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テラーノベル(Teller Novel)
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第5話 gr×tn(左右要素薄め)

♥

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2021年12月23日

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直接的な描写はありませんが、人が減ります。短いです。





gr side



『屋上で待ってます』



その一言のメッセージの意味に気付いた時には、体は既に動いていた。


勢いよく開けたドアの先に、見慣れたアイツの姿。


夕日はとうに沈みかけていた。


少し強い風になびく、綺麗な黒髪と赤いマフラー。


その姿に思わず見とれてしまう。



tn「本当に来るとは思わんかったわ…」



ひしゃげて所々穴の空いたフェンスは、俺と彼の間に壁を造っている。



gr「お前、何、しとんねん」



色んな感情がごちゃごちゃになって声がうまく出ない。


いつもの様に口調をつくる事も出来ない。



tn「…ええやろ、別に」



困ったように彼は笑って目を逸らす。



gr「なぁ…そこ、危ないぞ。はよこっち戻ってこい。」


tn「大丈夫やで、そんなに怖ないし。」



何の説明にもなってない。


何を言ってるのか分からない。


俺は、何も言葉を返せなかった。


じっと彼を見つめる。彼は何も言わずに俯いている。


しばらく続いた沈黙を破ったのは彼だった。



tn「そろそろ、行こか……」



やっと紡がれたその言葉の意味を理解したくなかった。



tn「忘れないでな、俺の事。…ずっと。」



そう言って俺に目を合わせる彼。


吸い込まれそうなその瞳に息を飲む。


それを皮切りに、彼の体が傾いていく。



咄嗟にのばした手は、虚しく空を切った。




彼の最後の顔は、声は、あの瞳は、ずっと忘れられない。




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とんち、、、

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