テラーノベル
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第零話
イーサーは、前回のミッションの達成後、ロンドンに住んでいた。すると、ポストに一通の手紙が届いた。それを部屋の中に持ち帰り、封を開けてみた。そこに入っていたのは、一通の白紙と、小型機器だった。不思議に思ったイーサーは、白紙の上に小型機器を置いてみた。すると、あるビデオが映し出された。今回のミッションは、世界の大国が極秘裏に進める超機密プロジェクトの情報が入ったUSBが敵スパイ組織の手に渡った。このUSBが公開されれば、国際的なパワーバランスが一瞬で崩壊する危機に陥るため、それを阻止することだった。場所は、ニューヨーク。そこに行く途中の飛行機で事件は起こった。フライト115便は、ニューヨーク国際空港行きだった。ロンドンから飛び立って2時間後爆弾によって、右のエンジンが破壊された。その2分後、左のエンジンも破壊された。その事故で、乗客、パイロット、客室乗務員、計450人が、命を落とした。もちろんその中にはイーサーも含まれている。しかし、このミッションは、もしものために、「レイブン」と呼ばれるスパイが起用されていた。
第一話 影を追う者
ニューヨークの夜は静かに、しかしどこかざわめいていた。
高層ビルの谷間にそびえるラグジュアリーホテル。そのロビーは光と影の入り混じる舞台だ。
「レイブン」と呼ばれるスパイは、人々の群れに紛れながら一人の男を見つめていた。
冷静沈着なその男は、スマートフォンを操作しつつ、密かに誰かと通信している。
手にしている小さなUSBメモリは、世界の命運を左右する鍵だった。
レイブンは内心で緊張を隠せなかった。情報によれば、ターゲットは単なる敵の幹部ではない。二重スパイの可能性もあり、慎重な尾行が求められていた。
ホテル内の警備は厳重だ。監視カメラはあらゆる角度を監視し、警備員の目は鋭く動き回っている。
そんな中、レイブンはターゲットの動きを見失わないよう、絶妙な距離感を保ちながら追跡を開始した。
ターゲットはエレベーターに乗り込み、監視の死角を巧みに利用する。レイブンもすかさず後を追うが、同じエレベーターに乗り込んだ他の乗客の視線がどこか怪しかった。
その瞬間、スマートウォッチが震え、ロンドンにいる仲間のハッカー、ウィローから連絡が入る。
「警備が強化された。USBは部屋番号512に移動した。急げ」—その声にレイブンは背筋を伸ばした。
ドアの前に立つと、レイブンは息を整え、静かに鍵穴に手を伸ばした。中からはターゲットの声がかすかに漏れてくる。
ドアが開く瞬間、背後で近づく足音がレイブンの心臓を激しく鼓動させた。
今夜、この一瞬が世界の運命を変える。
レイブンは決意した。絶対にUSBを奪い、陰に潜む真実を暴き出す。
しかし、彼もまた知らなかった。目の前のターゲットが、既に自分の存在に気づいていることを――。
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ちょこけーき