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⚠
kn✕nk
いじめ表現
また今日も憂鬱な場所へと自ら足を運ぶ。
nk「はぁ~……」
ふと、無意識にため息を付く。息が白くなっていることにも気づかずに、うつむいたまま学校へ向かう。
見えるのは自分の足だけ。
そこへ見覚えのある靴が視界の端に映る
kn「おはよ~!なかむ」
nk「あ、きんとき…」
こいつはきんとき。俺の唯一の友達であり、親友。
kn「なんかテンション低くない?大丈夫?」
そう言って彼はまゆをひそめる。
nk「そんなことないよ」
事実 、テンションが低いのはほんとだと思う。
もう常々思う、なぜ自分が学校に行っているのか、なぜ生きているのか、わからない。
kn「そう、暗い表情すんなって、」
kn「何でも相談して?俺ら親友だろ?」
その言葉を聞いて心の中のなにかが弾けた。もう、きんときになら相談してしまってもいいのではないか?
そこで俺は重たい唇を開いて、話を切り出した。
nk「俺ね、いじめられてるんだ」
きんときはとても親身に話を聞いてくれた。
kn「そうだったんだ……気づかなくてごめん…」
彼は心底悔しそうな顔をした。
でも、すべて話してしまうと、やはり気が楽になった。
俺のことを蔑むこともなく話を聞いてくれた。 本当に嬉しかった。
kn「じゃあさ、今日は学校、サボっちゃおうよ」
nk「え…?」
俺は耳を疑った。真面目なきんときが俺のために一緒に学校をサボるなんて言うわけがないと思った。
nk「でも…」
kn「大丈夫。今日だけでも、休んじゃおう?」
nk「うん…!」
常々思う。いい友達を持ったなぁと。
俺のことにも、自分のことのように一緒に悩んでくれる。とても嬉しかった。
今日も、もう終わる。楽しかった。映画館に行って、ファミレスでご飯を食べて…
きんときには本当に頭が上がらない
本当に、ありがとう。
次の日、やはり昨日のような楽しい時間は待っていなかった。
でも、少し足が軽くなったのは君のおがげかもしれないな
学校につく。 下駄箱で靴から上履きに履きえ、いつもよりも少し短く感じられる廊下を歩き、
2-2とかいてある教室の目の前に立つ。
少し深呼吸してからドアに手をかける。
外に漏れ出すぐらいの大きな声は、俺がドアの外から現れた瞬間。どんどんと静かになっていった。みんなが俺のほうを見ている。
動悸。
こつこつと上履きを無らしながら自分の席の前まで歩く。
自分の机がない。
なんで?
少し考えるとすんなりと結論にたどり着いた。
そうか、あいつらの中の誰かが運んでどこかに持っていったんだ。
どうしよう、
座る席も無ければ、机に入れていた教科書でさえなくなっている。
俺は意味もなく、リュックを背負ったまま教室を出た。
意味もなく学校を歩き回っていれば、もう使われていない教室があることに気がついた。
そこは、俺にとって居心地のいい場所ではなかった。
そこで、殴られた。
といっても一発程度。
なので仕方なくその教室に入る。
入った瞬間、あの時のことを鮮明に思い出し、もう治ったはずの傷跡がズキズキと痛む気がした。
nk「はぁ…」
また、無意識にため息を付く。
あの日の朝と何も変わらない。きんときだって、いじめられたくないだろうから、俺のことなんて放っておくかもしれない。
また、新たな悩みができてしまった。
足音がする。
こんな教室の前を通るということは先生だろうか?
俺はバレないようにと息を殺した。
足音はこの教室の前で止まった。
ドアが開かれる。
そこには、
きんときがいた。
焦った表情で俺の方へ駆けつけてくる。
kn「良かった…教室にいなかったからどこにいたかと…」
nk「きんとき…?何で…」
きんときは俺の方へ相寄って、謝る。
kn「何もできなくてごめんね。」
その声は弱くほそぼそしいものだった。
nk「ううん、俺の方こそ、迷惑かけてごめん。 」
kn「ごめん…ほんとに」
kn「でも…、なんかあったら頼ってね。」
nk「うん、ありがとう」
kn「じゃあ、どうする?今日も学校終わったら遊んじゃう?」
nk「いいの?」
kn「うん、もちろん」
nk「でも、俺もう金ないかも」
kn「じゃあ、どうする?俺の家来てゲームでもする? 」
nk「じゃあ、お邪魔しようかな」
やはり、きんときと喋っていると何故か落ち着く。
きっと俺のよりどころはきんときしかいないのかもしれない。
彼は、チャイムがなると急いで教室に戻っていった。昼休憩には戻るから、と言って。
あの空き教室を出たあと、俺は教室に向かった。
kn「はぁ~、作戦成功かなぁ~」
そう言って、頬が緩む。
あの小さな箱の中でいじめなんてあったら気づかないわけがない。
なんせ、俺がいじめるよう仕向けたのだから。
そして弱くなったなかむに漬け込んで、俺しか頼れる人がいない状況を作り出した。
そうやって俺に堕ちてくれれば良かった。そのためなら手段を選ばなかった。
そしてそれももうちょっと。
今日の放課後にはなかむはもう俺のもの。
fin〜
(2025 12/9)