「はいコレ、バレンタイデーのチョコ」
ゆきやさんの家でまったりしていると、何かを思い出したらしいゆきゆさんが冷蔵庫に向かい、持ってきた箱を俺に手渡した。
「え、待って俺なんも用意しとらん」
交換することが分かっていれば用意していたのに。今はもう深夜だし空いている店もない。どうしようかとわたわたしているとゆきやさんが笑って
「ならホワイトデーに3倍返ししてや」
と言ってくれた。これは気合いを入れなくては。早速包みを開き、チョコレートを口に含む。
「ん!美味しい」
「そ?よかった」
「ゆきやさんも一緒に食べようや」
チョコレートを一粒手にとってゆきやさんに差し出す。
「え”」
「?どうしたん」
「あー今俺甘いもの食べる気分ちゃうんよ、ありがとうな」
どちらかと言えば甘いものは好きな方なはずなのに、と思ったがまぁそういう時もあるだろうと特に気にせずにいた。それから少し経った頃、俺の体には異変が起きていた。
「っ、なんかこの部屋暑ない、、?」
「そんなことないと思うけど、気の所為ちゃう?」
暖房がついているとはいえ今はまだ2月。外は凍えるほど寒いと言うのに俺はうっすらと汗をかいている。
「アニメハさん顔赤いで?」
ゆきやさんが心配そうに俺の顔を覗き込み、頬に手を添える。少し触れられただけなのに俺の体は反応してしまう。
「ほんまに大丈夫、ってアニメハさん!?」
気づけば俺はゆきやさんを床に押し倒し、その上に跨っていた。先程貰ったチョコレートを口に含み、ゆきやさんに口移しする。
「どうせこれになんか入っとんやろ?これでゆきやさんも道連れや」
拍子抜けした顔のゆきやさんに、にやりと挑発的な笑みを向ける。
「これだからアニメハさんは飽きひんのよな」
「ゆきやさんが楽しそうで何よりですー」
「これからもっと楽しませてくれるんやろ?」
「、、お手柔らかに」
次の日はベットから出れないし声も枯れてるしで散々だった。ホワイトデーはこれの3倍返しやもんな、、今から楽しみで仕方ない。
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