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見てはいけない
見たならば…….
私は私立○○高校の生徒だ。最近、この高校では変な噂が出ている。
『見たら呪われる画像』
それを見てしまったら、というのは誰も知らない。だからこそ、見たら死んでしまうのではないかと言われている。
私はあんまりそういうのは信じない、
というか信じたくないタイプの人間だ。
まあとはいっても、噂も一部のクラスの一部の生徒だけの、いわゆる内輪ノリというやつなのだ。
しかし、私の周りでは最近奇妙なことが起こっている。
まず、クラスでは机などが余る。
毎朝片付けているのに、なぜか余る机がある。また、ここ最近で少し物忘れ、といっても何を忘れたのかもわからないが。
家に帰る時、男子のくだらない話が聞こえた。
あの写真見たやつ、みんな死んだらしいぞ
そんなわけがない。
私の周りには気軽に見そうなやつがいっぱいいるが、誰も死んでいない。
所詮、誰かの作り話なのだ。
若干の落胆を覚えながら、家に帰る。
今日の夜ご飯は、って今日母は仕事か。
最近、母は突然仕事を増やした。
とくに何も変わっていないのに、何かやらかしたのか聞いても
合わないのよ。これじゃあ借金しちゃう。
今までだって母子家庭だったのに、
と不思議に思ったが、まぁ私が関わっても全く解決はしない。私はいつも通り過ごそう。
私は今日も学校に行く。
内心すごくめんどくさいが、行くしかない。
だけれど、とてもいいこともあった。
大好物の焼きそばパンが、最近必ず買えるのである。2個買えるのがとても嬉しくてたまらない。
学食のおばちゃんとも仲がいいから、
ずっと話してられる。
今日は短縮日程だったから
うっきうきで家に帰る。
私の家には誰もいない。両親はいない。
両親が誰かもわからない。
今日も学校に行く。
めんどくさいけど、しょうがない。
今日は短縮じゃないから、めんどくさくてたまらない。
あれ。英語の担任っていないよな。
こんなところに、購買なんてあったんだ。
帰り道、大雨にぬれな ら帰る。
晴れの予報はどこへやら。
目の前に紙がふってきた。
なぜかはわからない。突然出てきた。
どうやら写真のようだ。
謎の、何もない写真。
訳もわからず、投げ捨てて家に帰った。
翌日のことだった。私の机は無くなっていた。それだけではない。誰からも無視されているのだ。
それは、ずっと続いた。
私は気づいた。見たら呪われる写真。
あれは死ぬなんてやさしい物ではなかった。
見たら、誰からも認識されなくなる呪い。
不自然に余る机。いない両親。購買にきっといたはずのおばちゃん。
私も、仲間に入ったのだ。
もう、かつていたはずだったクラスメイトの机は空き部屋に入れられた。
あの写真は、何か呪いに関する物を写した写真だったのだろう。だが、それすらも認識できなくなった。
もう、私のことを見る人はいない。
目の前に出てきた写真。
いや、目の前にいたはずの人が落とした写真。あれが広がれば、世界はやがて終わるのかもしれない。
だが、その写真の危険性を伝える者ももういないのだった。