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「心音?」
「……え?」
振り返ったその人を見て、私は固まった。
「まさか、ここで会うなんて」
そこにいたのは、美咲だった。
「美咲!?」
「びっくりした〜!うちの班もここ来ることになったの!」
「なんだ、美咲か」
怜央くんがホッとしたように言う。
「何だと思ったの?」
「別に」
「怪しい〜」
美咲が笑う。
「じゃあ私たち、先に行くね!」
「うん!またあとで!」
美咲たちと別れて、私たちは展望台へ向かった。
階段を上りきると、目の前に綺麗な景色が広がっていた。
「わぁ……!」
私は思わず声を上げた。
「すご……」
陽向くんも景色を眺める。
「来てよかったね」
私が笑うと、4人も景色を見ながら頷いた。
「写真撮ろ!」
私はスマホを取り出した。
「また?」
怜央くんが笑う。
「だって修学旅行だよ?」
「はいはい」
「じゃあ、撮るよ!」
みんなで並んで写真を撮る。
カシャッ。
「見せて!」
画面を見ると、5人で綺麗に写っていた。
「めっちゃいい!」
「最初はこんな班になると思わなかったけどな」
怜央くんが言う。
「私も」
「最初は最悪って思ってた?」
陽向くんが聞いてくる。
「……ちょっとだけ」
「やっぱり?」
「だってみんな女嫌いって聞いてたし」
「まあ、それは今も変わってないけど」
湊くんが言った。
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#恋愛
雪音
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「え?」
「でも、心音は別に嫌じゃない」
「……え?」
思わず湊くんを見る。
すると湊くんは少し顔を逸らした。
「……同じ班だから」
「それだけ?」
「それだけ」
その会話を聞いていた怜央くんが笑う。
「はいはい、そういうことにしといてあげる」
「うるさい」
みんなが笑った。
修学旅行初日。
最初は最悪だと思っていたこの班が、今では少しだけ居心地のいい場所になっていた。
「そろそろ集合時間だよ」
蓮くんが時計を見る。
「ほんとだ!」
私たちは急いで集合場所へ向かった。
帰り道、私は鞄についたお揃いのお守りを見る。
今日一日だけで、いろんなことがあった。
迷子になったり、写真を撮ったり、みんなで笑ったり。
そして。
「……楽しかったな」
私が小さく呟くと、隣を歩いていた蓮くんが聞いた。
「何が?」
「今日」
「……俺も」
「え?」
「別に」
蓮くんはそれだけ言って、前を向いた。
私は思わず笑った。
女嫌い4人と同じ班になった、最悪の修学旅行。
そう思っていたはずなのに。
「また、この5人でどこか行けたらいいな」
そう思ってしまった。
修学旅行が終わっても、この5人の関係はきっと終わらない。
むしろ、ここからが始まりなのかもしれない。
完
コメント
1件
**第8話「最後」、読み終えたよ!** タイトルと本文で「完」って書いてあったから、これで終わりなのかな?って思ったけど全然そんなことなくて、めっちゃ温かい気持ちになった。 最初は最悪って思ってた4人との班が、修学旅行を通じてちょっとずつ距離縮まって、湊くんが「心音は別に嫌じゃない」って言ったシーン、不器用だけどグッときたよ。 "ここからが始まり"って終わり方、すごく好み。この5人の今後が気になる…! お疲れさま、sibaさん。素敵な話をありがとう🔥