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廃のような人間に生きる価値は
あるのだろうか。
起きて、スマホを見て、
ご飯を食べてみて、寝て。
見慣れた自分の部屋にも飽きてきて、
何かを変えたいと思っても、
外の世界に足を踏み入れる勇気もなくて。
そんな僕を救ってくれる人もいない。
だから僕は思いついた。
この世から消えてしまえば、
デジャヴのような毎日も、
心が空っぽのような気持ちも、
全部消えてなくなる。
いい考えでしょう?
僕は”あの方法”で死ぬ。
今日が作戦決行日。
外の空気を少しでも吸わないために
マスクを付けてみる。
僕の足取りは軽やか。
だってやっと解放されるんだもん。
ここが目的地の海。
躊躇いもなく飛び込んだ。
どんどん遠くなってゆく空。
少し苦しくなってくる息。
真冬だからこそ感じられる
手が悴む感覚。
全てが僕の思い通り。
僕が死んだ後の話。
僕が死んだ海の前には浜木綿という
華が置かれていたそうだ。
でも花言葉を知る術はない。
いつか知れたらいいな。
浜木綿の花言葉。
「どこか遠くへ」
「汚れのない」
「貴方を信じます」
どのような意味で供えられたのでしょう。
それは私にも分かりません。