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俺の名前はエイガ=ハートネスト。
学園では優秀な成績を収めており、実技、筆記、共にA判定だった。
そんな俺も、今日学園を卒業する。
卒業証書と共にスキルが渡されるのが、この世界の習わしだった。
体育館にみんなが集まり、順番に名前を呼ばれていく。
悪魔の右目、聖なる防御、音速、爆発力、結構強そうなスキルが渡されていく。
俺の番になり、みんなが注目する。
首席だからな、俺が。
さて、どんなチートスキルが?
「エイガ=ハートネスト!
スキル『インスタ』!」
シーーーーーーン…
静寂が落ちる…
イン…スタ…?
何、それ…?
そして、爆笑が起きた。
「インスタってなんだよ?」
「初めて聞く言葉だぜ?w」
「可哀想ー!
首席なのにね!w」
俺はその後誰からもパーティの誘いの声を掛けられず、虚しく一人で帰って行った…
インスタって、何なんだよっ…!
その日、この世界の習わしで、村を旅立った。
とはいえ、スキル『インスタ』じゃ、行く場所の当てもないし、とりあえずは大きな街を目指した。
乗り合いの馬車で、始まりの街・イライザに向かったのだ。
さて、これからどうするか?
冒険者として世界を旅するのが夢だったが、それはもう無理かもしれない。
いや、インスタがどんなスキルか分かれば…
まだ、可能性は、ある…?
インスタ…
インスタ…
インスタ…?
言えば言うほど、奇妙な言葉である。
そんな事を思っていると、イライザの街に到着した。
馬車で一晩過ごしての、翌朝だった。
とりあえず俺は冒険者ギルドに向かった。
えーと、ギルド「ほむら」か。
あった、あった。
「あのぅ、すいません。
冒険者登録を…」
「あら、良いですよ。
お名前とスキルをお伺いしますね。」
「エイガ=ハートネスト。
スキルは…
インスタ、です… 」
「インスタ…!?
それはどんなスキルなんでしょうか…?」
「分かりません…
インスタと言っても何も起きないですし…
前代未聞のスキルらしくて…」
「そうですか…
では、残念ながらZランクからのスタートとなりますね…」
「ですよね…」
俺は了承して、Zランクの身分証をもらった。
掲示板に向かうと、Zランクの依頼は隅っこの方に2個だけあった。
【溝のスライム掃除】【畑のイノラ退治】の2つだ。
俺は迷った末にスライム掃除を選んだ。
最弱と言うからな、スライムが。
そして、街のスライムが張り付いた裏路地の溝に向かったのだ。