※妙司類、彰類表現があります
地雷を思いっきり踏んで爆発する可能性があります。
・クソ短いです
何でもいい人は
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「司くん」
_光の差さない暗い部屋。でも、ギラギラと光る部屋の中。
僕は彼の名を呼ぶ。
だが、彼は何も答えない。
「ねえ、聞いてる?」
少しだけ力を入れて呼ぶも、やはり何も返事はない。
「ねえ」
「ねえ」
「司くん」
何度も何度も呼び続ける。
数日前くらいから、ずっとこの調子だ。
最近の彼はどこかおかしくて、全然僕に構ってくれない。
「つーかーさーくん」
「天馬くーん」
「…天馬司ー」
試しに、色々な呼び方をしてみる。
『天馬くん』なんて呼び方は久しぶりだ。これは僕と彼が初めてあった頃の呼び方。
懐かしいなあ、なんて思いつつ、彼をじっと見つめる。
「……」
ただひたすらに無言。
「ねえ、司くん。そんなに話してくれないなら、東雲くんのお家へ遊びに行っちゃうよ。」
「………………」
それでもただ、黙り続ける彼。
「…ごめんね」
ポツリと呟いた僕は、家を出て東雲くんの家へ向かった。
「あ、神代センパイ。」
僕は先程言った言葉通り、東雲くんの家へ来ていた。
インターホンを鳴らすと、東雲くんが顔を出した。
「やあ、東雲くん」
「……しんどくなっちゃいましたか…?」
何かを察した表情をしている。
「いや、そんな事、ないんだけどね。なんだか君に会いたくなってしまって。」
わざとらしい苦笑いを見せる。
彼はいつも何かを見透かしているようで、不思議な気分だ。
「ま、上がってください。汚いですけど」
「ふふ、うん。ありがとう、お邪魔するね」
「はい、お茶ですけど」
「ありがとう。」
彼は僕にお茶を差し出す。
「……あの、大丈夫ですか」
「え?何がだい?」
「さっきから手、震えてますよ」
彼の思わぬ指摘に、僕はぎょっとする。
「え…そ、そう、だね。気づかなかったよ。」
「ふーん」
「…ぁ」
彼は、僕の手に触れる。突然の事で、ビクッと大袈裟に反応する。
「…司センパイなんか辞めにして、オレにしときません?」
真剣な目で、僕を見つめる東雲くん。
「それは…駄目だよ。ごめん、ごめんね。」
東雲くんの手を払い、気を紛らわす為再びお茶を手に取る。
「なんで?あんなやつのどこが良いの?」
「オレならアンタをこんな風に苦しめません。アイツ、なんかよりも…ずっと幸せにできる」
「君は、司くんの事を何も分かっていない」
しつこく問い詰めてくる東雲くんに、僕は苛立つ。
「司くんは…僕を苦しめてなんかいない。司くんは優しいんだ。こんな僕を認めてくれて、必要としてくれて、それで…」
「オレには、そう見えねえけどな」
必死に訴えかける僕に、東雲くんは口を挟む。
「どうして…?」
「自分でも、分かってんじゃねえの?」
「…分からないよ、僕はただ…司くんが好きで……必要としてくれれば、それで良いんだ」
徐々に視界が濁っていく
「…アンタのこと泣かせたの、オレ?それとも、司センパイ…?」
僕の目元を拭き取り、 優しい声で問い掛ける。
東雲くんの人差し指には、水滴が乗っていた。
ああ…僕、泣いてるんだ……
「ん…分からない、僕には、何も……」
「…そっすか」
目を伏せて、彼もまた哀しそうな顔をする
そのまま僕の青紫色の頬へと手をズラして、勢いよく僕を抱き締めた。
ああ、僕はなんて心優しい人に愛されたのだろう。それなのに、僕はそれに応えられない。
本当に、自分が憎くて仕方がない
東雲くんを傷つけて、司くんを失望させてしまって。
僕にはもう、何も無い。
唯一あると言うのならば、愛されたいという欲だけ。
腕の傷を撫でながら、自分の惨めさに泣き続ける。
「東雲くん、今日はありがとう。」
『いーえ。オレの方こそ、ありがとうございました』
「フフ、どうして君がお礼を言うんだい?」
『いや、神代センパイ見るだけで癒やされるんで。』
「ふふっ、なんだい、それ」
東雲くんは、いつも優しい言葉をかけてくれる。
世辞でもなんだか照れくさくて、落ち着かなくて。
_ふと、司くんを見る。
「……」
こんなときでも、司くんは黙っている。
少しは嫉妬くらい、してくれても良いのに。
『センパイ、オレはこれからバイトですけど…そこに司センパイ居ます?』
「…うん、もちろん居るよ」
『げっ、居るのかよ……もしかしてこれ聞かれてます?』
「ううん、大丈夫だと思うよ。ずっと、 寝てるから… 」
『へ〜、そうなんすね、珍しい。』
『まあ、なんかあったらまた来いよ。』
「うん、ありがとう。それじゃあ。」
プツン、と言う音がスマホから鳴る。
「司くん、電話終わったよ。」
………
沈黙が続く。
「ねえ、もしかして怒ってる?」
「ごめんね、謝るから、もう他の人のお家行かないから、ね?許して…」
何度謝っても、彼は答えてくれない。
それが怖くて、不安で。呆れられてしまったのだろうか。
「ごめん、なさい。僕がこんなんだから、司くんも傷つくよね。ごめんね」
「……」
「ねえ、司くん。お願い、そろそろ何か言って?僕が悪かったから…」
またもや視界がぼやけて、司くんの頬に雫が落ちる。
マズイ、司くんを汚してしまった。
でも、その雫はだんだんと頬を伝っていって、綺麗な赤へと消えていった。
「ごめん…っごめんね………僕だって、仕方なかったんだ……君があまりにも、」
頬に触れる。
「僕を愛すから…」
さっきよりも視界がぼやける
恋人が泣いているというのに、司くんは相変わらず何も言わない。
ああ、本当に
そんな彼は、とても冷たい。
コメント
6件
もうやだ好きすぎて軽く叫んで隣の家の人に聞かれたかもしれないじゃ無いですかどうしてくれるんですか???うへへへへへへへへ類くんに傷が出来てるって事はうへへへへ 起きろスター!!!愛する妻がよんでんぞ!!!泣いちゃってるぞ!! 泣いてる類くんも確かに可愛いけどやっぱり類くんには笑っててほしいから起きろ天馬!!! 大好きです本当に
え、司君死んだ?大丈夫?
好きっす。はい。 ありがとうございます。 無事に成仏出来ました😇(?)