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深夜。酒の席。くるんとした髪の毛を触る。熱風が身体を抱き締めて離さない。どうせならもっと優しく抱き締めてほしい。どうせなら運命の人に抱き締められたい。暑さというのは人に絶望感を生ませるものだと思う。TV用と言われるような嘘臭そうに笑顔を見せる者に毎年毒を吐く。くたびれて汗を吸ったシャツの匂いは夏を楽しんた者と自分はさぞ変わらないのに、自分のシャツは不快な匂いが離れない。パスワード設定もしていない携帯をを覗く。

2019年 5月1日 0:00

自分が生まれ落ちてしまった時代【平成】は終わってしまったらしい。何となく新しい風が通り抜けた気がした。どんな自分になったとしても新しい物への期待感と好奇心が童心を擽る。だか、そんな気持ちはすぐに裏切られてしまうというのを大人になった自分は知っているらしい。気力も無いような大人になってしまうなら、ずっと夏休みに宿題に苦しめられる小学生のままの方が幸せなはずだと思う。

ジャリ…と硝子の破片を踏む。酒と硝子の破片の混ざり合いは蛍光色のエメラルドグリーンを表現した。

もっと硝子が細かくバラバラにならないかと、硝子の破片を思っきり踏みつける。夜の街に徘徊する自分を酒が匂いで責める。この硝子の破片は四色文字の蛍光板に自分の飲み仲間が酒の瓶をぶつけてしまった結果らしい。蛍光板の文字は4文字あった内の一文字が消えてしまい、何とも言えぬ卑猥な単語が完成してしまった。ちっとも面白くない。

周囲の悲鳴や騒ぎを聞いた誰かが警察を呼んだらしい。

硝子が割れる音なんて自分には聞こえなかった。

軽弾んだ頼りない声で飲み仲間の一人が「逃げろおぉおおお!!!???!?」と妙に整った顔で叫び笑った。

人生の途中、ここで警察に捕まるのだけは勘弁だ。何もしてないけど。俺一人が助かればいい。この飲み仲間は知り合いでもなんでもない。ただ、今日出会っただけ。


叫び声とざわめきに煽られ、俺は無意識に下品な照明を側に路地裏を走って駆け抜けた。




『プルーフ』#episode0 高橋鼠という男

「なんで逃げたん?」

「警察に急に追いかけられて怖くない人なんているんですか?」

「で? あんたこいつらとはなんの関係もないんやな?」

「ヘッ無いっすよ…偶然呑んでただけです」

「一応関係あるやん」

下手糞な文字で俺の名前 ” 高橋鼠 ” を書き記す警察官。鳥の小屋を少し人間サイズに大きくしたような交番で事情聴取を受けている。蛍光灯がチカチカしていて寿命寸前なのではと眩しさに目をつぶる。

「でもな〜コイツ君のこと仲間だって言ってるんよ」

「仮に仲間だとしても、今回の器物損壊には俺は関係無いっしょ?」

確かに器物損壊野郎とは呑んでいた。偶然同じ居酒屋で出会い歳が一緒だった。でも、酒の席となれば「今日出会っただけ」という間柄なんて腐るほどいるだろう。だか、今回は違うらしい。一緒に飲んでいた器物損壊野郎とその仲間たちは半グレだった。半グレにしては話の合うやつだったのに。

「まぁ、君の免許証も見せてもらったし…帰ってええよ。ごめんな」

ホッ…息を吐いた。器物損壊野郎とその仲間たち(半グレ)は別の警察官に何処かへ連れて行かれ、俺は関西弁の警察官に謝罪をされた。俺はまた、騒がしい夜の街を歩く。酒のせいで地面が濡れて滑りそうだ。暫く酒は控えよう。と下品な路地裏を出た横断歩道の白いところだけを踏みながら愚痴った。

下品な緑色の蛍光色と信号の緑の明かりと一体何が違うのだろうか。半グレになる人間と社会に出て働く人間は一体何が違うのだろうか。というか、半グレというのは悪なのだろうか? 人がどう生きるかは自由だろうに。だが、どう生きるかを決めればその先はもう本人の自己責任だ。


「結局、物も人も環境と出会いだよな〜」


そう独り言を言いながら信号機を支える硬いコンクリートを、横断歩道を渡りきってから少し撫でた。











長い帰路を辿って、家に帰って部屋の電気をつけるとき、俺は少し躊躇をする。未だに何かが暗闇から出てくるのではないかと寒気がする。元々は彼女だっていたのに。

俺はよく暇が出来るとSNSをいじる。俺は雑学好きだ。彼女や友達に気を遣うなら、一期一会とも言えるネットでの出会いのほうがお互い幸せで、しかも同じ趣味同士も探せば居るっちゃいるものだし…いざというとき、いつだって縁を切ることだって出来る。



半年前ある募集投稿をした。

___募集!!________________________

【雑学が好きな方募集。動画投稿を一緒にする仲間が欲しいです!】

条件・成人されている方。性別不問。

※主は男です

雑学が好きな方。youtuberとして一緒に活動出来る方。

_______________________________


雑学について取り上げる動画を投稿をするのが学生の頃の夢だった。雑学サークルに大学の時は所属していて、一緒に活動しないかとサークル仲間にも誘われていた。だか惜しいことにその時はとりあえず会社の内定を取ることに親も自分も必死だった為に誘いに乗ることが出来なかった。

結局、自分の想像とは期待外れの職業に就いた。夢なんて消え気力も失っていた。しかし、社会人をしながら同じ趣味同士の3人組で動画を編集し投稿しているという人を見て、俺も趣味の範囲だったら出来るのでは無いかと僅かな希望を賭けて、雑学仲間・動画編集等が出来る人を募集してみた。


結果は予想通りいつまで経ってもは反応無しだった。

「夢を見すぎた」と自分の募集投稿を見て何度も落胆し、もう今日でこの投稿は消してしまおうと削除ボタンを押す直前に携帯からバイブ音が鳴った。



—ブ~-ブ~-ピコン!



自分の携帯に通知が届いたらしい。

令和に入ってから初めての他人からのメッセージだった。


ジャナる :こんにちは。雑学好きの21歳です。

投稿されていた募集はまだ締め切っていませんか?

動画投稿、編集も出来ます!!是非参加したいです!!


『プルーフ』#1 仲間ができたらしい


忘れていた夢を思い出した。






続く……

COMING SOON!






−−−−−−−−−−−−−−−−−


《あとがき》


こんにちは。猫人間です。

今回はこの物語の主人公、高橋鼠について触れました。

前回の人物紹介の時より、高橋の人格が歪んでいる気がします(笑)

また、新たに人物説明出します。


・タイトル『私のプルーフ』について

プルーフ(Proof)は日本語で証明という意味で、訳すと私の証明という意味になります。タイトル理由についてはまた次回。


次回は桃伊賀民(ももいが みん)が登場しますよぉ、……

現時点では、しばらく物語の本筋は出てきません。

じっくりと人物を捉えてから筆者も描きたいので…

しばらくお待ちを…更新はかなりゆっくりになると思います


この先が楽しみだと思う方はイイネとフォローを…

とにかくイイネがあれば筆者は喜びます…


ここまでに致しますが、ここまで読んで頂き本当に

ありがとうございました…




7月31日 猫人間🐾

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