テラーノベル
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「キーヒ、キーヒ! 目を開けろって。キーヒ!」
男の子の声で、後ろの状況を思い出した私は、バッと後ろに振り返った。
キーヒと呼ばれたもう一人の子が、ぐったりとして動かないようだった。蹴られた時にできたと思う痣がひどく、顔色も悪い。
「あの……」
手を伸ばし声をかけようとしたら、男の子に睨まれた。
「近寄るな! お前らもオレ達を殴るつもりなんだろ! こんなところまで追いかけて来やがって!!」
怪我の様子を確かめたいけれど、手負いの獣のように、ガルルルと唸る男の子はキーヒを抱えながら後ろへと後退りしていた。
「リサ、もう一回僕達を呼んで!」
さっき聞こえた声がまた聞こえる。
「僕達は癒しの力もあるよ!」
そうだ、魔法! あの子の怪我を治して!
「ライト!」
キラキラと小さな光達が、キーヒに集まり傷を癒していく。
その現象を見ていた二人は、神聖な奇跡が目の前で起きて言葉を失っていた。
少しずつ光が終息していくと、顔色が戻り痣や傷が綺麗になったキーヒの姿がそこにあった。
「…にぃ…ちゃ……」
「キーヒっ!!」
目があいて、男の子にキーヒが話しかけている。
よかった、魔法が成功したのかな。
ホッと胸を撫で下ろした私の肩にアリスがポンっと手をのせてきた。そして、そっと私の耳元に口を寄せ小声で囁いた。
「リサちゃん、ボク以外の前で魔法を使っちゃダメだって言わなかったかなー?」
ひぃぃ、すいません!! 初めて聞いた少し冷たい声に背中がぞくりと凍りついた。
「まあ、でも…」
ポンポンといつものように優しく頭を撫でられたあと、アリスが男の子とキーヒに近づいていった。
「さて、君達、ボクの質問に答えてくれるかな?」
「うるさい! お前もアイツらと一緒だろ!」
キーヒを抱き締めながら、まだ警戒を解いていない男の子は威嚇する。アリスはふぅっとため息をつくとまた凍りそうな冷たい声で言った。
「そうだね、悪い子はぐるぐる巻きにして、罰を受けて貰おうか!」
アリスに気圧された二人は、青い顔で口をパクパクしながら震え上がっていた。
「ただボクの質問に素直に答えてくれるなら、考えなおしてあげるよ?」
一考の余地をもらい、男の子とキーヒはすごい勢いでコクコクコクと頷いていた。
「ん、いい子だね」
にこりと笑うアリスだったけど、いつもの優しい雰囲気がまったく感じられなかった。
可愛い笑顔が怖い!!
コメント
1件
あああアリス様のギャップやばすぎる!!😭💕 いつもの優しい笑顔の裏であんな冷たい声出せるなんて…逆に尊すぎて震えるんだけど!!キーヒくんが無事で本当に良かった〜魔法使えた瞬間ホッとしたよ✨ でもリサちゃんの肩ぽんからの「言ったよね?」の流れ、ゾクッときた…!あの「可愛い笑顔が怖い」の一文で全て持ってかれたわ、このエピソード神すぎる!!次回も絶対読むからね🎀
comi
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#異世界転生
しめさば
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花月夜れん
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