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めっちゃくちゃあついッッ!!!✨✨ 1人でボロ泣きしてました、、🥲 続きも待ってますっ!✨
この後目覚めた🐤くんが、 エピソード「人狼」に繋がってます!!
りうら「‘‘殺す’’」
瞬間、辺り一体が静まり返る。尋常じゃない殺気に一歩も動けない。
なんなんだこのガキ…!?雰囲気がさっきとはまるで違う!!
まあ良い。武器も持って無いんだ。どうせこのまま死ぬ!!!
…え?
ガンッ!!!!!
背後から硬い何かで思い切り殴られる。レンガ、だろうか??
領主「ガッハッ!?」
痛い。痛い痛い痛い!!なんだこいつ。いつの間に背後にッ
領主「グエッ!!!」
うずくまったところをさらに足で蹴りつけられる。当たり所が悪く、ちょうど胃の辺りだった。
うぷっ、これ、やば、。
領主「お゛え゛ええ゛えぇぇぇぇッッ」
ベチャベチャベチャッ!!
視点りうら
りうら「きったな。」
領主「がッ!」
目の前の汚物が嘔吐している。追い討ちをかけるようにもう一度蹴ってやれば、うめき声を上げた。
撃たれた足が痛むけど、今そんな事を気にする余裕はない。
りうら「あーあ、勿体な。」
普段俺達とは比べ物にならないくい良い物食ってんだろうなぁ。
そう思うと、腸が煮え繰り返りそうになる。
りうら「…なあ、お前のせいで死んだ人達は、どんな人間だったと思う。悪人に見えたか?」
領主「は…???」
はいかいいえで答えられる簡単な質問なのに馬鹿で愚図でどうしようもないコイツには理解出来ないらしい。
りうら「俺の母さん、優しい人だったよ。俺なんかの為に自分は食べるの我慢してさ。上納金がいくら上がろうと、‘’領主様は土地をくださってるんだ。贅沢言えない‘’って。無欲なひとだったなぁ。」
領主「それがっ゛、なんだよ…ぉ゛?」
りうら「…ほんとに何も思わないの。」
領主「ああ゛、思゛わないねっ…!!あたりまえだろ゛!!俺に敬意を払うなんて…ッww」
本当に救えない奴だ。今大人しく俺の機嫌をとっていれば、未来は違ったかもな。
りうら「もういいよ。」
いや、嘘はいけないな。今さらコイツが何を言おうと、何も変わらなかった。
りうら「バイバイ。」
先ほどのレンガを相手の頭めがけて思いっ切り振り下ろした。
グシャッ!!!
頭の潰れる音がする。足の傷にクソ領主の血がかかり白血球が防衛本能を働かせ、体内に入り込ませない様努めているが、無駄だろう。なにせ全身にコイツの血がベットリ付いているのだから。
りうら「…アカマル。」
少し遠くでうずくまっているアカマルの元へ駆ける。
アカマル「ぐ、、きゃぅ、、。」
りうら「あかまる…!!」
何かを俺に伝えたがっているようだが、弱りきった体では無理が生じる。
りうら「無理しないで…。」
手当てするための物を探しに立ち上がろうとした時、腕の中が異様に冷たくなる。
りうら「あ、か…まる??」
ふと腕の中を見ると、虚ろな目をした狛犬が、息絶えていた。
りうら「あ゛。ああ゛ああ゛あ、、、、。」
これまで堪えて来た涙が溢れ出す。もう何も見えない。全て無くなった。何も残らなかった。
りうら「うっ゛、ヒっく、クソッ、、。。」
何一つ救えなかった。もう少し速く起きていれば、あの時領主に殴りかかっていれば、アカマルを、、逃がしていれば…!!
りうら「う゛あああ゛゛あああ゛ああ!!!!」
りうら「ぁ゛…。」
ドサッ。
体力の限界だった。何時間眠ったのかも分からない。夢の中は幸せで、ずっとそれが続けば良いとも思った。
起き上がって、食べる物も話す人も居なくて、このまま死んでしまおうとも考えたが、皆を埋葬しなければ、こんな酷い死に方をしたのだ。せめて土に返してあげよう。
それにしても、何か食べなければ動けない。足も痛むし、精神的にも滅入っている。
…何食べよう…。。
食べる物なんて、無かった。
りうら「…ぁ。」
アカマルの亡骸を抱え、足を引きずりながら村を見渡すと、領主の肉塊が目に入った。
死んでも口になどしたくなかったが、皆の為だ、
りうら「うぷっ、、うぅ、…」
グチャ、グチャ、、、
…‘‘ゴクン’’
食べた。
酷い気分だ、自分が手をかけた最低最悪なクズ肉を、最低最悪な自分が食す。呆れを通り越して笑えてくる。
りうら「ッ!?」
食べ終えた途端、左腕が痛む。
異変を感じて袖を捲ると、見覚えのない小さなアザが
…戦ってる時、出来たのかな。
特に気にする必要も無いと思い、アカマルを抱え、思い出の森へと向かった。
りうら「…なあ、アカマル。俺とお前、ここで会ったんだよな。その時お前足を怪我しててさぁ、」
初めて会った時の事を思い出す。…あれ??そういえばあの怪我、1日で治ってた様な、
「りうらくん。」
りうら「ッ誰!!!」
背後から声がする。アカマルを守らなければと腕に力を入れるが、
りうら「あれ、?」
腕のアカマルは居なかった。
「こっちだよ、りうらくん。」
振り替えると、白と赤の着物を身に纏った少年が、立っていた。
りうら「アカマル…なの??。」
アカマル「そうだよ!!りうらくんが大好きな、君の愛犬さ!!」
にっこり笑って見せる。
りうら「ぁあかまるぅうう…!!」
たまらず涙がこぼれる。
アカマル「あはは、泣き虫だなぁ、笑」
ギュ
アカマル「辛かったね、苦しかったね。…ごめん。」
りうら「アカマル??」
アカマルの声が震える。
アカマル「守れなくてッ、ごめん。(涙)」
りうら「…いいよ。」
何に謝っているのか、アカマルが何者なのか、分からない事は多いけど、コイツはアカマルだ。俺には分かる。だったら、いつも通り、優しく撫でてやるだけだ。
アカマル「りうらくん、これから君の人生は、辛く苦しい物になると思う。でも、忘れないで。‘‘君は一人じゃない’’必ず、信頼できる仲間ができるから。」
りうら「アカマル??何言って、?」
アカマル「これが最善なのかは僕にも分からない。…分からないけど、幸せになって欲しいんだ…。」
りうら「アカマルが居れば俺幸せだよ??だから一緒に…」
アカマルがどこか困った顔をする。
アカマル「だから今は、」
‘‘‘おやすみ’’’
「待って」の一言も言えずに、意識が沈んでいく…。