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※自己解釈
※死ネタ
※ご本人様と関係ありません
「ねえねえもとき」
「なあに?ひろと」
「大人になったら結婚しよっ!」
「ひろとならいいよ!!」
「やったぁ!どこにも行かないでね?」
「僕はひろとだけのものだよ!ずっと一緒!」
日本一のアーティストと言われても
音楽の天才だと言われても
どんなに好きを伝えられても
忘れられない貴方のこと
あゝ、憎い恨めしい
期待させといて。
ずっと待ってるのに
許せない。
大嫌いな夜
やり過ごすために歌詞を綴る
どの愛の歌も
どうしても似通ってしまう
好きの対象が貴方しか居ないから
これだから人は…
死んだ人のことがまだ好きなんて
他人から見れば見苦しいだけ。
あぁ、今日も朝日が昇る
幼稚園児の戯言を
ずっと信じてた
自分の純粋さが憎い
そのせいでずっと
貴方のことが離れない
でも結局は
貴方と過ごしたあの10年が
大切で、愛おしくて、痛くて
惨め。
「お疲れ様でした〜」
涼ちゃんと2人で退勤
今日はテレビ収録だった
「僕こっちだから。」
「ん、ばいばい」
涼ちゃんと別れて俺は”いつもの場所”へ向かう
「わーかい」
話しかけても返答はない
「今日はね、ブルーデイジーだよ」
「花屋に置いてあってさ、綺麗だったんだ。」
「今日は涼ちゃんがね、相変わらず涼ちゃんワールド炸裂してて面白すぎたんだよ笑」
ダラダラと誰も居ない真っ暗闇な墓地で1人話す
愛しい人の石碑に向かって。
去り際に手を合わせる
「もうすぐ、そっち行くからね」
あぁ、戻れないかな
貴方のことを愛していた日々に。
高2 春
僕の人生が大きく変わった
どうすればよかったのか
思い出すだけで吐き気がする
僕を庇って死んだ彼
お前のせいで死んだんだと
たくさんの人に罵られた
「どうすればよかったの」
毎晩伝う涙の意味は
誰も教えてくれない
忘れたかった
明るい人生を歩みたかった
今でもトラックを見ると震えが止まらなくなる時がある
忘れたい
そう思いながらも
君の石碑に口付けを落としてしまう僕は
矛盾している
次のライブが終わったら
僕は死ぬ
ちゃんとやりきって、
残ってる歌は完成させて
君の元へ逝く
きっと
ネットはすぐ僕に噛み付いてくるだろう
日本一と名高いバンドのボーカルが死ぬんだ
少しでも、騒ぎになってくれるだろう
僕がここに居たって
忘れないで
みんなと歩んだ今までが
楽しくなかったことなんてないから
僕は、人の温かみを知りすぎた
ごめんね若井
来世では絶対
「けっこんしよーね」
そろそろかな
三途の川で君を待つ
もちろん俺は向こう側
「若井!!」
あ、
「…早いよ、笑」
「ずっと、寂しかった」
「待ってたよ」
そう手を差し伸べる
握り返した君の手はもう暖かくなかった
今度はちゃんと、離さないからね
俺たちは無我夢中で走り出した
足元にある花に気づかないほどに。