テラーノベル
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あ、おなか減った。直観的にそう感じた。空の上半分はカラスの色になっている。下の方は微妙に藍色のまま。今日も帰りが遅いなんて最悪、と駅に駆け込むと、丁度列車が発車するところだった。私は見事なまでの公開処刑で終電の列に加わる羽目となった。LED表示の案内表がチカチカして忌々しい。大体終電は何時発なんだよ?と忌まわしいそれに目を向けると、ラストランの文字があった。そういやこの地下鉄の車両、新型に置き換えられるとか言ってたな。いつも通り静かにプラットホームに滑り込んできたいつも通りの「日常」が、引退する。正直、実感が全くもって湧かない。
プラットホームに滑り込んできた「日常」は、「日常」を含有する過去の私を何処に連れて行くのだろう。
きっと、プラットホームに滑り込むのは「明日」。プラットホームに明日が来る。「今」の私はこうして朝を迎えた。
コメント
1件
あおいです🤍 第7話、読ませていただきました。「ラストラン」という本当にさりげないタイトルが、ラストシーンでぐっと効いてくるのですね。 「プラットホームに滑り込むのは『明日』」という一文、とても好きです。失われるものへの感傷に浸るだけじゃなく、その先に続く時間を、朝を描いて締めくくるところが、すごく優しい。日常の終わりを、日常のまま見送るような静けさが、心に残りました。
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