨拶してね。」
青は、俺から目を逸らしたあと、
赤に近づいて、
「僕の名前は青。
赤くんのお兄ちゃんだよ。
よろしくね。」
そう言って、赤の頭を撫でる青。
「お前も混乱させてるじゃねぇか!笑」
「笑笑バレた?」
青。可愛いな。
そして、もう1人の天使もお目覚めだ。
「おはよ、ございます、」
目を擦りながら言う黄。
「おはよ黄。寝癖直しておいで?」
いつも以上に寝癖がやばい黄は、
めちゃめちゃ可愛い。
「僕直すよ。おいで黄くん。」
「んんっ!、」
天使以外何者でもないですね。
俺は心を落ち着かせて、
気を確かにして、赤に聞いた。
「ねぇ、赤はどんな生活をしてたの?」
「あのね、ままとぱぱはね、赤のことすき、ちがうの、。だからね。ままとぱぱはね、赤のこと、ぺちぺちするの。赤がね、めんめっ!悪い子、だからなんだよっ、!ポロッ」
赤は必死に泣きながら伝えてくれた。
そして
「赤は、まま達の所に、帰りたい?」
と聞いた。
赤は、首をかしげちょっと考えた後、
こういった。
「赤は、ままとぱぱっややっ!」
帰りたくないんだ。
そりゃそうだよね、。
だったら、話が早い。
「赤。俺らと、一緒に暮らしたい?」
赤はすぐに答えた。
「あかっ!桃にぃ達と、いっしょ!」
それは、もう四年前のこと。
今は、みんな少し、大人になった。
俺は、小さい頃から夢だった
警察官になった。
青も、
俺みたいになりたいって
言ってくれて、
青も一緒に警察官になった。
反抗期も卒業したし。笑
黄は、中学生で音楽の才能に目覚めた。
その才能があるなら、
とことん伸ばして欲しい。
ピアノとギターとドラムなど、
黄のためになるであろうことは、
できるだけしている。
そして、
赤は、小学生になった。
赤は自分が、
親に愛されなかったことを
幼いながら自覚していて、
愛されない辛さを
分かっているからこそ、
人に優しく接してあげられる子
になった。
だから小学校で、
“暖かい心の持ち主で賞”
という、学校でいちばん大きな賞を
貰っていた。
赤も赤らしく生きて欲しい。
「みんな起きてー!
朝だよぅ」
そんな俺の声で、みんなが
のそのそと動き始める。
「ほら、今日の朝ごはんはフレンチトーストだよ〜?いらないの〜?
桃にぃ食べちゃうよ〜?」
そんな俺の煽りで、
みんなの動きが早くなる。
そして、みんなで朝ご飯の
フレンチトーストを食べる。
みんなで、
電気を消したか、
火はついてないか、
忘れ物はないか、
という確認をして
家を出る。
青は黄を、俺は赤を
学校へ送る。
送ったら、
俺と青は合流して、
仕事場へ向かう。
俺たちは、相性ピッタリだから、
特別に、同じところでの勤務を
許されている。
そして、たくさんの人を救う
そんなかっこいい仕事をしている。
俺も青も黄も赤も
みんなそれぞれ全く違うけど、
それぞれが個性を活かして、
誰かを支えている。
それぞれが経験を活かして、
暖かく生きている。
これからも、個性を活かして、
暖かい心を持って、
自分が楽しいと思えることを
して欲しいと思う。
これが兄の切なる想いだ。
コメント
7件
初コメ失礼します🙇♀️ 主様の作品見させていただきました✨ すっごい感動する作品が…😭 この作品も、4人それぞれの個性が 書かれていてほんとに感動しました>_< フォロー失礼します(՞ . .՞)”