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甲斐田「」
剣持〈〉
不破《》
僕はもう、1ヶ月以上2人と会話を交わすことは無かった。
そして、いつの間にか不破先輩が卒業する時期になっていた。
卒業式が終わると校庭には、
1〜3年生と色々な人で賑わっていた。
僕は誰もいない教室の窓から、
1人で校庭を見つめていた。
居た。
僕はいつの間にか、不破先輩を探していた。
不破先輩は校庭の真ん中付近で何年生関係なく、女子に囲まれてたくさんの告白を受けていた。
やっぱり、モテるんだな。
なんて思いながら見つめていた。
〈不破先輩のこと、気になっているんですか?〉
後ろから急に声がして、
少し跳ね上がった。
それは、普通のもちさんが居た。
もちさんは近づいて来て、僕の顎を優しく掴む。
〈僕じゃダメですか?〉
「え?」
〈僕のことは、好きじゃないんですか?〉
「いや…好きと言うか…」
〈何?〉
不破先輩がこちらに気づく。
一瞬、不破先輩の瞳に光が消えたように見えた。
不破先輩は周りにいた女子生徒を押し退け、こちらへ向かって来る。
もちさんは気づいていなく、
躊躇なくバックハグをしてきた。
しかし、不破先輩からは見えない位置だったので安心した。
いや…それはそうとも、
不破先輩が来ているのだった。
そう思った途端、教室のドアが勢い良く開いた。
《甲斐田!》
〈不破先輩?〉
「不破さん!」
《甲斐田…俺じゃアカンの?もちさんの方が好きなん?なぁ、教えろよ。なぁなぁなぁなぁ!!》
「不破せんp…」
不破先輩と呼ぼうとした途端、パチンと言う音が響いた。
痛い
パチンと言う音は不破先輩が僕の頬を叩いた音だった。もちさんは動けないくらい、ビビっている。
《あ…甲斐田…!ごめん…俺、甲斐田のこと平手打ちして…》
「大丈夫です。へーきですよ。」
僕は精一杯、痛みを堪えながら笑った。
もちさんは僕の頬を優しく擦ってくれる。
いつもとは違う温かい手だった。嬉しい。
好きになりそう。
「不破先輩、そんなに落ち込まないでください。甲斐田は元気です✨」
《甲斐田…ありがと…でも、ごめん。もちさんのこともビビらせちゃったよなぁ》
〈…不破先輩〉
《何?》
〈不破先輩は狂ってますよ。〉
「え?」
僕もびっくりしたが、
やはり不破先輩が1番驚愕している。
もちさんは凄く真剣な顔をしていた。
確かに僕のことを急に平手打ちして、
ごめんって…
不破先輩じゃないみたい。
え…僕、今、不破先輩じゃないみたいって…
嘘でしょ…不破先輩じゃないって…何?
不破先輩は不破先輩でしょ?
甲斐田晴、可笑しくなった?
《俺が狂っているって…何?》
〈そのままの意味ですよ。甲斐田くんを急に殴ってごめんって…〉
「いや、痛くないので大丈夫です!」
〈そう言う問題じゃないから。〉
《俺が狂ってる訳ないやん。ほら、甲斐田おいで…♡》
あれ…なんだか、体が勝手に動いて…
気がつけば、僕は不破先輩の腕の中で強く抱きしめられていた。
もちさんの顔は青ざめていた。
〈不破先輩…?甲斐田くん…逃げなきゃ〉
「え?」
僕が不破先輩の顔を見ようと顔をあげた途端、僕はびっくりする所じゃなかった。
怖かった。
僕を抱きしめていた人は、
不破先輩ではなく…
コメント
1件

ものすっごく続きがめっちゃ気になる…!✨