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R side
カノンと別れた。
2人でちゃんと話し合って、納得して、 けじめをつけたはずなのに、 ある日突然崩れた。
カノンと少し話したい、そう思っただけなのに突き離される。
カノンの部屋に集まると言ってたけど、きっと気まずくなるだけだ。
星が見たくなって外の空気を吸いに行く。
でも、厚い雲がそれを覆い隠してしまっている。
星にも嫌われちゃった…。
心が冷たい、そのまま凍って粉々になってしまいそう。 波打ち際で自分を守るように、小さく蹲る。
R「…カノン…」
大好きなその名前を呟くと目の前が少し明るくなる。
…?
顔を上げると雲の間から柔らかい月の光が差し込んでいる。
綺麗…。
見惚れていると、
K「…ルイ?」
背後から、低くて優しい声がして、ハッとして振り向く。
カノンだ…。
途端に泣きそうになる。
R「探してくれたの…?」
嬉しくて、気づいたらカノンを抱きしめていた。
ずっと味わいたかったカノンの感触と匂い。拒否されてしまうけど絶対に離したくない。
R「カノン…もう…苦しいよ…」
やっと言えた。
涙も一緒に溢れてしまう。
カノンもきっと同じ気持ちのはず。
そう思ったのに、
K「あの時話し合ったじゃん…」
諭されてしまう。
そんな話、もう聞きたくない。
心の中にある本当のことを教えて欲しいのに。
K「ッん…ッ!」
苦しくて堪らなくなって、衝動的に唇を重ねる。
チュッ…チュ…ッ…
K「ん…やッ…やめ…ッ」
たくさん愛し合ったこと、カノンの身体が覚えているでしょ?
K「ッ…んぅッ…ッ…」
カノンの腰が抜けてその場に座り込んでしまうけど、お構いなしにキスを続ける。
クチュ…ッチュ…ッ
R「ッハァ…ッん…」
カノンの口の中を舌でなぞる。カノンからの応えは無い。
独りよがりで悲しくなってくる。
お願い、思い出して。
夢中になりながら、唇を耳に、首筋に移していく。
レロッ…チュ…ッチュ…ッ
K「ッん…ルイッ…」
身体を突き返す手の力が弱まって、服をギュッと掴んでいる。
身体の力がまた抜けたなと思うと、カノンの肩が震えているのを感じる。
K「ッ…んッ…ッ…うッ…」
様子がおかしい。唇を離すとカノンの瞳から涙が溢れていて。
R「ぁっ…ごめ…」
慌てて身体を離す。
こんなことしても余計に嫌われるだけなのに。
カノンが首を横に振る。
K「っ…ごめん…」
なんでカノンが謝るの?
そう思ったと同時にカノンが俺の胸に顔を埋めてくる。
…なんで?
カノンの体温で胸が少し暖かくなる。
沈黙に波の音が響く。
R「カノン?」
期待してしまって、次の言葉を促すように名前を呼ぶ。
K「っ…やっぱり…ルイのこと…」
R「うん」
K「…気持ち固めたはずなのに…っ」
R「うん…」
K「っ…諦められない」
やっと聞けた、本当の声。
R「カノン…嬉しい…」
K「っ…うん…」
震える声と身体を優しく抱きしめる。
R「俺たち、やり直そう?」
K「でもっ…、元に戻ったとして、喧嘩したりしたら?仕事と割り切れないことがあったら?グループの…夢の達成に邪魔になることがあったら?」
顔を上げたと思うと必死になって訴えかけてくる。
俺だって分からない。
考えても答えが出なかったこと。
R「それは、そうなってから考えればいいよ」
カノンは先のことを想像して心配しすぎ。
R「大丈夫だよ、俺たちなら」
真っすぐカノンの瞳を見つめる。
根拠はないけど、本当にそう思うから。
カノンの綺麗な瞳から流れる涙を指で拭う。
R「大丈夫」
微笑んでもう一度言う。
K「…ん…」
カノンがそっと首に抱きついてくる。
K「ルイ…ごめん」
R「ははっ…カノンがそれでも頑なだったら…どうしようかと思った…っ…」
その時の感情を思いだしてまた涙が溢れてしまう。
K「ルイも泣かないで…」
カノンがトレーナーの袖で涙を拭ってくれる。
R「…ありがと」
K「ルイの目…月の光でキラキラしてる」
まじまじと目を見られたと思うとそう言われる。
R「恥ずかし…」
2人で月を見上げる。少し眩しいくらいだ。
K「あっ、そうそう、今日ピンクムーンだ…!」
R「あ、なんかで見た、春の満月」
K「でも、ピンクには…見えないね…」
R「あー…ね…」
2人で顔を見合わせて笑ってしまう。
K「でも、見ると幸せになるとか恋愛運上がるとか書いてあったよ?」
R「じゃあ俺ら幸先がいいね」
視線を月に戻して目に焼き付ける。
夜風が吹いてきた、冷たい。
R「そろそろ戻る?」
K「うん…ルイの部屋、行ってもいい?」
上目遣いで、少し遠慮がちに聞かれる。
それってそうゆう事だよね…?
R「いいよ、でも明日早いから1回だけね」
K「っ…///…それはルイも同じだからね?」
カノンが少しムッとして言う。
R「いこ」
手を繋ぐ。
合わさると安心する、カノンの温かくて大きな手。
もう、絶対離したくない。
G「あ、ルイおはよ」
R「おっはよ〜♪」
朝食会場に先に着いていたゴイチが俺を見て微笑む。
R「なに?」
G「カノンと仲直りしたんだ」
R「え…?」
G「分かりやすすぎる」
戸惑う俺を見て、大きな口で笑われる。
G「ま、良かったじゃん」
R「うん…ありがと…」
どのタイミングか分からないけど、俺とカノンの関係はバレていたようで。
K「おっはよ〜♪」
カノンが俺と同じテンションで入ってきたものだから、ゴイチが声を上げて笑う。
K「え?なに?!」
R「もぉー…」
呆れながらも状況を掴めていないカノンのおとぼけな姿が可愛くて、愛しくて笑ってしまった。
コメント
6件
めっちゃいい!❤別れてからの話とか初めて見たからどうなるの〜って思ってたけど結果最高でした、、、❤

最高すぎます