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嫌われる話

5 - end1 後半

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2025年04月20日

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限界が駆けつけるend 後半






gnside



「…..ぅお、!」


ドアを開けると同時に、隣にいたはずのたらこが飛び出し、壁に背中を預けてベッドに座っているぐっちに一目散で抱き着いた。


3日間しか経っていないのに久しぶりに感じるぐっちの顔は、酷いものだった。

沢山泣いたのか目は赤く腫れてしまっていて、顔は少し青白く、心底怯えたような表情をしていた。

たらこが抱き着いてからは困惑したような表情に変わり、隣に腰掛けているらっだぁの手を強く握っていた。

身体は少し震えていて、表情からも俺らを怖がっていることがわかった。

でもたらこは、そんなことお構い無しに涙をボロボロと流し、より強く抱きしめる。


「 …..ぐちさッ、よかった…ぁ、、」


俺らはそんなたらことぐっちを部屋の入口から眺めていたが、焼きパンがたらこのように泣き出しぐっちに抱きつきに行った。


「…ぐっちのばか、…めっちゃ心配したんだからね、」


そんな二人を見て、ぐっちも怯えたような表情が消え、心底驚いたような表情をした。


「ぐちつぼ、俺らずっとお前のこと信じてたよ」

「ずっと探してた、ここ3日間」


少し震えた声のこんそめがぐっちの不安定に揺れる瞳を真っ直ぐと見つめ、頭を撫でながら言う。

さっきまでの驚いたような表情とは一変して、綺麗な紅色の大きな瞳から大粒の涙をポロポロと落としていた。


「俺ッ、ほんとにもう戻ってこないかと思った、」


その場で泣き崩れたかねごんが絞り出したような微かな声で言うと、ぐっちは本格的に泣き出した。


「ほらね、ぐちつぼ」

「みんなぐちつぼのこと疑ってないし信じてるから」


ぐっちが泣いているのを見て、本当に今目の前に居ることを改めて実感する。

ここ3日間は生きた心地がしなかった。

手当り次第色んな人に連絡して、情報をかき集めて、色んな場所にいってみて、それでも居なくて。

もう帰って来ないんじゃないかとさえ思っていた。


みんな言いたいことが言い終わって泣き声だけが部屋に響いた。

みんなの泣いている声を聞いて、俺まで涙がこぼれてきた。

あぁ、もう心配しなくていいんだ。

そう考えるだけで心が軽くなって、今目の前にぐっちが居るという事実が心から嬉しかった。


そっからしばらくは全員で泣いていた。


泣き疲れたのか、ぐっちは少しだけ落ち着いた表情で、ぐしゃぐしゃになった顔を袖で拭った。


そして全員が少しずつ落ち着いてきた頃、ぐっちが口を開いた。


「……ごめん、みんな……俺っ……」


弱々しく絞り出す声に、かねごんがすぐさま首を振った。


「謝んなくていいよ、ぐっちは、なにも悪くない」


かねごんの必死な声に、ぐっちはビクッと肩を揺らしたけど、今度は怯えた顔じゃなくて、堪えきれないほどの感情がこもった顔をしていた。


「俺、……怖かったんだ、」


ぎゅっとらっだぁの袖を掴みながら、ぽつりぽつりと呟く。


「なんもしてないのに……どんどん嘘が広がって……言い訳しても誰も聞いてくれなくて……、」


声が震えて、途切れ途切れになる。


「証拠、って、言われた……。……でっちあげられてるの、わかってるのに……誰も、信じてくれなかった……」


堰を切ったように、ぐっちの口から苦しみが零れ落ちた。

がぐっと唇を噛み締め、涙ぐんだ目でぐっちを見つめる。


「ぐっち、全部、知ってる。お前がそんなことするわけねぇって、ずっと思ってた。」


「……絶対、おかしいって思ってた。だから、ずっと探してたんだ、」


焼きパンも鼻をすすりながら、ぐっちの手をぎゅっと握った。


「ぐっち、僕らに頼ってよ……ひとりで抱えないで……!」


涙声で絞り出した焼きパンの言葉に、ぐっちは喉の奥を震わせた。

らっだぁがそっとぐっちの肩を抱き寄せる。


「なぁ、ぐちつぼ。……お前がどんなにボロボロでも、俺らはずっと味方だからさ。」


優しいけど、強い声だった。


「だから、もう、怖いって思わなくていい。俺らが、全部守るから。」


ぐっちは、俯きながら、小さく、小さく頷いた。

涙がぽろぽろと、また零れた。

その様子を見て、たらこがまたぼろぼろ泣き出して、こんそめもぐっちの頭を撫でながら「もう大丈夫だよ」って何度も何度も囁いた。


部屋の中には、ぐっちを包む温かい空気が広がっていった。

誰も、ぐっちを責めたりしない。

誰も、ぐっちを見捨てたりしない。

そのことを、ぐっちもやっと少しだけ信じられたみたいだった。

ぐっちは震える手で、らっだぁの腕を掴んだまま、また静かに泣きながら、少しだけ笑った。


「……ありがとう……みんな……」


その声は、ぐっちの心からの言葉だった。

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